知事記者会見(2022年10月21日(金曜日))
【発表項目】
1 新型コロナウイルス感染症の現状と対応
(2)県接種会場における5回目接種の開始等(PDF:360KB)
3 兵庫県栄養塩類管理計画の策定(PDF:676KB)
(参考)計画本文ほか(外部サイトへリンク)
4 第41回全国豊かな海づくり大会兵庫大会 ~御食国ひょうご~ 関連行事
「豊かな海づくりフェスタ2022」の開催(PDF:2,275KB)
5 和4年度兵庫県文化賞・科学賞・スポーツ賞・社会賞及び芸術奨励賞受賞者の決定(PDF:383KB)
動画
知事記者会見内容
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
(1)県内の患者の状況等
本日の新規感染者数は1286人で、対前週比で68人増となっています。
ここにきて、下げ止まりが見えつつあるという状況です。
10万人当たりの感染者数も、10月の上旬で下げ止まりとなり、少しずつ増えてきているところです。
引き続きの感染対策の徹底等、状況については注視をしていきたいと考えています。
(2)県接種会場における5回目接種の開始等
県民の皆さんには感染防止対策の切り札として、基本的な感染対策の徹底とともに、ワクチンの積極的な接種をお願いしてきました。
県接種会場では、オミクロン株対応型の、いわゆる2価ワクチンの追加接種、これの3回目、4回目接種はすでに開始しているところです。
こうした中で、予防接種実施規則が改正され、追加接種については、接種期間が5カ月から3カ月に短縮されました。
これを受け、高齢者などを対象とする5回目の接種について、接種券を持っている人を対象に、明日から県の接種会場でスタートしたいと考えています。予約は9時から。そして、接種については14時半スタートです。予約方法はコールセンターのみで対応しますので、よろしくお願いします。
11月の接種枠の予約については、10月25日からスタートします。
接種期間が短縮されたことと、これからインフルエンザの流行のシーズンにもなります。高齢者を含めて、リスクの高い人は、5回目のワクチン接種についての検討、そして協力をお願いしたいと考えています。
2番目は「県庁舎フードドライブの実施」です。
これは「兵庫県庁SDGs WEEK」の取組の一環として実施するものです。
食品ロス削減を図りつつ、地域で経済的に苦しい家庭の子どもたちをはじめ、そういった地域における食料品、食事の提供をしていくことは大事なテーマだと考えています。
食品ロス削減を図る一つの手段として、フードドライブが推進されていますが、令和2年度に兵庫県もフードドライブ推進ネットワークを立ち上げ、ひょうごフードドライブ運動として全県的な展開を図っているところです。
現在は、県内24市町にあるスーパー161店舗でフードドライブを実施しています。
これに加えて今回、「兵庫県庁SDGs WEEK」の一環として、本庁舎、それから、3つの県民局・県民センターでもフードドライブを実施します。
具体的には資料のとおり、本庁では10月24日、25日、3つの県民局・県民センターで、10月中を目途に実施します。
フードドライブは家庭で余っている食品を持ち寄り、それを必要としている生活困窮者、社会福祉施設、子ども食堂などに配布するものです。
対象商品は、お米、乾麺、レトルト食品、缶詰、そういったものが対象になりますのでよろしくお願いします。
今回は24日にスタートするのですが、本庁は特別企画として、認定NPO法人フードバンク関西の中島理事長と、フードドライブの意義について対談します。
フードドライブはそういった意味で、食品ロスの削減を図るとともに、生活困窮者などへの福祉的な観点としても大事なことですので、ぜひ県民の皆さんの積極的な協力をお願いしたいと思っています。
県庁舎フードドライブということで、10月24日にします。特にお米、乾麺、カップ麺、レトルト食品、缶詰など、こういったものが対象です。お歳暮やお中元でいただいて、意外と棚の中にあったりして、使われないでそのまま食品ロスになってしまうこともあるかと思います。
ぜひお中元・お歳暮を、最近はそれも少なくなってきていますが、そういった、家庭の中のあまり食べないものがあれば、積極的にこのフードドライブの取組に参画してもらえれば、と思いますのでよろしくお願いします。
3番目は「兵庫県栄養塩類管理計画の策定」です。
来月、「全国豊かな海づくり大会」が兵庫で開催されます。
