食品卸の受注トラブル事例
受注トラブル事例 |
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■取引先がFAXで発注する際に発注書の裏表を逆にしてしまい、白紙のFAXを受信することがある。取引先は注文したつもりになっており、数日後に「注文したはずなのに商品が来ない」とクレームの電話が来るが、注文内容が分からず、すぐに対応することは難しい。(食肉卸) |
■支店ごとに紙で請求している請求書の発行業務に膨大な時間がかかる。また、紙を封入するのは手作業のため封入ミスのリスクがあり、送付先を間違えると大規模なトラブルに発展しやすいという課題がある。さらに、取引先が請求書の到着を急ぐ場合は休日出勤しなければならない。(食品卸) |
■受注の締切時間を設定しても取引先が守ってくれず、自社の社員も意識が薄れて、お互いにあいまいな受発注を続けることで受注後のサイクルが崩れてしまっている。締め時間の後に受注があると朝出勤した後すぐに処理しなければならず、営業の納品も遅れがちになり、商品を提案する時間が取れず機会損失が拡大している。(食品卸) |
■倉庫から商品を出庫するためのピッキング作業は、担当者が紙の注文書に従って棚から商品を取り出しトレイに入れる方法を取っている。この方法では担当者によって作業の品質にばらつきが発生し、作業コストの削減も難しい。(食品卸) |
■取引先に全商品を記載した専用の発注書を渡してFAXで受注しているが、送られてきたFAXの内容が読み取れなかったり、白紙に商品名だけ書かれていたりする場合があり、営業が個別に対応しなければならなくなっている。(資材卸) |
■商品のリニューアルでコードが変更されていても、取引先が古い発注書を使い続けており、受注時にコードのエラーが発生してしまう。(資材卸) |
■手書きのFAXを受信すると、何が書いてあるか読み取れなかったり、メーカー名がわからなかったりすることがある。また、電話で注文を受けると注文履歴を残すことができず、担当者が留守番電話の内容を聞き間違えてしまうミスも発生しやすい。(食品卸) |
■電話で注文を受ける際に「いつもの商品をください」と言われることが多いが、1店舗で複数の商品を使っていることもあるため、どの商品を指しているのか確認を取るのに時間がかかる。(資材卸) |
■電話やFAX、メールなどさまざまな方法で届く注文をひとつずつ手入力でデータ化しており、単純な打ち間違いのミスが起こっている。また、取引先との間で「言った」「言わない」のやり取りが発生し、円滑なコミュニケーションを行えない状況にある。(酒販卸) |
電話・FAXによる受注業作業で多くの手間が発生
取引先との受注トラブルの他にも、電話やFAXで受けた注文処理における問題も発生している。
課題事例 |
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■7割ほどが電話やFAXによる注文で、取引先によって異なる商品や単位、納品日を把握することが困難。どんどん電話がかかってくるため、どの取引先か分からなくなることも多い。(食品卸) |
■電話で受注対応する場合、長い時は30分ほどかかる。既に説明済みのはずの商品説明を何度も繰り返して、注文依頼のはずが雑談のようになってしまうケースもある。(食肉卸) |
■受信したFAXを配送ルートごとに振り分けていく作業に膨大な時間がかかり、注文書をコース別に重ねる作業を終えてから伝票入力に進まなければならないため、一連の作業を終えるまでに10時間以上かかる。(食品卸) |
■FAXで受注した場合、自社の基幹システムに入力してダブルチェックを行った後、取引先にFAXで受理の連絡をし、出荷時に納品書をあらためてFAXしているため何重にも手間がかかっている。(酒類製造・卸) |
■取引先の多くが飲食店であることから、受注の締切時刻を遅い時間に設定している。すると取引先へのRE-FAXをするために締切時刻までパート社員が待機したり、就業時間の間際に作業が集中したりして残業が発生しやすくなってしまう。(酒類製造・卸) |
トラブル解消の手立てはアナログ受注からの脱却
今回紹介した事例にもあるように、受注にまつわるトラブルの多くは電話やFAXなどのアナログ対応が原因となっている。こういった課題に対しては、たとえば受注システム『TANOMU』を使用することで受注履歴を残し、注文データを販売管理システムに自動読み込むようにすれば、トラブルの大部分を防止することができるだろう。
アナログな管理によって受注時のトラブルが深刻化している現場では、他社のトラブルを把握することで、自社の課題解決をはかるきっかけとしてほしい。