1粒1000円いちごの特産品開発で、スタートアップと宮崎県の企業が新規事業を創出。AIロボット×LEDで次世代いちご栽培へ実証実験を開始。持続可能な農業に貢献…

掲載日: 2025年05月15日 /提供:AGRIST

「1粒1,000円」高級ブランドいちご開発、ふるさと納税や国内外の高級ホテルへの販路開拓も視野に。みどりの食料システム戦略で農業の生産性と持続性を向上


AIロボット× LEDで次世代いちご栽培を目指す「「Miyazaki ICHIGO "M"」

テクノロジーで農業課題解決を目指すAGRIST株式会社(本社:宮崎県新富町、代表取締役CTO:秦 裕貴、以下 AGRIST)は、LED照明器具や制御盤、防災・減災用蓄電池などの製造を手掛ける株式会社共立電照(本社:宮崎県宮崎市、代表取締役社長:米良 充朝、以下 共立電照)と連携し、同社の植物工場施設および最先端LED照明技術を活用した、AI搭載自動収穫ロボットによるいちご栽培の実証実験を開始したことをお知らせします。本取り組みは、労働力不足や気候変動といった農業界の課題解決に貢献し、高品質ないちごの安定供給と持続可能な農業モデルの確立を目指すものです。

概要

AGRISTは、AIを活用した自動収穫ロボットによりスマート農業を推進するスタートアップ企業です。一方、共立電照は、省エネルギーで環境負荷の少ないLED照明技術や環境制御技術で脱炭素化社会への貢献を目指す企業です。この度の連携では、両社の強みを融合させ、以下の実証実験を行います。

- データ駆動型栽培の基盤構築宮崎県内の協力いちご農家圃場にAGRIST社製のIoTセンサー群を設置。これにより、温度、湿度、CO2濃度、日射量などの詳細な生育環境データをリアルタイムで収集・分析し、最適な栽培条件の特定を目指します。また植物工場での苗の育成を開始。2025年12月成果報告を目指して、本年度のテストマーケティングを開始。

- 植物工場におけるAIロボット×LED栽培共立電照が保有する植物工場の一部区画を利用し、同社の高効率・波長制御可能なLED照明と環境制御システムの下で、AGRISTのAI自動収穫ロボットを稼働させたいちご栽培試験に着手します。天候に左右されず、年間を通じて計画的かつ効率的に高品質ないちごを生産する技術の確立を目指します。

- プレミアムブランド開発と市場開拓本実証を通じて生産される高品質ないちごを用いて、1粒1,000円クラスの最高級ブランド「Miyazaki ICHIGO "M"」を開発。ふるさと納税の返礼品としての展開や、宮崎県内および東京都心部の高級ホテル、百貨店などへの販路開拓に向けたテストマーケティングを実施します。

- 露地栽培の革新と観光連携露地栽培においても、作業負担を軽減し、収穫効率を高める高設栽培(高床式)を導入。将来的には、観光客がいちご狩りを楽しめる観光農園としての活用も視野に入れ、地域活性化にも貢献します。


AGRIST株式会社について
AGRISTは、「100年先も続く持続可能な農業を実現する」をビジョンに掲げ、テクノロジーで農業課題を解決するスタートアップ企業です。AIを搭載した自動収穫ロボットを開発・提供し、人手不足に悩む農家の収益性向上を支援しています。農業が盛んな宮崎県新富町(国の地方創生優良事例選出)に拠点を置き、これまでに農林水産大臣賞を含む国内外で20以上の賞を受賞。スマート農業ソリューションを全国へ展開しています。

株式会社共立電照について
株式会社共立電照は、LED照明器具、配・制御盤、防災・減災用蓄電池システムなどの開発・製造・販売を行う企業です。特に農業分野においては、植物育成用LED照明や環境制御システムの開発に注力し、省エネルギーで環境にやさしい製品を通じて、施設園芸の生産性向上、脱炭素化社会の実現、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献しています。