そういった意味でも、今回の取組は、関係府県に先駆けて策定しました。
瀬戸内海はご案内のとおり、かつては高度経済成長期に、下水処理場を含めていろいろな工業用水が流入しました。私も地元が須磨ですので、昔の須磨海水浴場は赤潮がすごく発生していて、赤潮の中で泳いだことを記憶しています。
今、実はすごくきれいになっていまして、瀬戸内海環境保全特別措置法により、厳しい排水規制、生活排水処理施設の整備がかなり進んだので、そういった結果、瀬戸内海の水質が大きく改善しました。須磨の海もかなりきれいになったということです。
一方で、それによる影響なのか、いろいろな評価があるのですが、播磨灘、それから大阪湾の西側を含めて、窒素濃度が漁業に適した濃度の0.2mg/Lを下回っています。イカナゴなどの漁獲量の低下、それから、ノリの色落ちといったような、水産業に対する深刻な被害が生じているところです。
そういった中で、2021年6月に、これは県選出の国会議員などの尽力もあり、瀬戸内海環境保全特別措置法が改正されて、府県知事の判断で、この瀬戸内海への栄養塩類をどのように供給していくのかを、計画を策定して、コントロールができるようなりました。
それが今回の栄養塩類管理計画の策定です。
法律に基づくこの計画の策定は、瀬戸内に隣接する府県の中では兵庫県が初めてであり、今回、パブリックコメントなどが整いましたので、公表するものです。
対象海域は、大阪湾の西側から播磨灘となります。
(資料の図を指し示しながら)1999年のこの緑色が濃いところは栄養塩類濃度(全窒素)が比較的高かったところなのですが、現在、緑の海域が減ってしまって、逆に言うと低い海域、青色の海域が増えてきているところです。
栄養塩類濃度が少なくなっている、窒素が少なくなって、それによって、海中のプランクトンが減ってきている。プランクトンが減ると、それを食べる小魚が減り、それを食べる大きな魚がどんどんと減っていく。
そういった循環などにより、海の資源、水産業が危ぶまれている状況にありますので、それを改善していくことが今回の計画です。
今回、策定した計画のポイントは2点ありまして、1点目が、民間の工場からの栄養塩類の供給を計画に位置付けて、そこで少し(栄養塩類を)増加できる、増やせるような、そんな枠組みを作っていくことです。
窒素の供給を増加させることが可能な工場は県内に5カ所、それから下水処理場の28カ所を選定し、そこで、実施者と連携しながら、栄養塩類を増やしていく取組をしながら、モニタリングもしっかりとやっていきます。
他の特徴的な取組として、明石浦漁協などを中心にして、「海底耕うん」という海を耕すことによって、海を豊かにしていく取組や、「かいぼり」という池の水、ため池の水を抜いて、それを川に流します。そうすると、ため池などに溜まっていた水は結構栄養塩類が多いので、それを、川を通じて海に戻す(流す)という取組をしています。そういった取組があって、それが豊かな海を作るために大事な活動だとされています。
本来、それも今回の計画に載せたいのですが、そういう取組をしたからこれぐらい栄養塩類が増えた、というエビデンスがまだ確立されていません。今後の方向性としては、そのエビデンスを研究機関などを通じて整理しながら、もしエビデンスがきちんと整えば、定量的な効果(が確認できれば、それらの取組)を計画に位置付けていくことも、今後の検討課題として入れていきたいと考えています。
今回は工場であったり、下水処理場の供給量をコントロールする、少し増やしていくという取組を中心に、計画を作ったという形です。
こういった取組を、来月11月の「全国豊かな海づくり大会」の中でも、兵庫県が瀬戸内の水産業を持続可能なものにしていく取組として、発信することもしっかりとやっていきたいと考えています。
4番目は「第41回全国豊かな海づくり大会兵庫大会 ~御食国ひょうご~ 関連行事『豊かな海づくりフェスタ2022』の開催」です。
11月12日、13日に県立明石公園で、豊かな海づくり大会の関連行事として開催します。
このイベントでは、行政や漁業者の取り組む、先ほど説明した栄養塩類の管理であったり、あとは「海底耕うん」、「かいぼり」など、漁業者の皆さんが自ら取り組んでいるもの、それから、企業・団体によるSDGsの取組、海洋性プラスチックに関する取組、そういったものを中心とする企画展示や体験ブースを出展します。
また、明石焼(玉子焼)や淡路島バーガーをはじめとする、県内の特産品のグルメ、兵庫テロワール旅なども発信します。
