ターゲットは女性ではなかった。イタリアンの入り口となる店を目指す
「僕が店を立ち上げた2007年当時、武蔵小杉駅周辺にイタリアンの店は数えるほどしかありませんでした。そもそも飲食店が少なかったですし、遊びに出かけられる場所もあまりなかったんですよ」
川崎で生まれ育った河合さんの根底にあるのは、「この街に足りないものを作りたい」という地元への強い思いだ。そして初めに辿り着いたのは、“イタリアンに馴染みがない人のためのイタリアンを作ろう”というものだった。その考え方を元に、ターゲットの層をもう一度考え直したという。
「一般的にイタリアンといえば、女性がターゲットです。お店の内装もおしゃれで、料理もキレイに盛付けられていて、ワインもボトルで頼んで1本3,000円以上。食事をするにはそれで良いんですが、男友達とお酒を飲みに行く店としては少し敷居が高い。もっと気軽にワイワイお酒が楽しめればいいのに。そう感じた時、イタリアンってそういうニーズを取りこぼしているな、と気付いたんです」
そこで河合さんは、男性同士でも気後れすることなく入れるイタリアンを思いつく。コンセプトは明確だが、それをどう店舗づくりに活かすのだろうか。