知事定例記者会見(令和5年8月30日)
知事定例記者会見
- 日時/令和5年8月30日(水)15:45~16:25
- 場所/記者会見室
- 記者数/21名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- ALPS処理水海洋放出による中国の水産物輸入停止について
- 北海道胆振東部地震災害から5年を迎えるに当たって
- お米・牛乳子育て応援事業について
記者からの質問
- ALPS処理水の海洋放出関連について(1)
- 北海道胆振東部地震について(1)
- 北海道胆振東部地震について(2)
- お米・牛乳子育て応援事業について
- ALPS処理水の海洋放出関連について(2)
- ふるさと納税について(1)
- ふるさと納税について(2)
- 次世代半導体について(1)
- 次世代半導体について(2)
- ヒグマ対策について
知事からの話題
ALPS処理水海洋放出による中国の水産物輸入停止について
私から三点お話しさせていただきます。
一点目は、ALPS処理水の海洋放出による中国の水産物輸入停止についてです。本日、財務省より、7月分の貿易統計が発表されたところでありますが、1月から7月までの道内港からの中国向けの輸出金額については、前年同時期と比較しますと、5パーセント上回る293億円となっています。しかし、これは1月から7月までの合計ですので、7月分を比較しますと、水産物全体では前年より30パーセント減少し、特にホタテガイは前年の52億円から35パーセント減少し、34億円となるなど、7月上旬から始まった中国での輸入水産物の検査強化などが大きく影響したと考えられます。中国は、道産水産物の最大の輸出先国であります。昨年の道内港からの輸出実績については、833億円の64パーセントとなる532億円が(中国に)輸出され、このうちホタテガイは448億円を占めているという状況にあります。ホタテガイは本道の主要魚種の一つで、現在、オホーツク海を中心に水揚げが盛んに行われているわけでありますが、中国の輸入停止措置が長引けば、国内に製品在庫が滞留し、産地価格の暴落など甚大な影響が懸念されるところであります。
このため、道では昨日、生産や流通、加工の関係者の方々で構成いたします「道産水産物流通・輸出に係る連絡協議会」を立ち上げ、関係者間で情報の共有や対策の検討を進めているところであります。会議では、中国向けに輸出した水産物が通関できず、積み戻されている。ホタテが中国に輸出できず、地域によっては冷凍庫に余裕がない状況にある。ホタテ以外の水産物への影響も、今後、懸念されるなど、輸入停止による流通への不安や、影響の拡大を懸念する意見などが出されたところであります。今後、詳細を確認の上で、庁内連絡会議の中でも共有していくとともに、対策の検討を急いでまいります。
また、道といたしましては、連絡協議会で関係の皆さま方からいただいたご意見も参考としながら、28日に岸田首相が発表し、週内にも明らかとなる国の支援策の内容を注視しつつ、全国知事会とも連携しながら、中国による水産物輸入停止措置が一刻も早く撤廃されるよう、国に働き掛けるなど、スピード感を持って適切に対応してまいります。
そして、道民の皆さまに対して、ホタテをはじめとする安全・安心な道産水産物の消費拡大のために、積極的にこの情報を発信してまいります。そして、道庁内の食堂で提供するための検討も開始いたしました。こういったことなど、道内、国内での消費喚起はもとより、中国以外の輸出先国の拡大を進めていきたいと考えています。
そのほか、水産関係以外の影響について、今、現時点で確認したことについてもお知らせしたいと思います。観光関係でございます。北海道ホテル旅館生活衛生同業組合などによりますと、現時点では、道内の影響について十分把握できていないということはありますが、状況次第では今後、影響が出てくることを懸念するというお声をいただいています。また、北海道には上海事務所があります。上海事務所に確認いたしましたところ、海洋放出が決定され、中国が日本からの水産品の輸入を停止して以降、デモなどについてはないものの、領事館周辺で警察の警備が強化されているという報告がありました。また、コンビニにおきまして、北海道フェアが予定されていたということがありましたが、こちらの北海道フェアについては延期となるなどの影響が見られるということであります。また、迷惑電話でございますけれども、先般設置した道の特別相談窓口や庁内関係課には、昨日時点でありますけれども、こうした迷惑電話に関する相談は寄せられていないという状況でございます。
