年間販売1,000万個突破。ジャムを使わない人にも売れたジャム~まるごと果実(アヲハタ)

卸・メーカー2017.08.09

年間販売1,000万個突破。ジャムを使わない人にも売れたジャム~まるごと果実(アヲハタ)

2017.08.09

フルーツの代用品という発想の転換

こうして『Fruitfull』の方向転換をした後の2012年、『アヲハタ まるごと果実』いちご、白桃、あんずの3種類を発売した。

「一番の変更点はパッケージでした。『まるごと果実』というネーミングに変えたおかげで、フルーツがたっぷりと入っていることを伝えることができたのです。写真もシズル感のある果実を使用し、1瓶にどれだけの果物が入っているかも明記しました。例えば、いちごのパッケージを見ると、“1瓶に約19粒分のいちご(1粒8gで換算)”、白桃なら“1瓶に約0.9個分の白桃(1個160gで換算)”と表記したのです」

伝え方を工夫することで、売れ行きはすぐに伸びた。発売1年後の2013年にはブルーベリー、2014年にはマンゴー、その後にオレンジといちじくが加わり、ラインナップを拡充していく。

「改良はパッケージだけではありません。加熱によるフルーツのダメージを抑える製法なども改善しました。今年はブルーベリーの素材も見直しています。弊社では、北米産のワイルドブルーベリーという小粒で味が濃いものを長年使用していました。そこへ果実感を加えるために、大粒のワイルドブルーベリーを投入し、生産ラインを変更して粒が残るように工夫して、フルーツのみずみずしさを一層追求したのです」

消費者調査をしてみると、パンに塗る以外に、ヨーグルトに混ぜたり、そのまま食したりする人が想定以上に多かったそうだ。

「つまり、フルーツの代用品として使用されていたのです。この結果には驚きましたが、新たな可能性も見えてきました。市場ではパンに塗るためのジャムとしての需要は減少していますが、フルーツの需要は伸びています。しかし、実際にフルーツを買うとなると、高級だったり、量が多過ぎたり、皮をむくなどの手間があったりします。季節を外れると入手すら困難です。その点、『まるごと果実』は一年中、簡単にご利用いただけます。弊社のウェブサイトでフルーツ素材という位置づけでレシピを紹介するなどして、アピールにも力を入れました。最近では、ジャムアートなど、様々な使い方が注目されています」

消費者の声を反映させ、大きなヒットに

『まるごと果実』発売以来、売上は右肩上がりだが、あるタイミングで劇的に増えた。それが2014年に内容量を210gから250gへと増量した時だ。


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