出会う前に終わる選考 ーー生成AIに相談する就活生ほど、“応募をやめて”いた(最大5.1倍)。就職活動における生成AI活用実態調査

掲載日: 2026年07月29日 /提供:Strobolights

ー生成AIが新卒採用にもたらす「見えない離脱」。企業が学生と接点を持つ前に、採用母集団はすでに絞り込まれている




株式会社Strobolights(東京都町田市、代表取締役:羽田啓一郎)は、27卒・28卒の大学生67名を対象に「就職活動における生成AI活用実態調査」を実施しました。本調査で明らかになったのは、生成AIが情報収集を助けるだけでなく、企業と学生が「出会う前」の段階で選考を実質的に終わらせているという「見えない離脱」の実態です。AIに進路相談する頻度が高い学生ほど、企業研究の結果として応募を取りやめる割合が高く、その差は最大5.1倍。企業が学生と接点を持つ前に、母集団はすでに絞り込まれている可能性が浮かび上がりました。

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調査サマリー

本調査で最も際立ったのは、生成AIの利用率の高さそのものではなく、「出会う前に終わる選考」とも言うべき、AIによる見えない離脱の実態でした。AIで企業について調べた結果、応募を取りやめた経験がある学生は43.3%。さらに、AIへの進路相談頻度が高い学生ほどその割合は高く、最大で5.1倍の差が見られました。企業がまだ一度も接触していない段階で、母集団形成の成否はすでに決まっているーーそう言い換えられる状況です。生成AI自体の利用率は97.0%に達し、その多くが「頻繁に利用している」(74.6%)と回答するなど、AIはすでに就職活動の標準インフラです。しかしその用途はES添削や情報収集にとどまらず、自己分析や企業との相性診断、進路選択の相談といった、従来キャリアセンターや先輩・家族が担ってきた領域にまで広がっています。

主な調査結果

(1)出会う前に終わる選考 ー生成AIがもたらす「見えない離脱」

図1:AIによる企業研究の結果、応募を取りやめた経験(n=67)

AIで企業について調べた結果、その企業への応募をやめた経験がある学生は43.3%にのぼりました。しかもこの割合は一様ではなく、AIへの進路相談頻度が高い学生ほど顕著に高くなる傾向が確認されています。一方で、AIの利用によって応募する企業の幅が「広がった」学生も46.3%存在し、AIは母集団を広げる方向にも、絞り込む方向にも作用する“フィルター”として機能していることがわかります。企業がまだ一度も学生と接触していない段階で、AIの回答一つが選考の合否に近い意味を持ち始めているーーこれが本調査の核心的な発見です。
ここから読み取れること
自社に関する情報がAIにどう要約されているかが、母集団に「乗るか、乗らないか」の分岐点になっています。詳細版レポートでは、AI依存度別のセグメント比較と、応募をやめた具体的な理由の内訳をご覧いただけます。


(2)なぜ「見えない離脱」が起きるのか ーAIの「相談相手」化

図2:生成AIへの進路・企業相性の相談経験(n=67)

(1)の背景にあるのが、AIが単なる検索ツールではなく「相談相手」として使われている実態です。「生成AIに、企業との相性や進路選択について相談したことがあるか」という問いに対し、79.1%が何らかの相談経験があると回答しました。相談する理由としては「24時間いつでも使えるから」(34.3%)に次いで「人に聞きにくいことを気軽に聞けるから」(25.4%)が挙げられ、合計59.7%が人間関係の代替となりうる心理的な動機を選んでいます。学生はAIの回答を検索結果の一つとしてではなく、信頼する相談相手からの助言として受け止めており、これが「AIに合わないと言われた企業には応募しない」という(1)の行動に直結していると考えられます。
就職活動でAIに実際に入力した質問や指示を教えてください(Q22)に対する実際の回答を一部抜粋
「今まで私の考えや経験を教えてきた(学習させてきた)と思うけど、私のどんな経験がこの企業に合うと思う?またどんな表現方法にすれば良い?」
「私に向いている仕事を教えて」
「今までの記録で、私の強みを教えて」
「過去のやり取りから向いている業界を絞って」
「私の性格は〇〇で、〇〇にやりがいを感じるタイプだが、そんな私に合う業種、業界は?」
「私でも入れる会社は?」


