アメリカではブームの域を越えた定番調味料
日本のフレンチレストランで修業後、アメリカのカリフォルニア州バークレーやサンフランシスコのレストランでシェフを務めた経歴を持つシカヤマさん。現在はカリフォルニアハワイアン料理の店でコックとして働いている、まさに西海岸の食事情に精通している人物だ。
そんなシカヤマさんに、まずはシラチャーソースとは何なのかを聞いてみた。
「シラチャーソースのルーツは、唐辛子、砂糖、塩、酢、ニンニクが原料の、タイの伝統的な調味料『シラチャ』です。発祥地であるSiRachaという町にちなんで名付けられ、東南アジア各国ではタバスコの様な存在として親しまれてきたといわれています」
そんなタイ発祥の調味料『シラチャ』が、シラチャーソースとしてアメリカでブームとなるきっかけは、約30年も前に遡る。
ロサンゼルス在住のベトナム系アメリカ人が、母国で慣れ親しんだ味を試行錯誤の末に再現し、シラチャーソースとして商品化した。アジア系のレストランから人気の火が付き、タバスコと並ぶ辛味調味料として、他の食品メーカーからも販売されるようになった。
今では、バーベキューやシーフード、フライ、ハンバーガー、ピザ、カリフォルニアロールなど、あらゆる料理に使える調味料として重宝されている。さらに料理以外では、ポテトチップスなどお菓子のフレーバー、カクテルなどのドリンク、スイーツもあるようだ。
「アメリカやカナダでは、ほとんどのレストランやカフェにシラチャーソースが置いてあります。スーパーでも同じで、売っていない店がないほどの常備品となっており、無添加やオーガニックのものまで売られるようになりました。タバスコよりも人気があり、ブームの域を越えて家庭では日常の調味料として定着している感じです」
料理のジャンルを選ばず、アレンジは自由自在
アメリカの料理雑誌やレシピ本にも登場することが多いシラチャーソースだが、料理のプロであるシカヤマさんにとって、その魅力は何なのだろう。