-●仕入れは港から直送が多いのですか。
魚の仕入れは、基本的に近所の魚屋さんではなく、港の現地の魚屋さんを通して直接仕入れています。鮮度がぜんぜん違いますから。あと、インフォマートさん(ASP商談システム)で見つけた北海道や宮城や三陸のお魚も仕入れています。
野菜は地産地消で、なるべく地元(小平産)の野菜を使っています。ただ、7月中旬から9月頭くらいまでは山梨の白州の野菜を使います。白州はアルプスの地下水が通っているので、ここで育った野菜は本当においしいんですよ。
-●調理やメニュー開発は社長が自らされているのですか?
各店舗に料理人や補助をするスタッフもいますが、今も自分で調理していますね。メニュー開発は、昔からずっとひとりでしたが今は板長も一緒に考えています。
“おすすめメニュー”は水揚げの状況で毎日変わりますし、お魚以外の「おすすめの一品」も、季節によって沖縄産のもずく酢や小平産野菜の冷製やグリルといった、そのとき旬のメニューに変えています。ただ、グランドメニューはあまり変えないようにしています。
-●では、グランドの中で、不動のロングセラーメニューがあったりしますか?
納豆を使った「納豆つくね」や「納豆焼き」、「にんにく豆腐(鍋)」は35年間提供しており、好きになった方はずっとお召し上がりいただいている人気メニューですね。あとは、「ドイツ風ジャガバター」も、うちの定番です。お醤油を使って少し和風な感じの味付けにしています。一度、ドイツの方がこれを食べて「全然ドイツ風じゃないけど、ドイツのじゃがバターより旨いね」っておっしゃっていました(笑)。
-●ほかのおすすめはありますか?
お好み焼きは出てきた時のサイズに皆さんビックリされますね。一人で注文したら後悔しますよ。それだけで立派なディナーになっちゃうんで。混ぜるところから始めるので、30分ほどお待たせしてしまいますが、それでもお客さんは待っていてくださいます。あと、「お母さんオムレツ」は、昔、うちの母が作ってくれたオムレツの味を再現しました。母は大正元年生まれですが、非常にハイカラで、戦後のさなかでも食卓に洋食が出ていたんです。
-●「自家製さつま揚げ」とありますが、お店で手作りされているんですか?
そうです。板長と交代制で体中痛くなりながら、すり身から作っています。結構疲れるんですよ(笑)。「出し巻き玉子」もオーダーされてからその場で焼きますし、「キャベツ入りメンチカツ」も「豚ロースの味噌漬け」も、すべて自分たちで作ります。あと、「冷奴」もニガリから一生懸命混ぜてますよ。茶碗蒸しみたいな容器で出てくるので、驚かれる方もいらっしゃいますね。焼き物、揚げ物などひと通りありますが、どのメニューも少しひねっているので、想像していたものとは違ったものが出てくる感じが楽しいと思いますよ。