売上ゼロから再出発した『こてっちゃん』が、味付け牛もつ加工品の売上トップに復活するまで~こてっちゃん(エスフーズ)

卸・メーカー2018.01.29

売上ゼロから再出発した『こてっちゃん』が、味付け牛もつ加工品の売上トップに復活するまで~こてっちゃん(エスフーズ)

2018.01.29

「根強いこてっちゃんファンのために、原料の産地を変えてでも販売継続すべきではないかという声も当然ありました。しかし、アメリカ産以外の牛もつを使うと味も変わってしまい、原料の供給の面でも産地を変えるのは厳しかったのです。代替措置として2005年には豚の腸を使った“とんてっちゃん”を発売しましたが、売上は、かつてのこてっちゃんの1割に届くかどうかでした」

発売休止のため、こてっちゃんの売上はゼロまで落ちた。アメリカ産にこだわっていても、輸入再開までどれほどかかるかもわからない。結局エスフーズはオーストラリアとブラジルの牛もつを使って販売再開を目指す方針をとる。取引業者や専用設備もすべて、一からのスタートだった。休止から2年後に関西の一部エリアで販売を再開させ、再び全国販売できるようになったのは2008年3月だった。

全国販売再開から10年。多様化する食シーンへの展開も

「販売再開までは、得意先様からはまだかまだかとリクエストを頂いていました。しかし再開しても売上をすんなりと取り戻せたわけではありません。知名度はあっても、やはり一度失った売り場は他商品で埋まってしまいます」

家庭の食事スタイルも多様化した。一家そろって食卓を囲む機会よりも個食が広がり、惣菜などの中食も増えている。こてっちゃんも、丼や焼きうどんの具、コンビニおにぎりの具など中食で使う提案をしているが、成果はこれからだという。

「こてっちゃんはエスフーズの食肉加工品では主力商品ですし、広告塔のような存在です。牛もつの味付け加工品としての売上は今でも国内でトップシェアを保っています。2015年にはアメリカ産原料である牛小腸の輸入も再開しました。やはり、他国産とくらべて味がいいのはアメリカ産です。

全国販売再開から10年、こてっちゃんの売上は落ちることなく伸び続けていますが、全盛期の売上には及びません。今はこの売上を少しでも全盛期に近づけていくのが目標です。食品業界の人でなくても『あの“こてっちゃん”の』と言ってもらえる、このネームバリューを生かしていきたいと思っています」


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エスフーズ株式会社

本社:兵庫県西宮市鳴尾浜1丁目22番13
電話:0798-43-1065
事業内容:食肉等の製造・卸売事業、小売事業、外食事業
お話:マーケティング部製品開発室 日下大輔さん
公式HP:http://www.sfoods.co.jp/

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