いずれにいたしましても、今お話し申し上げた状況、今後の状況を注視していくとともに、庁内連絡会議で情報共有し、引き続き、取り組みをしっかりと進めていきたいと考えています。
まずこれが一点目でございます。
北海道胆振東部地震災害から5年を迎えるに当たって
二点目でございます。
平成30年9月6日に発生いたしました北海道胆振東部地震から5年を迎えようとしております。私も9月2日の厚真町追悼式に出席させていただく予定であります。この震災でお亡くなりになられた多くの方々に、あらためて衷心より哀悼の意を捧げますとともに、かけがえのない大切な方を失われましたご遺族の皆さまに、心からお悔やみ申し上げます。
これまで多くの皆さまにご尽力いただき、インフラ、農地などの復旧がおおむね完了しているところであります。この場をお借りして、関係の皆さまに対して、心から感謝を申し上げます。また、森林の復旧につきましては、令和4年3月に策定いたしました「胆振東部地震森林再生実施計画」に基づき、進めているところであります。令和5年度については、計画をやや上回る植林等の実施を見込んでおりますほか、再生可能エネルギーの活用、義務教育学校の開校など、地域のポテンシャルを生かした取り組みが展開されているところであります。
道としては、引き続き被災3町と連携して、復興、再生に向けた機運を盛り上げていくとともに、お一人お一人に寄り添った心のケアといったものも含めて、被災地域の皆さまの不安や課題を丁寧に受け止めて、国や関係機関と連携を図りながら取り組みを進めていきます。
お米・牛乳子育て応援事業について
最後三つ目でございます。
お米・牛乳子育て応援事業についてであります。食料品などの物価高騰の影響を受けている子育て世帯の負担軽減と、道産品の消費拡大を図るお米・牛乳子育て応援事業についてでありますが、5月10日に申請受付を開始いたしまして、3カ月半が経過いたしました。対象となる39万世帯のうち、申請いただきましたのは約72パーセントとなっております。ご申請いただいたうちの約95パーセントについては、支給を終えさせていただいたところであります。
道ではこれまで、専用のサイトの開設や、Twitter、今はX(エックス)ですけれども、メルマガによる広報をはじめとして、市町村や学校、子ども支援施設、病院、取り扱い店舗へのチラシの配布、子育て世帯を対象としたSNS広告、フリーペーパーへの広告掲載など、さまざまな手法によりまして、多くの皆さまにご協力いただいて周知を進めてきました。今後さらに、テレビ、ラジオのCMや道内各地の新聞広告、コンビニでのサイネージ広告や店内放送などによりまして、さらにきめ細かな周知を図ってまいります。引き続き、マスコミの皆さまにもご協力いただきながら、より多くの子育て世帯の皆さまにご申請いただいて、広く支援が行き届くように努めてまいります。
申請期間は9月30日までとなっていますので、残すところ1カ月という状況であります。約3割の皆さまが申請を終えていないという状況にありますので、ぜひ、お忘れなくご申請いただければと思います。
明後日9月1日から15日までの期間につきましては、テレビCMを行う予定です。こちらが15秒ほどのCMです。
(CM上映)
ということで、こちらのCMを放送する予定であります。報道機関の皆さまには、これまでもご協力いただいてまいりましたけれども、引き続き、ご協力をお願い申し上げます。
私から以上です。
記者からの質問
(NHK)
処理水関係でちょっとお尋ねさせていただきます。今、知事のご発言にもありましたけれども、今週、国の緊急支援策という形でまとまるかと思いますけれども、おそらくホタテは道内でも非常に、日本を含めても主要輸出品目になっていると思いますが、国内での消費を喚起させるというのが、極めて多分重要になってくるのではないかなという気がしています。そこで今の知事のお考えで、例えば、ご自身自らが街頭に立って、そういうことを呼び掛けたりですとか、あと道民の皆さまに対して、ホタテも含めてですね、道産海産物の消費に向けての何か発信メッセージなどがありましたら、お考えなどを含めてお聞きできればと思います。
