またFCでありながら、メニューのバリエーションも自由度が高い。特に地方での出店が決まると、まずは食材の取引先を探しに、サルヴァトーレ氏、もしくは担当シェフが現地に赴いて、地域の特徴的な商品を足で探すそうだ。
「各店舗で、地域内における地産地消を目指しています。特に生鮮品は、東京から運ぶというわけには行きませんからね。それに現地で良い食材を探す方が、地域の特色がだせるので、結果的にいい料理が作れるのです」
そうして見出された各地方の食材が、反対に全国のグランドメニューに並ぶこともあるそうだ。これまでも、熊本の完熟チェリートマトの生産農家が、その味を見込まれて全国のサルヴァトーレ クオモの食材として採用されたケースもある。
「メニューについても各地のFC店側からメニュー提案を受けることも多いです。その場合は、担当シェフが現地に赴いて内容をチェックし、その地域の限定メニューとして採用しています」
食材もメニューも、FC店から得た情報を積極的に取り入れて、次の取り組みに上手に活用している。
「あくまでスローペース」の出店計画
「最近は海外でもスローフードの高まりとともに、ナポリピッツァを出すお店が増えたと聞いています。やはり、スローフードというコンセプトが受け入れやすいのではないでしょうか。世の中の流れとして、健康やカロリーを気にする時代なんだと思います」
そんな業界的な追い風の中、サルヴァトーレ クオモの出店計画は、今後どのように進めるのだろうか。
「まず政令指定都市への出店、それからその周りの都市への出店を順に進めています。3月の愛媛県松山市に続き、近々、福岡県北九州市にも出店する予定です。とはいえ、出店のペースはあくまでスローです。というよりも、このクオリティを維持しながら、店を増やすには、時間をかけないとできませんからね」
また、直営店はすべてフラッグシップ(旗艦店)として出店するそうだ。
「直営店の方は、数を増やそうという考えはありません。基本は、ひとつの地方に直営店をひとつ。あとはすべてFCで展開しようと考えています。海外は台湾と韓国に加え、フィリピンへの出店を計画しています」
ピッツァイオーロの育成や、食材探しなど、十分な時間をかけて生み出されるフランチャイズ店。拡大を第一目的とした展開ではなく、地域密着で個性際立つ面白い店づくりこそがサルヴァトーレ クオモの最大の魅力だろう。今後もこの取り組みが、着実な成長を促す原動力となっていくだろう。
SALVATORE CUOMO(株式会社ワイズテーブルコーポレーション)
住所:東京都港区六本木4-4-8 OFFICE XEX
電話:03-5412-0068
お話:執行役員 店舗企画部 執行責任者 高村泰弘様
公式HP: https://www.salvatore.jp/