広告宣伝費ゼロでも地方から全国へ発信
こうして生まれた「女性による女性のためのイカ天」は、地元のお土産物店で手に取った女性客からの口コミを中心に全国へと広がっていくこととなる。今では、1日に20件を越えるブログやSNSなどのコメントがネット上でアップされるまでに。しかし、同社はこの商品に宣伝広告費を一切かけていないという。
「地方の小さなメーカーですから、広告宣伝にかける予算はありません(笑)。とはいえ、ただ黙って指をくわえていたわけでもありません。SNSで少しずつ口コミが広がっていく中、弊社でも専用のFacebookページを立ち上げました。facebook担当スタッフを5人つけ、取り扱い店舗様の紹介やメディア出演情報、工場見学や視察レポートなど弊社とイカ天に関する様々な情報を、平日は毎日投稿しています」
また、地方メーカーにとっては、東京など大都市のアンテナショップも大きな存在だった。
「銀座にある広島県のアンテナショップ『タウ』では、発売当初から扱っていただいています。テレビや全国紙など各種メディアに取り上げられ、全国のセレクトショップからも声がかかりました。デパートなどの広島物産イベントに試食品を提供する機会も多く、そこでもまたSNSを通じた口コミが広がっています」
ターゲットを明確にし、徹底的に消費者の立場に立って考えることで生み出された新商品。地元の特産品であるレモンを上手く取り入れることで、商品に新たな価値を加えるとともに特産品のPRにも大きく貢献している。メーカーだけでなく地域の看板も背負ったイカ天の勢いは、今後もさらに増してゆくのだろう。
まるか食品株式会社
住所:〒722-0212 広島県尾道市美ノ郷町本郷455-10
電話:0848-48-5585
事業内容:するめフライを中心とした海産珍味及びスナック類の製造販売
公式HP:http://www.e-maruka.co.jp/
お話:企画開発部 課長 坂本摩理さん