北陸コカ・コーラ、営業DXを実現。1万件を超える取引先に商品提案、受注負担を25%削減する

卸・メーカー2025.02.13

北陸コカ・コーラ、営業DXを実現。1万件を超える取引先に商品提案、受注負担を25%削減する

2025.02.13

北陸コカ・コーラ、営業DXを実現。1万件を超える取引先に商品提案、受注負担を25%削減する

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北陸コカ・コーラボトリングは、富山・石川・福井・長野の4県で小売店や飲食店に清涼飲料を販売している。同社の強みは売り場作りやドリンクメニュー案内など取引先への提案型営業だが、1万件を超える取引先すべてに営業活動することが難しく、さらに取引の増加でコールセンターの受注業務が逼迫していたことが課題だった。

課題解決のため、2024年3月に受発注システムを導入。コールセンターの受注処理は25%削減し、メッセージ機能で多くの取引先へ商品や企画案内が可能になった。

目次

課題はコールセンターを圧迫する毎月5000枚のFAX注文

【Q】北陸3県と長野県で清涼飲料を販売されていますね。

カスタマーマーケティング
リテール&フード事業統括部
リテール&フード事業部
リテール&フードサポート課
課長 野口有司氏

カスタマーマーケティング リテール&フード事業統括部 リテール&フード事業部 リテール&フードサポート課 課長 野口有司氏(以下同):当社は、「さわやかなひととき」をテーマに、コカ・コーラ、ジョージア、アクエリアス、爽健美茶などの主力商品を小売店や飲食店、レジャー施設、学校、職場の自販機などで提供しています。

当社の強みは商品提供だけでなく、飲食店や量販店、売店など1万件を超える取引先様に対して最適な売り場づくりなど販売促進をサポートする提案型セールスです。飲食店様には、最近流行しているモクテル(ノンアルコールカクテル)にフルーツを添えてSNS映えするメニューをご提案するなど、売上を上げるようご支援しています。

【Q】1万件を超える取引先に提案するのはたいへんですね。

実際、取引先様の2割強ほどに年間を通じて提案型セールスが十分にできてなく、大きな課題でした。特に飲食店では、昼間は店主が不在、夜は営業時間中で多忙なため、商品提案の時間を確保しづらい事情があります。コロナ禍の影響で社内の組織再編が行われ、マーケティング部門の人員が手厚くなる一方で営業部門がやや手薄になったことも影響しています。

また、提案だけでなく、受注処理も課題でした。取引先様からの注文を処理する社内のコールセンターでは、月に4000~5000枚分のFAX注文が届いていました。その受注処理にかかる業務負荷が大きく、誤読や誤入力など受注ミスのリスクが高くなっていたのです。

こうした状況を解決するためには、デジタルツールの活用が欠かせませんでした。

受発注システム『TANOMU』で一石二鳥、受注負担軽減と販促効果の向上

【Q】受発注システムを選んだポイントは何でしょう?

最終的に『TANOMU』に決める要因となったのは、私たちの仲間である北海道コカ・コーラが先行して導入していて、その担当者から強い推薦を受けたからです。やはり同じグループなので、使うツールも同じものがよいのは当然です。その他に重視したことは、取引先様が使いやすいことでした。『TANOMU』は取引先様がLINEで発注でき、無料でご利用いただけます。さらに、受注機能に加えて販促機能も充実していることが決め手となりました。特に、LINEを使って新商品や特価品、企画案内などを直接送信できるメッセージ機能は、販促活動の効率化に大きく役立っています。

【Q】受発注システムの導入効果はいかがですか?

2024年3月の導入から半年ほどですが、効果は現れています。まず、コールセンターへの電話・FAX注文が25%削減できました。その余力を使い、コールセンターから取引先様へ新商品などの電話営業ができるようになったのです。受動的な姿勢から能動的な営業への転換は大きな成果といえます。

販促効果も期待どおりでした。スマホの注文画面でオススメ商品や特価品の画像を表示するカタログ機能により、取引先様の購買意欲が高まり、追加購入が促進されています。また、メッセージ機能を16回使って、延べ約7,500件の取引先様に販促企画を案内した結果、約300の取引先様から1,200ケースほどの注文を獲得しました。

注文率は4%ですが、何より7,500件の取引先様に一度に案内できた点が重要です。対面営業では膨大な時間と労力を要しますが、『TANOMU』なら案内文を作成し、配信ボタンを押すだけで完了します。カタログ機能とメッセージ機能は、提案型セールスを強化するツールとして効果を発揮しています。

さらに、取引先様には24時間いつでも注文できる点が喜ばれています。電話やFAXによる時間と場所に制約が解消され、『TANOMU』ならスマホひとつでいつでもどこでも発注できます。現在、『TANOMU』経由の注文の約2割は当社の勤務時間外に行われているというデータからも、取引先様の利便性向上が裏付けられています。

成功事例から学ぶ、『TANOMU』利用拡大のカギ

【Q】導入時にはどんな苦労がありましたか?

取引先様には年配の方が多く、新しいシステムへの抵抗感が見られました。そのため、導入初期は『TANOMU』での発注があまり広がらなかったのです。この課題に対し、注文画面を一緒に確認しながら操作方法を丁寧に説明し、ゆっくりと慣れていただくことを心掛けました。従来の電話やFAXによる注文も選択肢として残し、取引先様のニーズに応じて柔軟に対応しました。

重要なのは、取引先様にとっての利用メリットを明確に伝えることです。特に、LINEを使った24時間発注の利便性、発注側の無料利用、注文ミスの低減などが、高く評価されるポイントです。

また、当社では『TANOMU』を新規にご利用いただいた取引先様を対象に、期間限定でPayPayポイントを付与するキャンペーンを実施しました。こうした企画もLINEのメッセージ機能を活用することで、負担を少なく効果的に案内できました。これらの取り組みによる、『TANOMU』の利用件数や注文数が目標を上回る成果につながったのです。

また、導入当初は社内の従業員からも操作方法に関する質問が多く寄せられ、ひとつずつ回答するのに時間を要しました。そこで、質問をまとめたQ&A集を作成し、社内で共有する体制を整えたのです。この取り組みのおかげで導入後の運用はスムーズに進められました。

【Q】今後の展望をお聞かせください。

デジタル化を進める際には、導入の目的を明確にすることが重要です。当社にとって商売の基本は人と人とのつながりであり、デジタルはそれを維持・強化するための手段として位置付けています。

デジタルで効率化する部分と、人が直接対応すべき部分を見極め、適切に使い分けることが成功の鍵となります。例えば、特定の商品を扱う飲食店向けには効率化の余地が多いので、『TANOMU』を最大限活用しています。一方で、商品構成が頻繁に変わる量販店や売店向けには現場のコミュニケーションが不可欠なため、注文は『TANOMU』 で受けながらも、定期訪問による営業活動を続けています。

デジタルの活用余地はまだ多くありますが、人と人のつながりを大切にする姿勢は変わりません。この原則を基盤として、DXを推進していきます。

北陸コカ・コーラボトリング株式会社

設立: 1962年6月5日
本社所在地:富山県高岡市内島3550番地
事業内容:清涼飲料の販売 
公式ホームページ:https://www.hokuriku.ccbc.co.jp/

 

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