(知事)
道民の皆さまには、美味しい、安全・安心な道産の水産物について、常日頃ですね、選択していただいて、産地も含めて応援いただいているところでありますけれども、これは道内外、国内につきまして、非常に大きな影響が懸念されますので、あらゆる場面で、私自身がしっかり発信していきたいと思っています。安全・安心で美味しい道産の水産物を、ぜひ皆さまに、今後とも食べていただきたいということを発信していきたいと思います。
また、福島県をはじめ、海洋放出の影響を懸念する声がある中で、全国知事会としても、これはやはり知事をはじめ、みんなで積極的に応援し、また道民、県民の皆さんに(応援)していただこうということで、取り組んでいこうというところであります。知事会長に今後就任される予定の村井(宮城県)知事からも、そういったご発言がありますので、これは知事会ともしっかり連携して、そういったことも訴えていきたいと思います。
さらには、今週にも総理のほうが検討されている支援の中身が出てきますので、緊急の要望も行わせていただきましたけれども、国に対しても、大きな影響が懸念される本道の水産物について、支援の中身を注視しながら、連携して取り組みを進めていきたいと思います。
(読売新聞)
胆振東部(地震)の関係なのですが、先ほどのこととちょっと重なるかもしれないのですが、森林復旧とか、現地で進められているというような道の取り組みもあると思うのですけれど、このほか、全道では津波の防災計画であったりとか、そういったことも道として進められている部分があると思うのですが、あらためて地震から5年という節目で、そうした地震に対する備えであったりとか、あと胆振東部の時は、ブラックアウトというのも一つの事案として起きていましたが、そういったところの備えをどういうふうに道として進めてきたのかというのを、ちょっと振り返りをお願いしたいのと、あと今後、より強化していかなければいけないという、そういう課題みたいなものがあれば、それも教えていただければと思います。
(知事)
(発災から)5年を迎えようとしているわけでありますが、当時、私は(夕張)市長として、まさにこのブラックアウトの対応をはじめとして、対策をしてきた立場でもあるわけですけれども、被災地域においては、応急仮設住宅から恒久的な住まいに住み替えが行われ、インフラ、農地、林道などの復旧につきましては、おおむね完了するということ、そして地域再生に向けた取り組みが着実に進んでいると認識しています。
一方で、先ほども触れましたけれども、4300ヘクタールという大規模な崩壊となった森林の復旧、そして被災者の皆さまの心のケアなどについては、引き続き、当然のことながら取り組みが必要です。私としては、安心でにぎわいのある日常はもちろんのこととして、その先の地方創生も見据えて、被災地域の実情をよく伺いながら、復興に向けた取り組みを全庁一丸となって進めていきたいと考えています。
また、ブラックアウトにあっては、災害を想定したときに、特に寒冷地である本道において、冬季にそういった状況にあったときに、非常にさまざま、より深刻な影響があったであろうということも、専門家などからもご指摘いただきながら、これまでも取り組みを進めてまいりました。市町村とも引き続きしっかり連携して、そうした災害はいつ起こるかわからないという状況の中で、対策を今後とも進めていきたいと思います。
(北海道新聞)
胆振東部地震の関連なのですけれども、道はですね、道職員の被災地派遣を続けています。発生直後から、1、2年ほどの中長期間ですかね、震災から5年を迎える今も、厚真町に森林再生や公共土木などに携わる3人が赴いています。まず派遣のねらいを教えていただきたいのと、また現在、派遣されている方の任期を伺うと、今のところ最長で2025年3月までというふうに伺っているのですけれども、森林再生をはじめ、分野によっては、今後も復興までに長い期間を要することになるとみられておりまして、町からの要望があった場合にですね、道としてもさらなる派遣継続をされていくような考えがあるのか、現時点での知事の考えを教えてください。
(知事)
今ご質問がありましたけれども、被災地域の方々が一日も早く元の生活を取り戻して、復旧、復興に向けた取り組みを進めていくために、平成30年度には、避難所の運営支援などの短期の派遣として、延べ8257名を派遣し、このほか中長期的には、公共土木施設、林道の復旧などに延べ31名の職員を派遣してまいりました。
