だから飲食業はやめられない~ゼットン稲本健一社長インタビュー

飲食・宿泊2014.04.19

だから飲食業はやめられない~ゼットン稲本健一社長インタビュー

2014.04.19

マーケティングよりフィーリングで決めるということ

【Q】稲本社長のプライベートは、どういう過ごし方をされているのですか?

トレーニングをする稲本社長

仲間とお酒を飲んでいるか、トライアスロンに向けたトレーニングをしているか、サーフィンをしているかのどれかですね。

飲食業というのは、“ライフスタイル産業”だと思っているんです。街をランニングしたり自転車に乗ったりして見える風景の中に、ビジネスにつながる発見をする事が多いですね。サーフィンやトライアスロンは自然と対話していくスポーツで、そこに魅せられた人間たちの情報も集まってきます。何気ない会話の中からヒントを得たり、モチベーションを活性化させたりしています。

 

【Q】次に目指すべきビジョンなどをお聞かせください。

混沌とする政治状況の中、10年後、20年後のこの国の行く先は誰にも予想できません。だからこそ、長期ビジョンに関しては、空想することも大事だと思っています。

例えば僕が75歳になって老人ホームに入ったとして、「スタバくらい置いといてよ」って思うだろうし、ジムやヨガスタジオも欲しい。でも、今の老人ホームにはどこにも無いですよ。だったら僕らが作らないといけないものって山ほどあるじゃないか、と。それは、マーケティングじゃなくて、フィーリングなんです。自分のフィーリングを研ぎ澄ませて、空想していくってことが大事なのではないかと。

実際に、われわれが店を出すときも、マーケティングではなくフィーリングで決めることを徹底しています。駅の乗降客なんてどうでもいいんです。街を歩いたときにどんな風に思うか、何を感じるかの方を大切にしています。

あとは、事業規模という意味では、大きさにはあまりこだわってないですね。チェーンレストランでやっている会社は大きくなるのが早いですし、同期組でもM&Aを繰り返してどんどん規模を拡大している飲食店もあります。ただ、僕らは歩みが遅くても、時代にあわせてやることを変えてきたし、自分たちが好きなようにやってますね。

だから、気づいたら街の中のウラ路地でお店をやったりしてしまうんです。自分たちの力を試したくなるというか。もちろんビジネス的な利点が多い大型商業施設にお店を出すこともありますが、それって自分たちのお店だからお客様が来てくれているのかわからないですよね。誰もいない裏道でお店をやって、お客さんが来てくれたら、まさしくそれは自分たちのお店の力ですから。

【Q】そこが稲本社長の目指す究極でしょうか?

ゼットンがプロデュースするビア・ガーデン

今年の新入社員の入社式でも話したんですが、僕がまだ起業する前、最初にプロデュースしたのはビアガーデンだったんです。そこにどんどん人が集まってくるのを見て、「すげーな」ってものすごく嬉しかったんですよね。

飲食業ってあのライブ感がたまんないんですよ。自分が作ったものに、人が集まってきてわいわいやっている、あぁいう世界が好きなんですね。だから、やめたくなることもあるけど、ずっとやめないで続けてられるんだろうな、とも思います。


株式会社ゼットン

企業所在地:〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-20-3 代官山CAビル4F
事業内容:公共施設開発事業、商業店舗開発事業、カルチャー事業
店舗:「Aloha Tabel(東京・神奈川・名古屋・ハワイ・韓国など)」「ギンザ舌呑(銀座)」「ISLAND VEGGIE(広尾)」など63店舗。(2014年4月現在)
公式サイト:http://www.zetton.co.jp/

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