「それ以前から日本にも輸入されていたんですが、一般的にはまだまだ知名度の低い食材でした。10キロ入りのキヌアを2袋取り寄せ、片っ端からいろんな料理に取り入れて試作してみたんです。美味しくて栄養価が優れていることや見た目の可愛いらしさ、食感の良さに惹かれました」
中でも、村岡さんが目をつけたのは、万能食材としての実力だった。著書『アンデスのスーパーフード おいしい!キヌアレシピ』でも、サラダやスープ、麺やご飯、主菜、副菜、デザートまで和洋中のジャンルを越えた様々なレシピを紹介している。
どんな料理にも合わせやすい理由は、雑穀特有の香りがほとんどなく、キヌア自体が味をよく吸うことにあるという。
「キヌアは茹でて使うのがポピュラーです。皮に含まれる苦み成分があるので、茹でる前に濁りがなくなるまでしっかり水洗いして下さい。茹でている途中に少し強い香りは立ちますが、茹でてしまうと香りはほとんどなくなりますから。そして、茹でたキヌアを料理で使うと、お出汁や調味料の味をしっかり吸ってくれるんです。それが食材にとてもよく絡み合って、料理全体をまとめてくれます」
その特性を活かした商品やメニューで、キヌアは徐々に身近な存在となってきてはいる。
「ローソンやコストコなどでキヌアを使ったサラダが売られていたり、カフェでプレートメニューの付け合せに出されていたりするのを、ご存じの方もいらっしゃると思います。でも、サラダや付け合せだけでなく、どんな料理にも合うことをぜひ知ってもらいたいですね」
飲食店の現場に詳しい村岡さんおすすめのレシピ
栄養価に優れ、どんな料理とも相性が良い万能食材。ただ、いくらNASAや国連のお墨付きとはいえ、未知の食材をお店の料理に取り入れるとなると二の足を踏んでしまう人も多いだろう。そこで、数々のホテルや飲食店でメニュー開発や料理監修などに携わってきた村岡さんに、飲食店でキヌアを活用するためのヒントを聞いてみた。