その他の注目データ

- 生成AIの利用経験率は97.0%(うち74.6%が「頻繁に利用」)。就職活動における標準インフラに。
- 「AI活用格差(有利・不利)がある」と感じている学生は88.1%。
- AIの回答を「信頼している」56.7%の一方、「誤情報を疑った経験がある」59.7% ー信頼と不安が同居。
- 企業がAIで選考・評価することには71.6%が「効率的だが不安」または「人間が判断すべき」と回答。


生成AI時代の新卒採用で『見えない離脱』を防ぐために。

1. 「AIにどう見られているか」が母集団形成を左右する
自社の強み・差別化ポイントが、AIが参照できる形(採用サイト、社員インタビュー、一次情報)で十分に発信されているかどうかが、比較検討の土台に乗るかどうかを左右します。43.3%の学生がAI検索の結果、応募を取りやめている実態を踏まえると、AI経由でネガティブな印象や情報不足が伝わることが、機会損失に直結するリスクとなります。
2. 学生はAIを「相談相手」として使い始めている ー人的接点の価値の再定義
進路相談の79.1%がすでにAIに向かっている中、大学キャリアセンターや社会人(OB・OG含む)といった人的接点が提供できる価値は、AIでは代替できない「個別具体の実体験」「一次情報としての説得力」にシフトしていくと考えられます。座談会や社員との対話機会は、AIの提案を「裏付け・検証する場」として設計し直すことで、より効果を発揮すると言えます。

調査レポート全文

本リリースでご紹介した内容に加え、以下の内容を「詳細版レポート」としてまとめています。
核心データ1. AI依存度が高いほど「見えない離脱」が急増する
核心データ2. 応募をやめた最大要因は「社風ミスマッチ」
核心データ3. 単なる「文章ツール」ではない、24時間の相談相手
核心データ4. 最も信頼する相談相手:AIは採用担当者の2倍以上
核心データ5. 就活が進むほど、AI依存は深まる可能性
採用担当者への4つの打ち手

?? 詳細版レポートはこちらからダウンロードいただけます。

代表コメント(株式会社Strobolights 羽田啓一郎)

今回の調査で、就活生のほぼ全員が何らかの形でAIを活用している実態に加え、就活の進め方やキャリア選択そのものに大きな影響を与えていることが分かりました。従来のナビサイトの代わりに検索エンジンのようにAIを使う学生もいれば、志望企業の分析や自己分析をAIと一緒に行い、自分に合うかどうかをAIに相談する学生もいます。
AIが自社をどう紹介するかは、企業側で完全にコントロールすることはできません。だからこそ、説明会など直接学生に伝えられる機会での情報発信の重要性が、今後ますます高まっていきます。曖昧でわかりにくい発信ではなく、学生にとって自社がどのような魅力を持つ会社なのかを改めて言語化する必要があるのではないでしょうか。

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■代表略歴
2003年、立命館大学を卒業後、株式会社毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)に入社。大手企業の新卒採用営業に従事し、全社年間MVPを受賞。2013年から学生向けキャリア教育新規事業担当となり、MY FUTURE CAMPUSやキャリア甲子園、キャリアインカレ、課題解決プロジェクトなどを立ち上げる。経済産業省の政策提言委員や同志社女子大学の嘱託講師などを経験した後、2020年に独立し、株式会社Strobolightsを創業。
現在、立命館大学産業社会学部客員教授。武蔵野大学非常勤講師。

調査概要

※本調査は67名の回答に基づく参考値であり、就活生全体の傾向を統計的に保証するものではありません。

本件に関するお問い合わせ

株式会社Strobolights 
取材・本調査に関するお問い合わせ:広報担当(info@strobolights.net)
新卒採用担当者様からのご相談・お問い合わせ:こちらの窓口よりご連絡ください。
本リリースを転載・引用される際は、当社クレジット:就職活動における生成AI活用実態調査(2026年7月)|株式会社Strobolights をご明記ください。

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