和田:当社はテイクアウト事業を40年以上やってきました。最初は細々とやっていたのですが、ここ3年は著しく成長していて、2016年から年間10億円以上も伸びています。軽減税率の導入後は、さらにこれまで利用したことがなかった層にも急速に広まっていくでしょう。
また、消費者ニーズの高まりだけでなく、テイクアウトは利益率が非常に高いという面でも、重要な事業になってきています。
LINEと組んだのは、「信頼」と「食への親和性」
【Q】LINE社として、このタイミングでテイクアウトの新サービス「LINEポケオ」をリリースされるのは、どういった理由からでしょうか。
実は、我々はLINEと食は親和性がとても高いと考えているんです。誰にとっても、三度の食事は生きていくうえで欠かせない“日常”です。そういった点で、LINEは多くのユーザーに日常的に使っていただけるサービスになってきました。現在、月間ユーザーは国内で7,900万人に達し、その約85%が毎日LINEを立ち上げているというデータがあります。
和田:今回、我々が「LINEポケオ」に参加しようと思ったのは、まさにそこですね。LINEは多くの人から非常に信頼され、身近な存在となっているサービスですから。
【Q】すかいらーく社が、テイクアウトで他社と組むのはこれが初めてですよね?
■「LINEポケオ」の特徴 ・LINEアプリから店舗検索や注文が可能 |
和田:そうです。食の根本には、やはり、信頼や親近感が必要なんですよ。消費者の低価格志向は続いていますが、それでも食は命に直結しているだけに、選ばれる理由の9割以上は“安さより信頼”だと考えています。仮に実態のわからないサービスから提供されても、食べたいとは思えないのではないでしょうか。その点、LINEさんであれば、より消費者と密着し、親近感も高められると思っています。
しかも、新たにアプリをダウンロードして会員登録の入力をするなどの作業もなく、日常使っているサービスからシームレスに利用開始できますからね。
柿沼:デリバリーやテイクアウトは、ユーザーにとっては食事スタイルの選択肢のひとつだと思うんです。もっと気軽に、ユーザーの任意のタイミングや気分で、「今日はデリバリー」「今日はテイクアウト」と食事を選べる、統合的なサービスにしたいと考えています。
ちなみに、「LINEポケオ」は“ポケットオーダー”の略です。ポケットからスマートフォンを取り出して気軽にオーダーし、店舗で受け取るイメージで名づけました。
和田:なるほど。そうだったんですね。