具体的には、資料のとおり、12日のイベントとしては、明石たこ大使のさかなクンも登場します。また、トヨタ自動車(株)の燃料電池車のブースであったり、いろいろな企業・団体21者にも出展してもらいます。
せっかくの機会なので、多くの県民の皆さんに来てもらえることを期待したい、お願いしたいと思っています。
5番目は「令和4年度兵庫県文化賞・科学賞・スポーツ賞・社会賞及び芸術奨励賞受賞者の決定」です。
これは毎年、実施しています。
県民文化の高揚、それから、科学技術の向上、スポーツの振興、地域社会づくりに貢献した17名と1団体を、それぞれ表彰します。また、将来の活躍が期待される若手から中堅の芸術家に対する芸術奨励賞も、3名に贈りたいと思っています。
人数やメンバーについては、手元の資料のとおりです。それぞれの分野で活躍している人を中心に、県の方で選定しました。
贈呈式は11月10日に県公館で実施します。心からお喜び、お祝いを申し上げます。
私からは以上です。
質疑応答
記者:
栄養塩類管理計画に関して。瀬戸内の対象府県で初めて兵庫県が策定したということですが、それも踏まえて策定の意義を改めて、伺います。
知事:
瀬戸内海は本当に豊かな漁場で、播磨灘、明石浦漁協も先日行きましたし、その前も妻鹿漁港にも行きました。水産業というものは、地域社会を支える、雇用の面でもそうですが、経済を支えるという意味で本当に大きな位置付けだと改めて感じています。
一方で環境としては厳しさを増していまして、高齢化ということで、漁師自身も高齢化していることがありますが、そもそも漁獲量や、ノリの収穫というものが減ってきている、色落ちをして品質が低下しているということで、大きな課題が出てきているところです。
それはやはり、長い目でしっかりと、中長期的に取り組んでいくことが大事で、それをこれまで兵庫県がある意味、瀬戸内海、全国をリードしてやってきたということで、それが今回の栄養塩類管理計画の策定にも繋がったのではないか。
これは府県としては初めての計画策定ですので、その中で具体的な、民間の事業者の工場排水や、あとは市町も含めた下水処理場の排水をコントロールするという計画を作ったことは、極めて意義が大きいと思っています。
こういった官民連携での取組をしっかりと進めながら、豊かな海を取り戻していく取組を一歩ずつやっていく。あとは水産業へのいろいろな環境整備、妻鹿漁港も含めて、いろいろな設備投資もこれから大事なテーマになってきます。人材の確保も大事なものになってきます。
そういったことをトータルで進めながら、持続可能な、兵庫の水産業の発展、そして持続可能性をこれからも高めていきたいと考えています。
記者:
ワクチンの件で伺います。5回目の接種開始について、まさに今日から3カ月に短縮されたばかりです。それでも明日から5回目接種を開始するということで、1日で決断したのは、どういった思いからですか。
知事:
この第7波がかなり下がってきた中で、前週比での増加という兆しが見えてきています。これから秋や冬にかけて、季節の変わり目であり、乾燥するシーズンの中で、インフルエンザの流行、さらには、同時的にコロナが増えてくるというような、リスクも出てくる可能性があります。その中で大事なのが、ワクチンの接種だと考えています。
4回目のワクチン接種も高齢者を含めて少しずつ増えてきていますが、その中で、よりワクチンの効果を続けていくためには、5回目の接種も大事になってきます。そういった意味で国も制度改正して、接種期間を5カ月から3カ月に短縮したということです。
そういった流れの中で、兵庫県としてもスピード感を持って、高齢者の命を守るために、5回目のワクチン接種の接種会場をいち早くスタートしたい、と考えています。
記者:
今回対象となるのは、60歳以上の人、基礎疾患のある人、医療従事者になるのでしょうか。
知事:
基本的にはそのとおりです。60歳以上の高齢者や基礎疾患のある人などです。そして、医療従事者も含めて、接種券が、今月中に配られますので、接種券が来た人は速やかに受けてもらえるような環境整備をします。
記者:
接種券のことに触れられましたが、明日ではなかなか配られていないところもあるのではないかと思います。それでも体制を整えたのは、いち早く県としても準備したいとの思いからですか。
知事:
接種券については市町が、配送・発出していると思います。一部届いていない人がいるかもしれませんが、逆に言うと、届いている人にはいち早く打ちたいという人もいると思いますので、その人たちのために、スピード感を持って、接種会場を設置するということです。