今後とも、この点は、被災地の皆さまが将来にわたって安心して暮らしていけるように、被災地から地域の実情やニーズをお伺いしながら、職員の派遣については、しっかり対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
お米と牛乳券事業についてお伺いしたいと思います。先ほど知事ですね、申請期限まで残り1カ月で、未申請が3割というお話をされました。この未申請3割という状況ですね、どのように知事は受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
この事業につきましては、申請開始当初に、申し込みで少しシステム不具合などもあってですね、本当に多くの皆さまにご心配をおかけしながら、課題を解決しながら、さまざまマスコミの皆さまにも周知のご協力もいただきながら、取り組んでまいりました。現時点で(申請率が)72パーセントという状況まで来ることができました。やはりできるだけ多くの方に申請していただきたいというふうに思っていますので、この残り1カ月という期間で、皆さまにしっかり申請いただけるように努めていきたいと考えています。
(北海道新聞)
関連してですね、今回、その子育て世帯の物価対策事業として44億円、総額で投じて事業を実施しているわけですけれども、現状、この効果については、知事はどのようにご覧になっていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
この事業についてもそうなのですけれども、食料品など物価高騰の影響を受けております子育て世帯の方に対して、生活に欠かせないお米、牛乳を商品券という形で支給する事業を行ったところでありまして、皆さまからですね、「生活に直結した支援で助かる」などのお声もいただいております。引き続き、しっかりと申請いただけるように取り組んでいきたいと思いますし、また、道産品の一層の消費拡大にもつなげていければというふうに思います。
(北海道新聞)
最後にですね、同様の事業を行っている大阪府ではですね、申請率が8割に上っていて、吉村知事は9月1日からですね、5000円分のお米クーポンなどを支給する第2弾の事業を行うことを決定しています。知事はですね、大阪府のように、お米券事業などを継続していくお考えがあるのかどうかお考えを聞かせてください。
(知事)
まずは、まだ約3割の方にご申請をいただけていない状況などもありますので、今はしっかりこのCMなども通して、さらに皆さんにお伝えをしながら、申請いただく方を増やしていきたいと考えています。今後については、さまざま検討していく中で、答えを出していくことになろうかというふうに思います。
(北海道新聞)
処理水の影響で、知事がホタテの安全・安心を今後道民に伝えていく、情報発信していくとおっしゃいましたけれど、やはり道民は処理水の影響というのはわかっていると思うのですが、ホタテを輸出している中国以外の国、アメリカですとかEUですとか、韓国ですとか香港ですとか、そういった国へ対してですね、ホタテの安全性をPRする必要があるのかなと思うのですが、その辺りの海外向けにそういった安全・安心をPRする、そういったお考えですとか予定とかというのはございますでしょうか。
(知事)
われわれとしても常日頃、海外の事務所などもそうなのですが、道産食品の素晴らしさ、美味しさ、そして安全・安心に食べていただける、素晴らしい北海道の魅力だということで、さまざま現地の言語で発信させていただいているということがありますので、しっかりと、今の足元の状況についても正しく理解していただくための情報発信については、これは積極的に行っていきたいと思っています。
また、政府においても、G20(主要20カ国・地域首脳会議)なども予定されているということですけれども、しっかり海外に対して説明していただきたいと思っています。
多くの国々に、しっかり科学的な理解を深めていただく中で、素晴らしい北海道の美味しい食について、引き続き、皆さんに正しい理解の下で、消費喚起をしていく、こういう状況を作っていきたい思います。
(北海道新聞)
それと、道庁内で提供を検討されているとあるのですが、具体的にいつ頃、あの地下(食堂)で出てくるということですよね。
(知事)
