オルガノイドファームが細胞性食品の商用生産に向けて前進

掲載日: 2026年04月17日 /提供:日揮ホールディングス

中規模スケールでの牛の筋肉細胞培養に成功し、細胞性食品生産のスケールアップおよびコスト低減の技術基盤を確立

日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長兼社長CEO:佐藤 雅之、以下「日揮HD」)のグループ会社である株式会社オルガノイドファーム(代表取締役:山木 多恵子、以下「オルガノイドファーム」)は、このたび中規模スケール(200リットル)での細胞性食品(通称:培養肉)の培養実証試験を実施し、牛の筋肉細胞の培養から回収に至る一連の工程を完遂したことをお知らせします。200リットルの培養槽を用いた細胞性食品の実証実験は国内最大級規模であり、研究室での数リットルレベルから大きく前進し、商用生産に向けた培養プロセスデータを取得するとともに、スケールアップおよびコスト低減の技術基盤を確立しました。


細胞性食品の商品化に至るまでの道のり。今回はラボスケールから200Lの中規模スケールへのスケールアップに成功

現代の社会課題として、世界的な人口増加に伴う食肉需要の増加および2050年のカーボンニュートラル実現のため、よりサステナブルな食肉生産方法の開発が求められています。今後訪れる食肉需要の増加に対して、細胞性食品業界ではスケールアップとコスト低減を兼ね備えた細胞培養プロセスの社会実装が喫緊の課題となっています。

本実証試験では、日揮HDの技術研究所(茨城県大洗町)が保有する動物細胞培養槽と、培養が難しいとされる牛の筋肉細胞株を使い、細胞培養の足場材※を使用しない浮遊培養プロセスを採用しました。2026年1月~2月に清浄な環境を維持しながら培養を行い、初回実施で増殖した牛の筋肉細胞の取得に成功しました。今回の細胞株はオルガノイドファームが開発し特許を取得しており、一般の牛の筋肉細胞と異なり、細胞分裂が途中で止まることなく増殖を続ける特徴を有し、将来的な生産量の増加に寄与するものと考えています。さらに、足場材を使用しないことで原材料費および回収工程の簡素化によるコスト削減が期待できるほか、培養環境の簡素化により均一な攪拌を実現し、細胞増殖に適した安定培養が可能となり、装置の洗浄や滅菌などの運用面の効率化にも寄与します。
※ 細胞培養における足場材とは、細胞が付着・増殖するために用いられる支持体(材料)を指します。微粒子やゲル状材料などがあり、細胞の増殖を支える一方、準備・回収工程の複雑化やコスト増の要因となる場合があります。


オルガノイドファームは、これまでの研究開発により、今回実証した足場材を使用しない浮遊培養法によるスケールアップ技術や、特許を取得した先端バイオ技術で改良した牛の筋肉細胞株を保有しています。これらの技術・資産と、日揮グループが有する動物細胞培養槽のスケールアップ技術および医薬品・再生医療分野で培われたエンジニアリングノウハウを活用し、細胞性食品等の産業化の実現に取り組んできました。


今後、日揮グループは培養効率化の検証を進め、確立した技術を基に細胞性食品の実用化に向けた実証の場の構築も視野に入れ、戦略的パートナーとの協業機会を模索していきます。2028年には、商用生産に向けたスケールアップ実証試験と試作品開発を加速するための新拠点を開設する予定です。


<オルガノイドファームについて>


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