記者:
感染症として、今、繰り返し言われていますが、インフルエンザの同時流行が懸念される中で、インフルエンザに対する対応として、県として何かしていくことがあれば。また、インフルエンザワクチン接種の呼びかけなど、知事の考えはいかがですか。
知事:
インフルエンザの流行期がこれから秋冬にかけてやってきます。同時流行するというリスクがある以上、しっかりと、それぞれのワクチン接種の促進、それから、基本的な感染対策が大事だと考えています。
コロナワクチンについては、5回目のワクチン接種や、オミクロン株対応の2価ワクチンの接種会場についてもしっかりと準備しますし、これは市や町と連携しながらやっていきたいと思っています。
また、インフルエンザのワクチン接種については、これまでも一定の人については公費助成(定期接種)があると思いますが、我々世代も含めて、それぞれが判断しながら接種してきたということです。ここはいろいろな形で、インフルエンザの接種も呼びかけていくことが大事だと思っています。
特にここ数年はマスクの着用がすごく進んだので、インフルエンザの発症者数が激減しているということです。なおさら、だからこそ、これから社会経済活動やマスクの着脱が、どのようになって、緩和していくのかによって。インフルエンザはここ数年流行がなかったので、なおさら、このインフルエンザのリスクというものが一定高くなっている可能性があります。
そういった意味でもインフルエンザワクチンとの同時接種をできるだけ多くの県民、特に高齢者を含めたリスクの高い人に、協力をお願いしたいと思っています。
記者:
最近の感染者数を見ますと少し増加しているような印象を受けるのですが、知事から見て増加局面に入っているという認識を持っているのか、どのような考えなのか、教えてください。
知事:
ここ数日、今日もそうですが、対前週比で少しプラスになっています。これが第8波に向けた兆しなのか、増加局面かという判断をするには、もう少し、様子を見ることが大事ではないかと思っています。
記者:
増加の背景は、どのように分析なり、見ているのか、伺います。
知事:
季節的な問題やウイルスの活発化が、少し出てきているのか、いろいろな要因があると思います。今回も少し増えているのですが、これが小さな波なのか、そのあたりの注視も必要だと思っています。
社会経済活動もかなり戻り始めていますので、そういった中で人の流れがいろいろなところで増えていくことで、人の接触、食事をする機会も増えてきています。
そうするとどうしても、人の接触が増えていくと、感染する機会や人も増えてくるということはあるかと思っています。
記者:
インフルエンザの同時流行に関して。同時接種が重要ではないかと言われました。例えば、大規模接種会場でインフルエンザのワクチンも同時にするなど、そういう考えはありますか。
知事:
例えば、高齢者施設など、そういったところは医師が訪問したり、打ち手が訪問した際に、同時接種をするというやり方もあるのかもしれませんが。接種会場でインフルエンザワクチンを接種できるようにするかということは、少し慎重に見極めた方がよいのではないかと思っています。
今、コロナワクチンでもいろいろな種類がある中で、そこにインフルエンザワクチンを増やして、別のオペレーションを作ることが、打ち手も含めて対応可能なのかどうか。
インフルエンザのワクチン接種自体は、もうすでに地域のクリニックで、比較的容易に打てます。
私も毎年、インフルエンザになりやすいので、体質なのかは分からないのですが、何回もなっています。インフルエンザのワクチン接種は今年も必ずしなければならないと決めているのですが、まだ忙しくて行けていませんが。クリニックで、予約を取れば比較的容易に受けられますので。
そこは無理に県の接種会場などで用意をしなくてもよいのではないか、と考えています。
記者:
最近、神戸連続児童殺傷事件に関する公文書について、神戸の家庭裁判所で公文書の廃棄がされていることが明らかになりました。
家裁でも不適切だったという認識を持っているのですが、まず、この連続児童殺傷事件の公文書が廃棄されていたことに関する所見について、聞かせてください。
知事:
やはりこれは適切ではなかったと考えています。
この神戸連続児童殺傷事件は須磨で起こったものですが、私の地元とも比較的近いところであって、当時私は東京にいましたが、非常に大きな衝撃を受けました。これは本県のみならず、日本国中を震撼させた事件でした。未成年の少年の犯行だったということを含めて、教育の現場でも大きな影響を与えました。