そうですね。今、皆さんに、いついつからやりますよということをお話しできれば一番良いわけでありますが、委託事業者(食堂の出展者)の方とご相談をしている状況でございますので、決定次第、皆さんにお知らせができればと(思います)。ぜひ、そういった状況になりましたら、皆さまにも、もしご協力いただける方は、ご協力いただけたらありがたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
本日、道がですね、ふるさと納税に関して、非開示情報を含んだ道内市町村の返礼品リストを、本来は閲覧することができないはずの道内の計105市町村に漏えいさせていたと発表しました。道が、開示すべきではないとの認識がないままに、市町村にリストを送付していたことが原因ということですけれども、この漏えい期間自体もですね、本年度だけにとどまらず、2020年度まで遡るとの説明でした。また、流出先は道内だけではなくて道外自治体にも及ぶようで、その流出範囲や影響は現時点ではよくわかっていないのが実情のようです。このことに関する知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
まず、この報告を受けまして、まずは今わかっている状況について、しっかりマスコミに対して説明を行うように、私から指示いたしました。まだ事実関係の全てがわかっているわけではないのですが、今、こういう状況にあるということについて、まず、皆さんと共有する必要があると思いましたので、説明していただきました。個人情報は含まれていないということでありますが、非開示データの取り扱いについては、当然のことながら慎重に取り扱わなければならないものであります。市町村に対しても経緯をしっかり説明してもらいたいということで、本日、説明したという報告も受けましたが、このような事態が発生しないように、庁内の会議を開催して、この事例をしっかりと、ほかの部局においても問題について共有し、情報の取り扱いについては、管理を徹底するようにしていきたいと思います。
(北海道新聞)
この事案なのですけれども、ふるさと納税に関してはですね、知事はこれまでも、今年4月の知事選も含めてですけれども、市町村を応援するということを強調なさってきていて、一方で、調達額ですとか市町村の秘匿情報が広く漏えいされてしまうと、創意工夫で頑張っていた市町村のやり方ですとかが、知られなくていいところに知られていって、もしかしたら、そうしたいろいろなふるさと納税の取り組みに関して、戦略ですとかに影響を与えていた可能性もあります。これですと、市町村の応援どころかですね、場合によっては足を引っ張る行為にも見えるのですけれども、かなり深刻な事態と考えるのですけれども、知事はこれに関しては、今のお話ですと、深刻な事態であるとか、また市町村への謝罪というのはなかったわけですけれど、現時点でこのあたりいかが考えますでしょうか。
(知事)
市町村のほうには、本日、連絡を申し上げた上で、経緯をご説明しております。その反応についても、後ほどしっかり報告を受けたいというふうに思いますけれども、われわれ広域自治体として、市町村が懸命に取り組まれていることを、当然ながら応援していく立場でありますから、市町村の知らないところで、情報が本来伝えるべきではないところに伝わってしまったという事態をしっかり受け止めて、再発防止を徹底しながら、さらには、これは情報管理という意味では、担当の部局以外もしっかり受け止めた上で、同様の事例は二度と起こしてはなりませんので、そこは庁内会議で徹底していきたいというふうに思います。
(北海道新聞)
この件をめぐるですね、弊社への取材の対応について知事の見解を伺いたいのですけれども、昨日、私、この件が発表される前に、あるところから情報提供を受けてですね、私のほうから発表前の昨日の午後に、官民連携推進局の主幹に電話取材しました。どういう内容で聞いたかというと、ふるさと納税に関して、市町村に経費などを尋ねる道の調査があって、誤送信のようなことが起きてですね、市町村の情報が拡散されたと聞いているのですけれども、事実関係はどうですかと伺ったら、この時点で道の回答は把握していないという回答でございました。重ねて、これに準ずるようなこともないかと尋ねたのですけれども、ないという回答だったのですけれども、ご承知のように、先ほど1時半からですね、今回の事案の記者レクがありました。官民連携推進局の説明ですと、私の昨日の取材はですね、違う案件だと捉えた、行き違いがあった、隠す意図はなかったということなのですけれども、道のトップとして、こういう不祥事関係に関する取材対応として適切だったかということを、ちょっと聞きたいのですけれども。
