
左:生活協同組合コープ自然派兵庫 横川 誠也 専務理事 中:株式会社泉平 泉 周作 社長 右:一般社団法人有機加工食品コンソーシアム 佐伯 昌昭 代表理事
■なぜ今、オーガニック給食が必要なのか?有機農産物導入率は前年44%増で過去最高(2023年度統計)
現在、全国的にオーガニック給食推進の動きが加速しています。2023年度の統計データでは全国約1,740の市区町村のうち278市区町村が有機農産物を導入、これは前年44%の増加率で過去最高となりました。また、兵庫県においても、全国最多の9市町(豊岡市、丹波篠山市、養父市、丹波市、淡路市、神戸市、朝来市、加東市、上郡町)が「オーガニックビレッジ」宣言を行うとともに、明石市や尼崎市など、都市部の学校給食でもオーガニック給食導入の取り組みが加速しています。オーガニック給食が推進される理由としては、1.環境負荷の削減とこどもたちの健康増進、2.環境や農業、食のあり方を学ぶ食体験、3.地域農業の再生・活性化、4.「みどりの食料システム」や「オーガニックビレッジ」などの国家戦略や地域政策との連動、5.保護者や地域住民の意識変化、などが挙げられます。
私たちは、こどもたちの心身の健全な発達を社会全体で育み、さらに持続的な未来の地球環境、食を守ることの関心を高め、実践する手段の一つとして、学校給食で国産オーガニック食材を導入することが課題解決の一つになると考えています。令和4年に施工された、環境にやさしく持続可能な農業・食料システムを実現するための「みどりの食料システム法」とも連携し、学校給食でのオーガニック野菜や食材に対する予算確保・調達・流通が進むことで、国内の有機農業活性化が実現できます。それは、国内の食料自給率向上、農家の生活、地球環境と食を守ることにつながると考えています。
■オーガニック給食事業部会の協働実施に関わる協定書を締結
西日本を中心に学校給食の食材提案から仕入・納入までを一貫して行う「株式会社 泉平」が提案から流通を担い、国産有機加工食品の生産と市場展開プラットフォームである「一般社団法人 日本有機加工食品コンソーシアム」が原料と食材の調達を担います。双方が産地情報と学校給食のニーズを共有し、国産オーガニック加工食材の開発を進めます。そして、オーガニック給食導入を求める消費者活動や地域連携による食育を「生活協同組合コープ自然派兵庫」が担うことで、国産オーガニック給食の実現に向け協業します。
■財源確保・食材調達・流通などの課題と解決手段
1.行政との連携及び、需要開拓、食育発信
価格の高い国産オーガニック食材の導入には、確固たる目的と財源が必要と考えます。自給率向上や環境保全を、こどもの食育につなげるという目的を共有しながら、オーガニックの取組みを推進したい自治体との連携や、消費者への啓発活動、有機農業の担い手育成と
産地開発にも取り組みます。生産者、消費者、そして行政との地域連携と食育活動を共創します。
2.国産オーガニック食材の原料調達と加工食品の開発
農作物の収量は天候に大きく左右されるほか、さらに有機栽培となると生産者がまだまだ少なく、有機農産物はオーガニック給食を導入する場合に確保しづらいというハードルがあります。私たちは、国産オーガニックの青果原料、さらにそれを学校給食で使いやすいように加工した食品の開発を推進します。
3.行政のニーズに応える国産オーガニック食材提案
厳格な品質基準や、複雑な納品ルールがある学校給食への食材供給は、流通インフラの整備が欠かせません。また、自治体によって異なる献立作成や食材調達ルールを理解し、かつそのニーズに応えるノウハウが必要です。私たちは、各自治体のニーズを原料調達と商品開発でコーディネートし、安全確実な物流で供給します。

■まずは、給食向け国産有機冷凍野菜の取り扱いに着手カット・バラ凍結済で、時と場所を選ばず大量調理が可能。
左:国産有機冷凍ほうれん草カット
右:国産有機冷凍にんじんダイスカット
■協定の目的
各々が各々のフィールドで活動するだけでは、国産オーガニック給食を拡げることは困難です。それぞれの分野で培ったノウハウ、インフラ、地域とのつながりを持った組織が協業することで、実現の可能性が高まります。より環境に配慮した食べものを公共調達することで、地球環境の保全と生産者支援につながります。持続的で環境にやさしい地域社会の実現に、私たちは貢献したいと思います。
■各組織概要

株式会社 泉平
・所在地 : 兵庫県姫路市白浜町甲841‐47
・電話 : 079-245-7098(学校給食事業部)
・公式サイト : https://www.izuhei.co.jp

一般社団法人 日本有機加工食品コンソーシアム
・所在地 : 兵庫県神戸市西区見津が丘3-8‐5 (株)コープ有機内
・電話 : 078-995-7681(本部)
・公式サイト : https://www.jopf.jp/

生活協同組合 コープ自然派兵庫
・所在地 : 兵庫県神戸市西区見津が丘4-10‐5
・電話 : 078-998-1671(本部)
・公式サイト : https://www.hyogo.shizenha.net/
【本件に関する広報窓口】
●株式会社 泉平/電話:079-245-7098 (学校給食事業部)/担当:角石
●一般社団法人 日本有機加工食品コンソーシアム/電話:078-995-7681 (本部)/担当:日高
●生活協同組合 コープ自然派兵庫/電話:078-998-1671 (本部)/担当:大西