だから飲食業はやめられない~ゼットン稲本健一社長インタビュー

飲食・宿泊2014.04.19

だから飲食業はやめられない~ゼットン稲本健一社長インタビュー

2014.04.19

【Q】「Aloha Table」に続いて、昨年11月にはハワイに「GOOFY」というお店もオープンされましたね。稲本社長にとって海外へ打って出るという事にはどういう意味があるのですか?

稲本健一…いなもとけんいち。株式会社ゼットン
代表取締役。1967年、名古屋市生まれ、金沢育ち。
デザイン会社勤務を経て、95年に株式会社ゼットン
を設立。名古屋に1号店「ZETTON」をオープンさせ
る。現在は、国内で60店舗、海外で3店舗を経営。

ハワイの「Aloha Table」は、日本で1店目(名古屋)が評判になった頃に、「ハワイアン・カルチャーを売るなら、ハワイにも本店を作らないとダメなんじゃないか」と強く感じてオープンさせました。リアリティが必要だ、と思って作ったのです。

今はそれだけでなく、リスクヘッジという意味でも海外のいろんな場所に移しておく必要はあるな、とは思っています。ただ、どこでもいいというわけではなくて、自分たちの得意としている事業を、得意な場所でバランスをとって移していくという意味です。

海外で事業をするときは、現地の人とどれだけネットワークを持てるかということも重要だと思っています。昨年ハワイにオープンした「GOOFY」は、簡単にいうと“イート・ローカル”をコンセプトにしたお店で、ハワイ全島からできるだけ地元のオーガニックの食材を集めて、料理に使おう、というテーマを持っています。

お店はサーフポイントに行く道沿いに作って、店名もサーファーたちに響く名前にしました。サーファーの人たちは、健康なモノやローカルなモノに感度が高い人が多いので、そういった人たちがインフルエンサーとなって、SNSなどで発信してくださることで、地元のお客様に認知されていくという流れができています。

【Q】では、稲本社長から見て今の日本の飲食店はどう思われますか?

海外で闘っている我々からすると、日本みたいにイージーな国はないですよ。アルコールライセンスの問題や、保健所のようなところもハワイは比べものにならないくらい厳しいですし、建築審査も半年くらい降りなかったりする。働く人の雇用の問題や仕入れの問題など、何から何までアメリカの方が大変です。

ただ、アメリカのお客様は「食事をするために楽しもう」という雰囲気があり、日本のように新しいレストランではなく、良いレストランが好きです。だから、5年、10年経ってもずっと愛されているレストランがたくさんある。

逆に日本は安いお店がたくさんあるし、新しいお店ができたらすぐにそちらに流れてしまう。立ち上げるのは本当に楽ですが、お客様に来ていただき続けるという意味では難しいかもしれないですね

【Q】リピーターになっていただくために工夫されている点はありますか?

やろうと思えばいくらでも“とんがった”お店にできるんですが、とんがりすぎないように、最後に丸めているということですかね。「ゼットンに行きたい!」って言ってもらわなくてもいいんです。「ゼットンでいいか」って言ってもらえるようなところに落としこんでいますね。

 


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