(知事)
そこはやはり、しっかり説明することが必要だというふうに思います。私も報告を受けましたので、皆さんに急遽お時間をいただきましたけれども、今わかっていることを、まずは皆さんにご説明して、ご質問を受けるべきだという判断の下で、指示いたしました。当日、今お話のあったやりとりの詳細については、ちょっと把握はしていませんけれども、しっかりマスコミの皆さんからお問い合わせがあった場合については、しっかりわかっている内容についてですね、お話しするべきだというふうに思います。
(NHK)
二点あります。今の他社さんの質問に絡めてなのですけれども、今回のふるさと納税に関して、実際に対応したのは道の職員ということなので、一応、道のトップとしてですね、市町村に対して少なからず影響は、どの程度で出ているかというのはまだわかっていないと思うのですけれども、心配などを多分かけたという点において、道のトップとしての見解を、ちょっとあらためて伺いたいのが、まず一点目になります。
(知事)
まず、市町村の皆さんが懸命にふるさと納税の取り組みをして、日本一の状況になっています。本来、市町村から情報がほかのところに渡ることは想定しない中で、今回、道における対応の問題で、今、状況を調べているところですけれども、不適切な取り扱いとなったということについて、大変申し訳なく思っています。今、各市町村において、経緯なども説明させていただきました。その説明をさせていただいた中で寄せられた声、こういうものについてもしっかり真摯に受け止めた上で、皆さんがしっかりふるさと納税制度を活用した中で、北海道に多くの方から引き続き応援いただけるように、しっかり信頼を取り戻すべく取り組みをしていかなければならないというふうに思っています。
(NHK)
二点目で、ちょっと話が変わりまして、今週金曜日にラピダスがいよいよ着工を迎えるということなのですけれども、ちょっと今の時点で、当日また記者会見で伺うと思いますけれども、いよいよ着工ということでの今の知事の受け止め、期待感などありましたらお伺いできればと思います。
(知事)
まずですね、ラピダス社、そして鹿島建設をはじめとして、関係の皆さまのこれまでのご尽力に対して、心から敬意を表します。2月28日に立地表明をいただきました。その際に私から、「一緒にチャレンジをさせていただきたい。」ということで申し上げたことが、立地を決めた大きな要因であったということで、小池社長からご発言をいただいたことが強く心に残っております。それ以降、この立地表明から約6カ月が経ちました。スケジュールどおり起工式を迎えることができることは、本当に嬉しく思います。そういう意味では、まだ6カ月しか経っていないのだなというふうに思うわけですけれども、本当にスピードが重視される中で、本当に関係者が懸命になって取り組んでまいりましたので、嬉しく思うところです。
この式典には、西村経済産業大臣をはじめとして、国の関係機関、ラピダス社の方々、そして国内外の半導体関連の企業のトップの方々、なかなかですね、特に国外、海外から半導体関連企業のトップ、責任者の方が一堂に集まるような場面というのは、まさにこういったプロジェクトがなければあまりないようなことでもあると思っています。神事においては、工事の安全祈願をさせていただくことはもとより、2025年のパイロットラインの稼働、そして2027年の量産開始というスケジュールの達成に向けて、こうした参加者の皆さんとも、ぜひ、なかなかない機会ですので、積極的に意見交換をさせていただければと考えています。連携を一層強化していく、そういう機会にもしたいと思っています。引き続き、国や地元千歳市、経済団体など、産学官の関係機関と緊密に連携をしながら、多岐にわたる課題への対応に、スピード感を持って対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
