食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社の投資子会社Future Food Fund株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:松本浩平、以下 Future Food Fund)が運営するフードイノベーション領域に特化したCVCファンド「Future Food Fund 2号」(※1)は、高吸水性ポリマーを製造・販売するEF Polymer 株式会社(本社:沖縄県国頭郡恩納村、代表取締役 Founder/CEO:ナラヤン・ラル・ガルジャール、以下 EF Polymer)へ、2025年3月に新規投資を実行いたしました。
本件は、Future Food Fundにおける第37号投資案件であり、今後も食の領域でチャレンジするスタートアップ企業に、更なる投資を行ってまいります。

■農業における水資源利用の課題
水資源について、近い将来世界的な水不足が懸念されており、農業においても水資源の不足がこれから大きな課題となると考えられています。日本では、まだ水資源の課題は顕在化しておりませんが、世界的に見ると過去50年で水の使用量は2.9倍になっており、そのうちの6割が農業用水と言われています。
※1 参照元:https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/zu/h22/html/hj10010401.html
■EF Polymerの事業と投資背景について
EF Polymerは高吸水性ポリマーの製造・販売を事業としています。(高吸水性ポリマーは自重の何倍ものの水を吸収でき、土壌の保水・保肥力を高め、農作物の収穫量アップや水・肥料の使用量削減が期待できるものです)製品特徴としては、農業廃棄物(バナナやオレンジの皮など)をアップサイクルした自然由来の高吸水性ポリマーを開発しています。
EF Polymerの高吸収ポリマーは自重の約50倍の水を吸収し、降雨量の少ない地域や、気候変動により干ばつが増加すると予想される地域の農業を持続させるのためのソリューションとして期待されています。すでに日本、インド、アメリカ、フランスでは販売が開始され、その他に約20ヶ国で実証実験や商談も進行しています。化学由来の製品と異なり、約1年で完全に生分解されるため、環境への影響も考慮されています。環境負荷を軽減しながら、天候や気候変動などの影響に左右されず、農作物の収量と収益改善をの実現が可能となるため、今後、グローバルで持続可能な食の実現への期待感が投資背景の一つとなっています。
創業者のナラヤン氏は、インド・ラージャスターン州の人口約300人という小さな農村に生まれ育ちました。乾燥地域にある村の土壌は決して作物が育ちやすい環境ではなく、農業を営む両親のもとで幼い頃からその苦労を目の当たりにしてきました。
「いつか水不足に悩む両親や村の仲間を助けたい」そんな想いから、沖縄科学技術大学院大学(OIST)が運営する「OIST Innovation Accelerator」 プログラムに参加する為に来日し、事業をスタートしました。
Future Food Fundとしては今後EF Polymerの国内外での事業展開をサポートしていく予定です。

※引用元:EF Polymer (https://efpolymer.jp/product)
【EF Polymer 株式会社について】本社:沖縄県国頭郡恩納村
代表者: 代表取締役 Founder/CEO ナラヤン・ラル・ガルジャール
会社HP:https://efpolymer.jp/
事業内容:オレンジの皮などの残渣をアップサイクルした、100%オーガニックの超吸水性ポリマー(SAP)を開発し、主に農業資材として販売。

代表取締役 Founder/CEO ナラヤン・ラル・ガルジャール氏 コメント EF Polymerの使命は、水に関する課題を解決し、農家の暮らしをより良くすることです。また、当社の技術を幅広い業界に展開することで、持続可能な社会の実現にも貢献できると確信しています。今回のシリーズB資金調達は、グローバルな事業展開や研究開発の強化をさらに加速させ、循環型かつ持続可能なモデルの実現に向けた大きな一歩となります。本ラウンドにご参加いただき、感謝申し上げます。今後も当社のビジョンに共感してくださる皆様と共に、さらなる社会的インパクトの創出に取り組んでまいります。

EF Polymer 株式会社代表取締役Founder / CEOナラヤン・ラル・ガルジャール氏
Future Food Fund 投資担当 長谷川 コメント 水や肥料といった資源の使用量を大きく削減しながら農業の生産性を高めるEF Polymerの取り組みは、いままさに求められている「環境と経済を両立させる農業」の実現に近づくものだと感じました。製品の詳細や市場展開のストーリーを聞く中で、技術としての完成度の高さと、製品導入が進む農業現場での反応や期待の高さに可能性を感じています。
創業者のナラヤン氏は、自身の家族が直面していた水不足や収量の課題を原点に、日本を拠点として製品開発と市場導入を着実に進めてきました。その姿勢には、食の現場から社会を変えていこうとする明確な意思と行動力が表れています。
環境負荷の低減に貢献しながら、干ばつや水不足といった課題を抱える世界中の農家の生産性と持続可能性を支えるEF Polymerのビジョンに共感し、今回出資させていただくことに致しました。今後は日本や海外市場での展開を推進するパートナーとして、EF Polymerの成長を力強くサポートしていきたいと考えています。

Future Food Fund海外投資担当長谷川 浩之
Future Food Fund株式会社について
Future Food Fund株式会社は、2019年8月に日本の食のスタートアップエコシステムを作る為に、フードイノベーション領域に特化した国内外のスタートアップ企業への出資を目的としたCVCファンドを運営する投資子会社として、オイシックス・ラ・大地株式会社により設立されました。パートナー企業とともに、国内外の先進的な食・農・ヘルスケア領域への積極的な投資と、販売や商品開発などの支援も可能としており、日本国内で、スタートアップ企業を支援するエコシステムの構築を目指しています。
(「Future Food Fund」サイトURL:https://futurefoodfund.co.jp/)

オイシックス・ラ・大地株式会社について
オイシックス・ラ・大地株式会社(代表:高島宏平)は、有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など安心・安全に配慮した食品の宅配サービスを「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の 3ブランドで展開しています。
当社は「これからの食卓、これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を推進しています。