飲食・宿泊2014.04.27

ラグジュアリーブランドが手掛ける“ブランドワイン”の可能性

2014.04.27
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目次

ワインに詳しくない人でもわかる、という付加価値

日本でワインといえば、ボジョレーなどの出来立てや、ビンテージ、地ものなどがおなじみだが、ヨーロッパではそれに加えて、アパレルのブランドが作った“ブランドワイン”というジャンルが話題になりつつある。

ブランドが自社の畑を持ってブドウからつくる場合もあれば、請負人に委託してテイスティングを繰り返し、ブランドイメージとすりあわせながら作り上げる場合もある。通常はパーティの出席者や上客に配るために作られた非売品のことが多いが、最近では販売に乗り出すブランドも出てきた。

その最大の魅力は、難しくて敷居が高いイメージがあるワインに、誰もが知っているわかりやすい付加価値をつけられる、という点だ。

「例えば高級シャンパンの代表ともいえる、ドンペリやモエ・シャンドンでも、知らない人は知らないですよね。しかし、ブランドワインには何十年もかけて築き上げてきたそのブランドのイメージがあり、ワインが飲めない人、よく知らない人にも“すごいものなんだ!”と思わせる力があります」(増田社長)

デイリーなものとは違い、レストランでワインを飲むときは、イベントや祝いのシーンも多い。特別な日に、その場にいる全員で乾杯して喜びを共有できるツールとして、これ以上わかりやすいものもない。

「ワインはどうしてもうんちくが多くて、それが苦手という人もいると思います。ワイン好きには学者みたいな人も多いですし、よく知らない人は下手に感想を言うのも怖いとか・・・。でも、『これがグッチ家が作ったワインだよ』と言われたらワインについて詳しくない人も一緒にみんなでわいわいと盛り上がると思うんです。そこに土壌がどうの、渋みがどうのと専門家みたいな感想はいりません。共通の思い出として、グッチのスパークリングワインで乾杯した!という楽しい記憶が残ればそれでいいのではないかと」

小売の販売よりレストランを重視する販売戦略

現在、日本で様々なラグジュアリーブランドと契約して、ワインを販売する正規販社は、東京のMarcheJapan株式会社と、その支部をつとめるacues社など数社ある。その販路の最大の特徴は、「小売より飲食店重視」ということ。量販店などで安く市販すると価格崩壊が起こり、ブランド価値を下げてしまう恐れがあるためだ。

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