ラピダスの関係でインフラ整備についてお聞きします。工場で使う水の確保策について有識者懇話会での議論が始まっていますけれども、インフラ事業を実施する場合は多額の費用が必要になると思います。あらためて整備の費用をどのように賄うのか、知事のお考えをお願いします。
(知事)
ラピダス社が千歳市において進める次世代半導体製造拠点整備事業については、国が2023年度の計画予算を承認し、国家プロジェクトとして本格的に動き出しています。こうした中で、道では、機会を捉えて、次世代半導体製造拠点の整備と関連産業の集積促進に向けた支援を、国に対して要望してきております。とりわけ、今ご質問のありました用排水施設等のインフラ整備については、巨額な費用負担が見込まれます。自治体のみでは対応が困難ということから、私、そして千歳市の市長とともに、西村経産大臣に対して、財政支援については、直接、要望したところであります。
また、7月には全国知事会として、地方と国が一丸となって推進していけるように、必要な支援を国に求めるよう提言し、取りまとめたところであります。道としては、今後ともこのプロジェクトの成功に向けて、連携協定を締結した熊本県もございますので、熊本県などとも連携をしながら、あらゆる機会を捉えて、国に対して必要な支援を求めていきます。
(北海道新聞)
関連して、TSMC(台湾積体電路製造)の工場が建設される熊本県では、周辺の道路ですとか、工業用水などインフラ整備に、今後10年間で約1140億円の事業費が必要という試算を示して、国に支援を求めています。道も今後、インフラ整備に必要な金額を試算した上で、あらためて国に財政支援を求める考えはありますでしょうか。
(知事)
今、2025年のパイロットラインを稼働させていくというのが、まず目の前に迫っています。そこと並行して、水の確保は27年に向けた話でありますが、さまざま必要となるインフラをはじめ住宅環境など、さまざまな課題を並走して議論しなければならないという状況にあります。さまざま周辺の自治体からの声などもありますが、皆さんの状況などもお伺いしながら、ラピダス社、千歳市、道、国の中で今、定期的に打ち合わせを繰り返させていただいています。その中でさまざま議論を進めながら、皆さんにも理解と共感を得て、このプロジェクトを進めていく必要がありますので、そういった観点から、必要な情報については積極的に皆さんにお知らせし、取り組みを進めていきたいという考えです。
(北海道新聞)
道のヒグマ対策の専門員配置についてお伺いします。道が5月に道内の市町村に行ったアンケートで、多くの市町村が専門員配置を課題に位置付け、道内の専門家でつくるヒグマの会も、道に各振興局への専門員配置を提言しました。実際、兵庫県や島根県などでは、専門員の配置によって対策が進んで、農業被害などの抑制に成果を上げていると思います。こうした状況を踏まえ、道として専門員を配置するつもりはあるのか、専門員を配置する検討をする予定はあるのか教えてください。
(知事)
今の状況なのですけれども、鳥獣管理について学んできた方を採用しております。国が示す「鳥獣管理に関する専門的知見を有する職員」については、これは要件があるのですけれども、令和5年4月の時点におきまして、本庁に3名、振興局に8名という状況です。最近の状況で言うと、令和3年のときは7名だったのですけれども、今、令和5年で11名という状況になっているところです。こうした職員については、今申し上げたように、近年、数名ずつでありますけれども、増えているという状況にあります。このほか、これまで鳥獣管理の業務に携わり、十分な経験を積んだ職員もいます。今後とも、国が主催する研修を受講していくなど、今申し上げた「鳥獣管理に関する専門的知見を有する職員」の要件があるので、こういった研修を積極的に職員に受講していただくということなど、「専門的知見を有する職員」の確保に努めていきたいと考えています。そして、その能力が発揮できるように、適材適所の配置に配慮していきたいと考えています。ヒグマの会の皆さんから提言があったグランドデザインの中でも(職員配置について)触れていただいています。こういったものを踏まえて、道が講ずるべき施策については、今後も有識者の方からさまざまご意見がありますので、ヒグマ保護管理検討会でご意見をいただくなどしながら、必要な対応について検討していきたいと思います。
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2023年8月31日