株式会社 読売広告社(本社:東京都港区 代表取締役社長:菊地英之 以下YOMIKO)は、同社の子会社である株式会社ショッパーインサイト(本社:東京都港区 代表取締役社長:湯川孝一)が保有する食品購買状況を買物客単位で分析可能な日本最大級の食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM*」を活用し、食品スーパーにおける肉の購買変化を分析しました。肉類の時系列における傾向や国産牛と輸入牛の違いなどを分析し、みえてきた傾向や兆しについてお知らせします。
分析結果のポイント
1) 食肉類の購入率は下降傾向
2) 輸入牛は単価金額前年比が105%前後を推移
3) 和牛しゃぶしゃぶ用は購入客単価も購入点数も増加傾向
1)食肉類の購入率は下降傾向
なかでも牛肉の購入率・購入金額が低下。食肉の購入品がシフトしている可能性
牛肉・豚肉・鶏肉・精肉類(羊肉、馬肉、ひき肉など)・精肉加工品(味付肉・ベーコン・ハム・ソーセージなど)の2024年2月から2025年2月における購入率(前年同月比)推移をみると、すべての肉類において減少傾向がみられました。なかでも牛肉は、2024年2月では精肉加工品や豚肉よりも高くなっていますが、2024年4月からは一番低くなっています。2025年2月をみると、精肉類、鶏肉、豚肉の購入率は前月よりも高くなっていますが、牛肉は前年同月比-7.7%と最も低い結果となっています。米、野菜、あらゆる食品の価格高騰が止まらない今、牛肉の購入を控えて支出を調整する節約志向が読み取れます。

2025年2月の買い物客1人あたりの購入金額(前年同月比)を年代別でみると、20~50代、80代では豚肉・精肉類・精肉加工品の購入金額が増加しています。一方、牛肉・鶏肉の購入金額はどの年代においても減少していることがわかりました。購入金額では豚肉や精肉類、精肉加工品の購入金額の増加と牛肉や鶏肉の減少がみられ、購入率推移では牛肉の購入率低下がみられることから、食肉の購入品がシフトしている様子がうかがえます。

2)単価は、和牛・国産牛は安定的に推移。輸入牛は105%前後を推移。
円安の影響を受け、輸入牛の単価が昨年より上昇傾向
牛肉を、和牛・国産牛と輸入牛に分けて分析し、単価推移の前年との比較(前年同月比)をみると、輸入牛は単価の前年比が105%前後を推移しており、円安の影響を受け2023年から2024年への値上がり幅が大きいことがわかります。和牛・国産牛の方が年間を通じての振れ幅が小さい傾向にあることから、今後は国産回帰の流れがみられるかもしれません。

3)和牛しゃぶしゃぶ用は購入客単価も購入点数も増加傾向
肉類全体は商品単価アップの影響を受け、購入点数が減少
牛肉・豚肉・鶏肉の購入客単価および購入点数(2024年2月と2025年2月比較)をみると、購入客単価は増加していますが、購入点数が減っていることから商品単価が上がった影響がみられます。

用途別では「和牛しゃぶしゃぶ用」の中価格帯の購入客単価が増加。購入点数も増加傾向
和牛の用途別(角切り、うす切り、切り落とし、しゃぶしゃぶ用、ステーキ・カツ用、焼肉用)で購入金額が伸びていた和牛しゃぶしゃぶ用を分析したところ、購入客単価は4000円、5000円以上の中価格帯が増加し、購入点数も増えていることが分かり、肉類全体とは違った傾向がみえました。このように牛肉全体の購入率は減っていますが、種類・用途によっては購入客単価も点数も増加していることがわかりました。

今後もYOMIKOは、本サービスを始めとする購買実態に基づいた課題発見・仮説検証のサービス提供を通じてクライアント企業の事業成長に貢献してまいります。
* real shopper SM:食品スーパーのID-POSデータをもとに生鮮総菜を含めた全ての食品購買状況を全国規模の買物客単位で分析できるデータベース。
■調査概要
・集計期間:2023年2月1日~2025年2月28 日
・エリア:日本全国
・対象カテゴリ:畜産・牛肉
・利用データ:real shopper SMデータ
ショッパーインサイトのサイトでは分析結果についてのコラム「教えて!サキヨミ博士」を掲載しています。 URL:https://shopperinsight.co.jp/sakiyomi/