そういった意味で、最高裁が、全国的に社会の耳目を集めた事件などについては、記録を永久的に保存することを通達している状況を踏まえれば、安易に廃棄したことは適切ではなかった。やはり永久保存すべき記録だったと考えています。
阪神・淡路大震災についてもそうなのですが、大きな災害や事件・事故については、それを風化させることなく、後世に何かしらの形で繋いでいくことが大事ではないかと思っています。
ここは本当に私としても大きな問題意識として持っていまして、今、県では犯罪被害者等の支援条例の制定に向けて委員会を設置して検討を進めています。検討委員会の委員長とも相談しながらになりますが、場合によっては検討委員会でしっかりと裁判所の文書の保存のあり方がどうあるべきかを、これは最終的には司法の問題ですが、検討委員会でもしっかりと議論していき、例えば、意見書の提出など、そういったことも議論していくことが大事ではないかと、これは検討委員会にも提案していきたいと思っています。
少し長くなりますが、犯罪被害を受けた当事者や家族にとっては、裁判の記録が安易に捨てられてしまうこと自体が、心理的に見ればまた新たな負担にもショックにもなります。そういった観点からも、こういった事件の記録を適切に管理していくことの重要性があります。これは今の設置している検討委員会の場でも、どうあるべきかを議論して、それを司法の場などにも、提言していきたいと思っています。
記者:
知事からは、適切ではなかったとのコメントがありましたが。
ただし、家庭裁判所では、今回、廃棄に至った経緯は調査しないとの考えも明らかにしています。そのことについて、何か所見があれば伺います。
知事:
廃棄した時期や、なぜ廃棄という判断をしたのか、それについては一定の検証が望ましいと思っています。それが今後の教訓や対策にも繋がってきますので。
最終的には司法である裁判所等の判断にはなりますが、一定の検証、それから、それがどういうプロセスだったかの情報公開はあるべきで、それが望ましいと考えています。
記者:
今回の件を受けて、知事として公文書というものについての認識、公文書の管理はどうあるべきかについて、伺います。
知事:
公文書は歴史的な検証をするものになったり、後世に繋いでいく大切なものです。我々がいろいろなことを学ぶ、そして伝えていくために、歴史もそうですが、公文書などそういったものがあって。
それを後世の歴史家やいろいろな人が見て、この時にはこういう取組を、こういう経緯でやっていたということを、学んだり、研究したり、そこから教訓を得たりすることができるものですので。適切に管理をしていくことが、公文書にとって大事だと思っています。
そういった意味で、兵庫県でも、県公館の県政資料館などにおいて、大切な資料については永久保存など管理の基準を作って、適切に行っています。
一方で、行政の世界でもやはり、先日、審議会メンバーの個人情報等のファイルを適切に管理できていなかった事案もあるなど。いろいろな膨大な資料がある中で、いろいろなミスが起こることもありますので、なお一層、そういったところはしっかりと、基準や管理計画の徹底を、これからもしていきたいと思っています。
記者:
マイナンバーカードと保険証、もう1点は普通交付税の算定にマイナンバーカードの普及率を使う検討を来年度中にするという話があります。
マイナンバーカードと保険証の連動に関して、医師会から一部懸念する声も出ていますが、知事の受け止めをお願いします。
知事:
マイナンバーカードを保険証にすることは基本的に賛成です。これからの時代は、行政や医療機関も含めて、できるだけ効率化をしていくことが大事です。
今、いろいろな医療機関へ皆さん行くかと思いますが、毎回いろいろな(書類に)住所を書くなど、そういったことを紙ベースでしています。私は今、完全ペーパーレス化を1週間ぐらい続けていますが、すごく便利で、ペーパーがすごく減ったことを実感しています。ある程度経てば、(結果を)お知らせします。かなりの紙の量と、それを印刷する、整理するという手続きがかなり減っています。
そういった意味でも、マイナンバーカードをいろいろな形で社会の利便性の向上に繋げていくことは大切です。基本的な方向性としては賛成です。課題としては市町における交付率、兵庫県は比較的高い方です。それでも5割少しなので、それをさらに進めていきます。
