■「FOOD MADE GOOD 未来のレシピコンテスト2025」について
本アワードは、世界最大級のサステナブル認証プログラムを展開し、食のアカデミー賞と称される「世界のベストレストラン50」でサステナブル・レストラン賞の評価も行うSustainable Restaurant Association(SRA)の日本パートナーである SRA Japanが開催する、国内最大級のサステナブル・ガストロノミーアワードです。若手料理人と企業が「持続可能な食のあり方」をテーマに作品を競い合い、著名シェフによる審査が行われます。
一之瀬愛衣は、「最優秀賞」に加え、生江史伸シェフ、杉浦仁志シェフ、岩瀬正和シェフ、田中佑樹シェフによる4つの「審査員特別賞」を受賞(全8部門中5部門)する快挙を成し遂げ、会場でも大きな注目を集めました。
https://foodmadegood.jp/gennext2025-vol5-winners/


【写真】公式ホームページより
■受賞作品「厚揚げと発酵のミルフィーユ」について
受賞作品「厚揚げと発酵のミルフィーユ - 歴史と自然の循環。そして芽吹」は、肉が乏しかった時代の日本で育まれた豆文化に着目し、厚揚げを“未来のベターミート”として再解釈した一皿です。
牛肉1kgの生産で約27kgのCO2が排出されるのに対し、厚揚げは約2kgと90%以上の削減が可能。厚揚げにきのこのデュクセルを挟み湯葉で包むことで精進料理の「見立て」を現代的に再構築しました。野菜の皮・葉・きのこの軸まで余すことなく使い切り、発酵の力で旨味を引き出しソースへと昇華。黒にんにくを加えることで酸味・甘味・旨味が調和し、植物性ながら肉料理に匹敵する満足感を実現しています。副産物のおからは乾燥パウダー化して再利用し、完全廃棄ゼロを達成しました。

【写真】公式ホームページより
■審査員のコメント(抜粋)
・生江 史伸 氏(レフェルヴェソンス)
「歴史からの食文化の流れを汲みながら、現代の環境問題を科学の示す情報に基づいた考えを表すことができたことは、今回の10人のなかで一つレベルが上であると感じました。」
・岩澤 正和 氏(PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO)
「里山の生態系を食で表現した完成度の高い作品。自然共生の思想を美しく具現化しています。一皿全体が“循環”を語っていて、素材・技法・哲学が高度に統合された、未来の郷土料理として称賛に値します。」
・田中 佑樹 氏(伊勢すえよし)
「歴史と自然循環の物語がまっすぐで、厚揚げを主役に据える視点とCO2比較のデータ提示に強い説得力を感じました。“選ばれる旨さ”として機能しており、食べたいと思わせる魅力があります。」
・杉浦 仁志 氏(日本サステイナブル・レストラン協会)
「社会意義のある、料理をつくる意識が若い世代から拡張されること、とても素晴らしく。このような料理人が更なる活躍をされる事を切に願っております。」
■一之瀬愛衣のコメント
「歴史から学び、自然とともに未来の食をつくるという想いで一皿に向き合いました。サステナビリティを“特別なこと”ではなく“美味しさの一部”として届けられるよう、これからも挑戦を続けていきたいと思います。」
今回の受賞を機に、「旅するガストロノミー SOLUNA」は、国内外でのポップアップイベント、発酵・自然循環型の料理開発、地域食材との協働をさらに推進してまいります。

■一之瀬愛衣について
辻調グループ・エコール辻大阪を卒業後、星付きレストランで6年間研鑽を積み独立。「旅するガストロノミー SOLUNA」を日本各地および海外で開催し、食と自然・文化をつなぐ体験型ガストロノミーを展開しています。
2025年9月には、400年の歴史を誇るフランスの名門シャンパーニュ・メゾン〈アンリ・ジロー〉で、同メゾン史上初となる招待シェフとしてコラボレーションディナーを開催。さらに2025年秋からは、船上レストラン「カタマランヨット SOLUNA」も始動。
Chef1グランプリ全国ベスト8、RED U-35 ブロンズ受賞、サンペレグリノ若手シェフ国際コンクール2024 日本代表など、多方面で評価されています。
■株式会社SOLUNAについて
SOLUNAは、ラテン語で“太陽”を意味する「SOL」と、“月”を意味する「LUNA」を組み合わせた造語です。
太陽と月のリズムに寄り添い育まれた自然の恵みに心を込めて手を加え、物語を紡ぐ料理として人々に届けたい──その想いから名付けました。
SOLUNAの活動は、フランス料理に和の要素を織り交ぜる独自の表現力をもつシェフ・一之瀬愛衣が生み出す料理を核として展開されます。海、森、畑などのフィールドとつながりながら、独自の食体験を国内外へ発信しています。