808MERA植物育成工場植物栽培システム一式宮崎県宮崎市

808MERA植物育成工場植物栽培システム一式宮崎県宮崎市

本リリースのポイント




- AGRISTと共立電照が連携し、AIロボットとLEDを活用した次世代いちご植物工場の実証実験を開始。
- 共立電照の植物工場施設・LED技術とAGRISTのAIロボット・IoTデータ収集・栽培ノウハウを融合。
- 天候に左右されない高品質いちごの周年安定供給、栽培の省力化、持続可能な農業モデル構築を目指す。
- 「1粒1,000円」の高級いちごブランド「Miyazaki ICHIGO "M"」を開発し、ふるさと納税返礼品や高級ホテル等でテスト販売。
- 初年度は露地(高設)栽培でのデータ収集とテスト販売、2年目にLED活用本格化、3年目に他地域展開を計画。
- 将来的には栽培パッケージの海外輸出、コンテナ型植物工場でのグローバル展開も視野に開発。


背景:深刻な担い手不足など農業の負のサイクルに歯止めをかける
日本の農業は、深刻な担い手不足、就農者の高齢化、そして気候変動による生産量の不安定化という、複合的な課題に直面しています。特に、高品質な果物として人気の高いいちごにおいては、繊細な栽培管理と収穫作業に多くの人手と熟練の技が必要とされ、これらの課題がより顕著になっています。AGRISTは、AIロボット技術によって収穫作業の自動化・省力化を実現し、これらの課題解決に貢献してきました。

一方、共立電照は、長年にわたり培ってきた電気設備技術を基盤に、近年では高効率な植物育成用LED照明や環境制御システムを開発し、施設園芸における生産性向上と環境負荷低減に貢献しています。

両社は、それぞれの技術と知見を持ち寄ることで、より高度な栽培管理と効率化を実現できると考えました。すなわち、AGRISTのAIロボットとIoTによる精密な生育データ分析・管理、そして共立電照のLED照明と植物工場環境制御技術を組み合わせることで、天候リスクを回避し、年間を通じて高品質ないちごを安定的に生産できる、革新的な栽培システムの構築が可能になると判断。この次世代型農業モデルの実証実験を開始するに至りました。

これは、単なる技術実証に留まらず、プレミアムないちごブランドの開発と新たな市場開拓、さらには将来的にはシステム全体のパッケージ輸出までを見据えた、戦略的な取り組みです。

代表取締役 秦 裕貴(AGRIST株式会社)のメッセージ



日本の農業が抱える課題解決には、異分野の技術や知見を結集することが不可欠です。省エネ・環境技術、そして植物工場に関する深い知見を持つ共立電照様との連携は、我々が目指す『100年先も続く持続可能な農業』の実現に向けた大きな一歩です。AIロボットと最先端の施設園芸技術を融合させることで、収量・品質の向上はもちろん、働く人の負担を軽減し、経験の浅い方でも参入しやすい新しい農業モデルを構築できると確信しています。宮崎という農業が盛んな地から発信するこの取り組みが、日本の、そして世界の食料安定供給と農業の持続可能性向上の一助となることを強く期待しています。




代表取締役 米良 充朝氏(株式会社共立電照)のメッセージ



この度のAGRIST様との画期的な実証実験に、当社の持つLED照明技術と環境制御ノウハウで貢献できることを大変嬉しく思います。農業分野における人手不足や生産性向上は、地域経済にとっても重要な課題です。AGRIST様の先進的なAIロボット技術と、当社の省エネルギーで高効率な光環境制御技術を組み合わせることで、持続可能で収益性の高い、次世代の施設園芸モデルを宮崎から発信できると期待しています。この取り組みを通じて、環境負荷低減(脱炭素化)に貢献するとともに、日本の農業、ひいては世界の食料生産に新たな可能性を提示してまいります。



今後の展望
本実証実験は3年間を計画しており、段階的に技術の確立と事業性の検証を進めます。
- 1年目(2025年度): 露地(高設)栽培での詳細なデータ収集と分析、プレミアムいちご「Miyazaki ICHIGO "M"」の生産開始とテストマーケティング(ふるさと納税、高級ホテル等)。植物工場での基礎的な栽培試験開始。

- 2年目(2026年度): 植物工場におけるLED照明・環境制御の最適化、AIロボットによる収穫・管理の本格運用とデータ蓄積。生産効率と品質の向上を図る。

- 3年目(2027年度): 実証結果に基づき、栽培システム全体のパッケージ化を推進。宮崎県外の他地域への横展開を開始。将来的には、本実証で確立した栽培技術・ノウハウとAIロボット、LED、環境制御システムを統合したパッケージソリューションを開発し、労働力不足が深刻化する東南アジアをはじめとする海外市場への輸出や、都市部などにも設置が容易なコンテナ型植物工場システムとしてのグローバル展開を目指してまいります。


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