もう1点、個人情報が一定入っているものなので、それをいろいろなところで使うことに対する不安を持っている人も少なからずいます。そういった不安払拭について、国もですが、我々自治体も、しっかりとPR、周知をしていくことが大事です。
それから、交付税への反映ですが、これは国も、コロナ禍でかなり行政のデジタル化を進めることが大事だということ、ある意味の反省と、これからの課題として持っている中で、やはり、マイナンバーカードを交付していくことが喫緊の課題だということだと思います。
兵庫県が比較的進んでいるとはいえ、(国が)5割程度なので、それをさらに加速化していくという意味で、各種交付金の要件に入れることを検討していると聞いており、一定の理解はしますが、過度にしすぎると。
自治体も一生懸命に取り組んで、その中で、より国も含めて我々もそうですが、マイナンバーカードを持つことによるメリットというものを、国全体としてもしっかりとPRして、それだったら安心して取得しようなど、そういった気運の醸成を、より国がしていくことも大切です。
記者:
今までの保険証を廃止することになると、高齢者で、まだ、マイナンバーカードを持っていない人に対して、不安の声や、あるいは市町からもそういう高齢者を放ったらかし、保険証を廃止してよいものか、という声もありますが、高齢者へのフォローに関してはどうですか。
知事:
経過措置というものは、一定大事だと思います。マイナンバーカードに急に切り換えて、もうそれ以外の手段はなしということが、よいものか。そこは、しっかりと議論をして、経過措置も含めて検討してもらえればと思います。
今、スマートフォンを含めて、高齢者もかなり持っていますので、デジタルなど、そういう物に対する取り組みは、これまでよりはかなりしやすくなっているかと思います。
取り残される人がいないように、いろいろな経過措置も含めて、制度を作っていくことも大事です。マイナンバーカードが取りやすい、そんな環境づくりも、これから国や自治体と連携していくことが大切です。
記者:
普通交付税の算定にマイナンバーカードの普及率を反映させることを検討することについて。そもそもマイナンバーカードの普及は、国の事業であり、市町は協力する立場ですが、そういう意味では普通交付税の算定に関して、マイナンバーカードの普及率を反映させることに不満を示す自治体もあります。その点に関してはどうですか。
知事:
普通交付税自体は、基本的にそれぞれの行政が提供する標準的なサービスの最低限のベースを、国が交付税という全国共通の財源を使って、一定水準ができるようにしよう、ということなので、そこがベースです。
その中でいわゆるインセンティブ的な枠組みを入れるということですが、これまでも交付税の中では頑張る地方に対する支援など、そういった少しインセンティブ的な政策誘導的なものは今までもしていました。その流れでするのか、という感じはします。
自治体それぞれ頑張っているので、普及率が少し低いからといって、交付税を減らしますよという形で、過度にすることにはならないようにした方がよいです。
記者:
ペナルティー的なものにするのは、あまり好ましくないという考えですか。
知事:
あまりペナルティー的になってしまうと、本来の交付税の趣旨から外れてきますし、各自治体、県内の41市町も普及させなければならないということで頑張っています。
その中で、例えば、多自然地域のマンパワーの少ない町や村は、どうしても、なかなか頑張っても難しい面もあります。そこはあまりペナルティー的にしすぎると、別の問題が出てくることもあります。バランスよくしていくことが大切です。
記者:
来月、全国海づくり大会で天皇陛下が本県へお越しになるという発表がありました。受け入れる側として、現地としてのコメントがあれば。また、大会への意気込みなどがあれば、コメントをお願いします。
知事:
「第41回全国豊かな海づくり大会」に関して、天皇皇后両陛下が兵庫県へ行幸啓されるということで、大変うれしく思っています。
本県にとっては、令和になって初の兵庫県への行幸啓ということであり、ここ数年は新型コロナウイルスの影響により、地方にお出ましいただくという機会が減っていたということですので。
今回の兵庫県への行幸啓は、大会関係者はもとより、県民にとっても大きな喜びになると考えています。来月の大会の準備をしっかりと行いながら、ご来県を心よりお待ちしています。
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