「うちの会社ではそれを徹底するために、日々の業務報告シートに“お見送りが出来なかった人数”を書く欄を作っています。出来て当然なので、出来なかった人数です。こういうことは、正直、面倒なことだと思います。でも、これが出来ている店舗は売上が違います」
店の信用度が高まれば自然と売上アップにつながる
追加注文の多い居酒屋業態とは異なり、丼1杯の単価×杯数で売上のほとんどが決まるラーメン業態。売上向上には客単価のアップは欠かせない課題といえる。どのようにして単価アップを実現しているのだろうか?
「私が一番重視しているのは、お客様との信頼関係です。信用を数値化したものがお金だと思っているので、客単価を上げたければ、お客様に信用してもらわないと。それがあって始めて“じゃあおすすめ商品を食べてみよう”とか“トッピングを増やしてみよう”となっていく。お店側がどんなに売りたいと思っても、お客様に買いたい気持ちがないと売れませんから」
信頼を勝ち得るため、「麺屋はなび」がやっていることといえば、券売機の近くに“ラーメンとトッピングの相性を記した一覧表”(通称:正直カード)が挙げられる。これは、新山社長が実際に客として『台湾まぜそば』を食べ、このトッピングなら合う、合わないというのを『正直』に語っている表だ。
初来店の人は味の組み合わせが分からないので、トッピングに迷うのが普通だろう。そこへメニューを開発した本人の意見をぶつけてみるというのは新しい。面白くてクスッとくる上、トッピングを決める最後のひと押しになること請け合いである。
いつもお客様の隣にある店を目指して
「麺屋はなび」の人気は国内だけに留まらず、マレーシアと韓国の2カ国に出店している。とくに韓国では人気が高く、韓国1号店では本店以上の行列ができ、また5月17日にはカンナム地域に新店がオープンしたばかりだ。
「中国やシンガポールなどのアジア圏からアメリカまで様々な国からの声をかけてもらっています。海外からのオファーは増えていますので、今後の海外展開も前向きに検討しています」
最後に今後の目標について伺った。
「よく聞かれますが、正直、具体的な目標とかはないんです。店舗を増やすのは夢ですが、こういうものはご縁が関係しますから。それよりもより多くのお店を出して、日本全国の皆さんが一度は「台湾混ぜそば」は食べた事がある、という状態にしたいですね。それくらい、皆さまの身近にあるお店にしたいです」
“お客様から愛して欲しければ、自分から先に愛しなさい”と言う新山社長。「台湾まぜそば」の中には食材と一緒に、新山社長の愛がまざっていることだろう。
株式会社 新山オールスターズ
住所:愛知県名古屋市千種区今池3-35-1
電話:052-745-3700
お話:代表取締役 新山直人
公式HP:https://www.menya-hanabi.com/