閉店後の発注作業を軽減。現場の隠れた不満を解消したIT活用法~炭火焼肉まん福(プロスパ)

飲食・宿泊2020.12.23

閉店後の発注作業を軽減。現場の隠れた不満を解消したIT活用法~炭火焼肉まん福(プロスパ)

2020.12.23

閉店後の発注作業を軽減。現場の隠れた不満を解消したIT活用法~炭火焼肉まん福(プロスパ)

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飲食店チェーンの本部が気付かないコストとして、店舗の営業時間外に発生する発注や請求処理、棚卸などの作業時間が挙げられる。焼肉や博多ホルモン焼、串焼のほか、博多ラーメンなどの業態を岡山県で12店展開している株式会社プロスパでは、受発注システムの導入を建都する際、あらためて自社の非効率性を目の当たりにしたそうだ。

「現場主義を貫くためにも業務の簡素化・一元化は重要」と語る管理本部長に、対策と今後の展開について聞いた。

目次

「この味でこの値段!」そんな反応を追求して

【Q】展開している業態について教えてください

2003年から『虎家(こや)』という本格的な博多ラーメンの店を展開しているほか、焼肉部門ではファミリー向けの『炭火焼肉 まん福』と『博多モツ鍋・ホルモン焼 小鉄』、やや高級志向の『山屋』、ほかにも居酒屋部門で鶏料理や串焼き業態を揃えています。

どの業態のどの店舗でも、お客様に「こんなにおいしいモノが、この値段で食べられるんだ」と思っていただきたいですね。

【Q】食材ではどのようなこだわりがありますか?

焼肉部門では、当然のことながら、少しでもいい肉を仕入れること。そのために仕入れ先も多岐にわたっています。そして肉のカット。いかに柔らかく提供できるかは、包丁の入れ方で違ってきます。

ラーメン部門では自家製にこだわり、スープ、チャーシュー、タレのいずれも、手間暇かけてすべて自分たちで作っています。

原材料の高騰で、急がれる歩留まり改善

【Q】近年食肉の高騰が続いていますが、仕入れに影響していますか?

やはり、大きく響いていますね。業態ごとに原価率は違いますが、焼肉部門では40%前後になっています。

もちろん部位によっても違いますが、カルビでは原価率80から100%にもなります。ハラミも同様に原価は高騰しているうえ、もともと流通量がありませんから、もう奪い合いです。

わずかでも出物があれば、すかさず手に入れる。焼肉部門だけで7~8社の仕入れ先を確保していますが、各店舗の料理長は、安い仕入れ先を選んでやりくりして、それぞれで値段交渉をしています。

また、ラーメン業態は原価率が低く抑えられると考えられがちです。確かに麺類の原価率は一定していますが、サイドメニューの餃子や唐揚げはもちろん、チャーシューもスープも自家製ですから、それだけ原材料の高騰は原価アップに響いてくるのです。『この肉がこの値段で?』というお客様の驚きを追求している以上、現場の仕入担当は、歩留まりの改善も含めてコスト意識を持つようにしています。

システム導入でみえてきた現場の課題

【Q】対策の一環として、受発注のシステムを導入されています

当社では2017年から「BtoBプラットフォーム受発注」を導入しています。付き合いのある同業者がこのシステムを利用していて、「便利になったよ」と聞いていました。そのときは「ふ~ん」と聞き流していましたが、同業者も評価していたことだし、これは一度真剣に聞いてみようと営業担当者に説明を受けてみたのです。

わたし自身は「いいかもしれない」という程度の認識でしたが、現場に意見を求めてみたら、みな賛成でした。「実は電話やFAXの発注は時間がかかって仕方がないんだ」と言うんです。

仕入れ先に電話をかけても他店と発注のタイミングが重なって話し中、同じくFAXも流れない。結局、電話待ちのためだけに1時間残業する、なんてことも少なくなかったようです。

それだけでなく、実際の発注の際には、過去に、いつ、何のどの部位を、どれだけ、いくらで発注したかを確認する必要があり、そのたびに書棚から重いファイルをもってきて、該当する発注書を探して、新たに発注書を起こしてという煩雑な作業をしていました。

しかしこの受発注システムでは一覧化できて、入力も簡単です。現場からは「楽になりますね」と、熱い期待が寄せられました。それで、導入は即決です。私は電話を待つのも仕事のうちだという認識ですが、現場はただでさえ忙しいのはわかっています。焼肉部門では、調理担当は日々、ベテランスタッフからカットについて厳しくいわれているのです。彼らの負担が少しでも軽くなるのなら、これは文句なく導入するべきだと、即座に判断しました。

【Q】システムを導入したことで、効率性の改善につながりましたか?

データで発注するので、現場が発注で待つ課題はなくなりました。そのほかには、請求書が見やすくなりました。

これまでの請求書は、仕入れ先ごとに大きさや形もバラバラでした。仕入れ業者にはなるべく店舗ごとにまとめてほしいと依頼はするのですが、全店分をまとめて書くところもあります。仕訳についても、業者によっては消耗品と食品の区別なく一括表記になることもあります。この40数社分の請求書を私が分類して、それぞれの金額を算出して、ひとつひとつ表に書き写していました。

それがインフォマートの受発注システムでは、分類別に金額が入力された形で一覧表示してくれます。積極的なスタッフからは「以前はこれだけ無駄があって驚いた」などという話が出たりして、正確な原価管理につながっています。

棚卸機能もあり、半製品の棚卸作業で重宝していますね。焼肉のタレを調合したら、その材料と分量と金額を、それぞれ詳細に記録していかなくてはなりません。項目にすれば数百に及ぶことになるんです。これまでは、そのすべてを記入するだけで精いっぱいで、分析する余力がありませんでした。それが正確に管理できるようになって、比較分析も容易にでき、数値管理の徹底にもつながっています。

業務の効率化が、独立支援につながる

【Q】現場の負担が削減できれば、スタッフにも余裕が生まれますね。

いま、当社では立したいと考えている従業員を後押しするため、新業態の店舗を出していこうと考えています。社員のなかで独立を考えているスタッフは実際にいるし、見えないところで意識しているスタッフもいるはずです。彼らの独立を支援したいんです。

はじめてでもやっていけるように、新店ではオペレーションの簡素化が必要です。焼肉店なら20~30坪程度、40席くらいの規模にすれば、人件費をかけず、品質にこだわった運用が可能になります。

また、独立支援を軌道に乗せるためにも、いまある店舗が揺らいでいては示しがつきません。既存店舗の売上を伸ばしつつ、次々に新業態を展開していけるように、いま必死に商品開発を進めているところです。


BtoBプラットフォーム受発注

株式会社プロスパ

本社所在地:岡山県岡山市中区藤原62-3 サンライトフジワラ1-A
公式ウェブサイト:http://prospa-grp.jp/

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