卸・メーカー2014.03.04

「福島の生産者を支えたい」と奮闘する卸会社~株式会社笹重 笹島重美社長

2014.03.04
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目次

震災前から福島の生産者を支える事業を展開

-●震災前から「福島の生産者を支えたい」と事業をされていたそうですが、なにがきっかけだったのでしょうか?

人口より牛の頭数が多いという福島県内の過疎地・双葉郡葛尾村の村興し事 業に関わったことがきっかけです。福島県は各地で高齢化と過疎化が進んでおり、事業を興しても後継者がいないという問題も続出していたのです。その葛尾村 で地域再生を目指す人々の姿に心を打たれ、この福島の生産者を支えたいと思うようになりました。葛尾村では畜産物の加工・製造から流通・販売まで手がける地域再生事業を企画しておりました。事業は順調に進んでいたのですが、加工品生産開始まであと一歩というときに、震災と原発事故が起きたのです。発電所か ら葛尾村までの距離は約35キロで、村内全域が避難区域に指定されました。全村民が村外に避難し、葛尾村の地域再生プロジェクトは残念ながら立ち消えてし まいました。

 

-●震災後の事業内容を教えてください。
震災直後は放射性物質の懸念がある福島県産の野菜を食べる人はほとんどいません。震災後2年間は、とにかく県内向けに安心して食べられる食料を確保するために、全国行脚して県外の食品関係者とのつながりを強化していました。しかし、ただ県外から買うばかりではなく、今後福島の放射能問題が落ち着いたときに取 引をしてくれるような関係作りを意識していました。先日、安部首相が所信表明演説で、福島の農水産物が安全であること、そして除染に力を入れていくことを 世界に向けて発表しましたよね。これをチャンスととらえ、今年からは福島県産の農産物を中心に、県外に売り込んでいきます。

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