シリーズBラウンドとして5.4億円の資金調達を実施

掲載日: 2025年04月15日 /提供:KAICO

混餌投与でブタの免疫をサポートする、飼料添加物『KAICO Powder』を販売開始




KAICO株式会社(福岡市西区、代表取締役:大和建太、以下:KAICO)は、シリーズBラウンドとして、既存投資家である伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社と東京センチュリー株式会社に加え、新規投資家としてアグリビジネス投資育成株式会社、株式会社DGインキュベーション、肥銀キャピタル株式会社、株式会社佐銀キャピタル&コンサルティング、JMTC キャピタル合同会社を迎え、以上7社を引受先とする合計5.4億円の第三者割当増資を実施いたしました。本ラウンドにより、累計エクイティ調達金額は13.9億円となります。

資金調達によりブタ用飼料添加物『KAICO Powder』を世界へ

今回の資金調達は、主にブタ用飼料添加物『KAICO Powder』事業化に使用いたします。

KAICOはこれまで、経口投与可能なワクチンを始めとした、人や動物の健康に役立つ商品を自社で開発してきました。今回ブタの免疫をサポートする自社開発品『KAICO Powder for Pig(飼料添加物、以下:KAICO Powder)』が、ベトナム農業農村開発省にて飼料添加物登録されました。これにより、KAICO Powderのベトナムでの販売が開始されます。

KAICO Powderは、常温保管・流通が可能で、飼料に混ぜて食べさせるだけで健康維持が期待できるため、現在行われている1頭1頭へのワクチン注射接種と比較すると、注射器等の資材が不要となるだけでなく、投与に係る作業時間が約9割も削減されます。近年は、畜産現場の過重労働やアニマルウェルフェアへの取り組みが課題となっていますが、投与する人にも、投与されるブタにとっても、メリットが大きい製品として、畜産現場等から多くの期待の声をいただいております。

今回の資金調達により、生産設備拡張及び量産化開発を実施し、最初の市場であるベトナムでのシェア獲得に向けた取り組みを加速いたします。

今後の展開

KAICO Powderはベトナムで販売を開始した後、アジアを中心とした他国へ横展開すべく、すでに候補国での商流構築に向けて動いています。製品ラインナップとしては、ブタだけでなく、養殖魚や愛玩動物向けの経口投与可能な製品も開発を行っており、それぞれ実証実験フェーズから、事業化フェーズへと移行しています。

また、KAICO Powder事業化に伴い、本製品原料である蚕の調達先を確保する取り組みも実施しています。KAICOの事業伸長に伴い、日本では縮小の一途をたどっていた養蚕業が復興し、蚕の餌となる桑の植樹面積が増加していくことで、CO2削減が見込まれます。

KAICOの技術で、アニマルヘルスに貢献するとともに、動物たちと生きる畜産・養殖事業者の生産性向上、さらには地球緑化にも寄与していきます。

投資家コメント

伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社 取締役&パートナー 阿部剛士様
KAICO社は、日本の伝統産業である蚕の持つユニークな特長と自社技術を活かし、世界中の人や動物の健康課題をサステナブルに解決しようとしています。弊社もKAICO社のビジョン・将来性に強く共感し、今後の同社の成長に向けて伊藤忠グループのグローバルネットワークを最大限に活用しご支援させていただきます。

東京センチュリー株式会社 事業開発部担当部長 川久保肇様
2020年より4回目のマイルストーン投資をさせていただきました。
弊社では幅広い事業領域で、社会課題の解決に貢献する独自の金融・サービスを提供しております。
今回の増資により、KAICO社の技術が様々な製品開発に活かされ、人や動物のヘルスケア、
そして地球環境の課題解決に寄与することを期待しています。

アグリビジネス投資育成株式会社取締役代表執行役社長 堀部恭二様
KAICO株式会社が提供する飼料添加物は家畜の感染症予防をより簡便にすることで、生産現場の課題である防疫対策の負荷軽減やコスト削減が期待できる画期的な製品です。
将来的な日本国内での展開により、畜産業界の生産性向上を実現し、生産基盤拡充や生産者所得向上につなげていくことを共に目指していきます。

株式会社DGインキュベーションプリンシパル 工藤渚沙様
ブタ用飼料添加物のベトナムでの事業化が見え始めた今回ラウンドより、参加させていただきました。蚕の体内でタンパク質を発現させるという点が非常にユニークであり、ブタのみならず、猫や魚などパイプラインが豊富な点に魅了されました。KAICO社の更なる発展に向けて、引き続きサポートしてまいります。

肥銀キャピタル株式会社 創業支援グループ 兼 肥銀アントレプレナーサポートオフィスグループ長 松尾彰文様
この度のご縁を大変嬉しく思っております。養豚農家が多い九州において、当社の画期的な技術が地域経済にも大きなインパクトを与えると確信しています。今後、様々な分野での応用とさらなる成長を遂げることに期待し、肥後銀行グループのネットワークと知見を駆使して、非金融面からも全面的にサポートして参ります。

株式会社佐銀キャピタル&コンサルティング代表取締役 富永金吾様
この度KAICO社の株主となれたことを大変うれしく思っております。九州大学で100年以上継代飼育した蚕のノウハウや、養蚕による地方創生の取組みに期待して出資させて頂きました。また、ヒト用ワクチン開発を通じて、世界の感染症対策に貢献し、蚕で作る医薬品を世界に届ける姿を楽しみにしております。

JMTC キャピタル合同会社マネージャー 野田大貴様
KAICOの「KAICO Powder」は、ブタに経口摂取させることで簡易に健康維持が期待でき、畜産現場の業務改善や必要資材の削減が見込める製品であるとともに、その技術は他の動物等への応用可能性も期待できる魅力的なものであると感じ、出資に至りました。同社の今後の更なる成長に向けて支援して参ります。

昆虫 “蚕” で世界を変える!KAICOとは

KAICOは、『蚕で世界を変えていく。』というミッションのもと、蚕でつくる難発現タンパク質を医薬品・診断薬・試薬として世界に届けることを目的に、2018年4月に設立した九州大学発のベンチャーです。蚕の体内で自在にタンパク質をつくることをコアテクノロジーとして、製薬会社等のパートナーと共に新薬開発に挑戦しています。
現在、蚕でつくったタンパク質抗原を用いた経口投与可能なワクチンの実用化を目指し、ヒト用・動物用のワクチン開発を行なっております。



本件に対するお問い合わせ

会社名   KAICO株式会社
代表者   代表取締役 大和建太
設立日   2018年4月2日
本社所在地 福岡県福岡市西区九大新町4-1
事業内容
(1) タンパク質の受託発現
(2) 試薬・診断薬・医薬品原料の製造・販売
HP     http://www.kaicoltd.jp

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