日々の納品伝票の入力時間を8割、月末の棚卸作業時間を5割削減~紅蘭亭

飲食・宿泊2022.11.02

日々の納品伝票の入力時間を8割、月末の棚卸作業時間を5割削減~紅蘭亭

2022.11.02

日々の納品伝票の入力時間を8割、月末の棚卸作業時間を5割削減~紅蘭亭

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株式会社紅蘭亭は熊本市内で1934年に本格中華料理店「紅蘭亭」を創業。現在は「紅蘭亭」「ジャンジャンゴー」「鑑真食堂」の3業態4店舗を経営している。

これまで仕入伝票の管理を手作業で行ってきたが、ペーパーレス化で経理の負担を軽減するために『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入。伝票の入力や棚卸作業のミスを減らし、作業時間の圧縮に成功した。市民に広く愛される店が、伝統と味の追求に力を注ぐための環境づくりの経緯とシステム導入の効果について、同社 課長の木庭智雄氏に伺った。

目次

進化を続ける、市民に愛されるソウルフード「太平燕」

【Q】老舗中華料理店「紅蘭亭」は、熊本のグルメ名物「太平燕(タイピーエン)」の元祖ともいわれています。

調理課長
木庭 智雄 氏

株式会社紅蘭亭 調理課長 木庭智雄氏(以下同):創業は1934年です。名物料理の「太平燕」は緑豆でんぷん100%の春雨を使い、野菜、海鮮、肉などを強火で炒めて、鶏ガラと豚骨スープでご提供する熊本伝統の料理です。熊本では広く親しまれており、小学校の給食でも出されるほどです。

2004年に開通した九州新幹線「つばめ」と「太平燕」が、どちらも「つばめ」ということからPR活動が盛んになり、当社の「太平燕」もテレビで取り上げられ、全国からお客様がいらっしゃるようになりました。熊本の代表というわけではありませんが、その責任感もありますし、「太平燕」はシンプルな味付けだからこそごまかしが効きません。ダシの取り方や食材の炒め方など試行錯誤を繰り返しながら、伝統の味を残しつつ、いまも進化を続けています。

【Q】「紅蘭亭」のほかにも店舗を展開されていますね。

本格中華料理店として主にご家族連れにご利用いただいている「紅蘭亭」を熊本市内に2店舗、そのほかアジア料理をお酒とともにカジュアルに楽しめる「ジャンジャンゴー」、健康志向の女性をはじめビーガンやベジタリアンをターゲットにした「鑑真食堂」をそれぞれ1店舗ずつ熊本市内で展開しています。

私は18歳で「紅蘭亭」に入りました。もともと料理が好きで、自分の好きなことを仕事にしようと思いました。子どもの頃に「紅蘭亭」に家族で食事に来ていたこともあって、働くならここだと入社しました。現在は、課長職として調理場全体をまとめており、従業員のフォローや人事を担当しています。

たまりゆく仕入伝票の処理と、棚卸の負担が現場に

【Q】現場を見る立場として、どのようなことに課題を感じていたのでしょうか。

食材の仕入れについては、電話で注文して仕入れたものを検品するというごく一般的な流れで仕事をしてきました。仕入れ作業自体は、大きな負担ではありませんでしたが、当社は取引先も多く、その後の伝票整理が大きな負担となっていたのです。

仕入伝票は店舗のトップが管理しますが、毎日10枚以上で商品数も多く、すべて会計ソフトに手入力していました。そのため、時間もかかりますし、打ち間違いも出てきます。それに店が忙しいと、伝票内容の入力は後回しになり、数日分をまとめて処理するしかありません。たまった伝票の処理には、数時間かかりますから、営業後に残業するしかありませんでした。

月末には経理とともに、取引先からの請求書と入力した数字を照合するのですが、金額が合わないことが出てきます。そうなれば、伝票をひっくり返して探すという余計な作業も発生します。

棚卸にも苦労していました。特にここ数年は食材高騰のあおりを受けて、商品単価が変わることがよくあります。単価の変更を反映しないまま棚卸すると、不正確な単価しか出ません。そうして間違った数字では、仕入れやメニュー作りにおいても正しい経営判断を下すことができなくなります。また、各部署で棚卸表の単価を納品書ベースで探して変更していたため、時間もかかっていました。

【Q】そうした課題を解消するために、帳票のシステム化を検討されたということでしょうか。

受発注業務のシステム化を検討するきっかけは、取引先からの「こういう便利なサービスがある」という声がけでしたが、実際には日々感じていた課題を解消できれば現場の負担を減らせるという思いが一番です。

取引先からインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を紹介されましたが、実は10年ほど前にも一度検討したことがありました。ただ、当時は運用コストの懸念や、ネットやパソコンを使っての業務に慣れているスタッフも少なかったため、導入を断念しました。

今回、約10年ぶりに『BtoBプラットフォーム 受発注』のサービス内容を検討してみると、導入コストも運用コストもリーズナブルでした。加えて、ネット環境も整い、パソコン作業に対する現場の拒否感も当時のようにはありませんでした。取引先の多くが活用していますし、政府が推奨するペーパーレス化にも対応する必要があり、この機会に導入することにしました。日々での仕入伝票整理(パソコンへの入力)がなくなり、80%ほど入力時間を軽減できています。

手入力からの解放と、今後の展開への期待感

【Q】導入の効果はいかがでしょうか。

これまでのように仕入伝票ごとに、業者名、商品名、単価、金額を1枚1枚、会計システムへ入力する手間がなくなりました。月間最低35時間程度は作業していたものが10~15時間程度に抑えられるようになりました。導入して本当に良かったと思っています。

棚卸機能もいいですね。何かしらの食材単価が毎月のように変化していますが、単価の変更は自動的に反映されますし、在庫管理もしやすく、単価もリアルタイムでわかるから便利です。なにより、2時間~4時間ほどかかっていた棚卸作業が半分程度の時間で終わるようになりましたし、金額の打ち間違えがなくなったことは大きなメリットだと感じています。

取引先への請求書処理もスピードアップしました。『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入する前は、取引先から請求書を送ってもらって仕入れ内容と照合し、はじめて正しい金額を確認するという感じでした。それが電子化してからは、すでに金額がまとまっていますので、こちらから取引先に「この内容で間違いないですか?」と請求内容を送れるようになりました。経理部の請求作業も照合する時間がなくなったことで、2日、3日は早くなりました。

【Q】今回のシステム導入をきっかけにした、今後の展望についてお聞かせください。

今は受発注に関連した、発注、納品、棚卸といった作業での活用ですが、今後は本部任せではなく調理場がメインとなってメニューを作っていきたと思っています。そのためには、料理ごとの原価表が必要です。インフォマートの『メニューPlus』を使うと効率的にメニュー作成や原価表の作成・管理ができるということなので、そうした取り組みも進めていければと思っています。

外食・食品卸の受発注を楽にする。『BtoBプラットフォーム 受発注』

株式会社紅蘭亭

創業:1934年
本社所在地:熊本市中央区安政町5-26
事業内容:中華料理店などの飲食店の経営
公式ホームページ:https://www.kourantei.com/

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