気がついたらリピーターに。自分が味わった感動を広めたい
実は、3氏はイートファクトリーの社員であると同時に満マルのFCオーナーでもある。それは社内独立を推進する「10人の社長を作ろう」という方針によるものだという。加えて、利川氏の場合は、客として満マル2号店を訪れたのがFCオーナーとなるきっかけだった。
「初めて店に行った時の衝撃は忘れられません。フードもドリンクも、とにかく品揃えが多くて安く、その料理にはひと手間かかっている。当時、自分は焼き肉店を経営していたから、そのすごさがわかったんです。
串カツと寿司を同時に出す大衆酒場なんてありません。気がついたら週3回、4回と通っていて、そのうち1号店を買い取ってFCオーナーになり、その後はイートファクトリーの経営も手伝うようになっていました」(利川氏)
自分が味わった感動をもっと街に作りたいと、今はFCオーナーとして10店舗を展開させている利川氏。客として利川氏が週に何度も足を運んだように、満マルの顧客の多くはリピーターで、なかには毎日のように通うヘビーユーザーもいるという。いったいそれはなぜなのだろうか。
半径1キロ以内が商圏。強力なリピーターを生み出す仕掛け
まず挙げられるのが豊富なメニューだ。串カツと寿司をメインに、刺身や焼き物、煮物、揚げ物と約200近いメニューが取り揃えられている。
「食材のロスを恐れて品数を絞ってしまうと、お客様はリピートしてくれません。初めからアイテム数を多くしておけばお客様を呼び込みますし、回転率も高いので結局ほとんどロスは出ないんです」(利川氏)
その豊富なメニューやドリンク類が11時半の開店から閉店まで、通し営業でいつ行っても提供されているのも特徴である。ランチを食べているビジネスマンの隣に、昼飲みを楽しむ地元の高齢者や主婦がいるのも、満マルでは当たり前の光景だ。