飲食店のための人手不足スパイラル脱却術(前編)~求人・採用前にすべき組織改革

飲食・宿泊2019.09.18

飲食店のための人手不足スパイラル脱却術(前編)~求人・採用前にすべき組織改革

2019.09.18

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン 代表取締役会長 有本 均

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン 代表取締役会長 有本 均

人が辞めない会社の共通点チェックリスト

No内容点数
1人事評価制度があり、昇進や昇給の基準が明確になっている9
2ライフステージに合わせた働き方の制度(産休、時短勤務など)がある9
3階層ごとの教育プログラムがあり、上を目指す人に道を明示することができている9
4社外から客観的な評価を得ている
(例)働きがいのある会社・人気企業ランキング、上場、業界アワードなど)
9
5社員の家族にもコミュニケーションを取り、本人が働きやすい環境づくりができている9
6会社の事業計画が社員に公表されており、将来の姿やビジョンを伝えることができている9
7同業他社の社員を講師にした勉強会や外部勉強会参加など、他社との交流の機会がある9
8新入社員(新卒・中途)への初期教育プログラムがあり、店長任せ、現場任せになっていない9
9社内コミュニケーション推進のための仕組みがある(社内報、社内SNSなど)4
10会社負担で自分から進んで受けられる研修やセミナー、視察などの学びの機会がある4
11経営理念があり、トップ、経営陣が率先して実践している。繰り返し学ぶ機会がある4
12経営者、幹部陣同行の社員旅行がある4
13全社総会、フォーラムなど、全社イベントが実施されている4
14オーナー経営者とは別に、従業員が目指したいと思えるモデルが身近に存在している4
15社会貢献活動が継続的に行われており、社員にも参加の機会がある(強制ではない)4
合計100

 

この中から、飲食店におけるスタッフと深く関わりそうなものをピックアップしてみよう。

まず、「1.人事評価制度」。社員・アルバイトの評価制度や賃金体系といった内容は、飲食含めたサービス業全般において、上手く機能している例は少ない。ES(従業員満足)が上がらなければ、CS(顧客満足)も上げられない。ESを上げるには、きっちり従業員を評価することが大切となる。

続いて、「3.教育プログラム」。キャリアや役職などの階層ごとに、教育プログラムが整備されており、ステップアップを望む人に道のりを明確に示せているかどうか。大企業などでは行われているところもあるものの頻度は低かったり、中小企業では実行できていないケースがあったりする。

そして、特に重要となるのが「8.初期教育プログラム」だ。社員(新卒・中途)、アルバイトに関わらず、人材が定着するか否かは、初期教育を適切に受けているかどうかにかかっている。その実行は店長など現場任せになっていないだろうか。

店舗では新人がその日来ることを知らなかった、名札やクリーニングされた制服がない、忙しすぎて放置するなどの扱いをされると、定着率は格段に下がる。実際、本部で受けた研修と現場の実情とのギャップに戸惑いや不安を感じ、1週間内に辞めるケースは多くあるので注意が必要だ。

労働環境の改善も仕組みのひとつに

教育や評価の制度を確立させると同時に、常に労働環境の改善努力を仕組み化することも重要である。減少の一途を辿る人材のパイを、雇う側が取り合っているのが飲食業界の実情だ。「ウチの環境が気に入らないなら他社へどうぞ」などと悠長なことを言っている場合ではない。

長時間労働や各種ハラスメントなど、ブラックな印象を持たれている飲食店の労働環境。一度ついてしまったイメージを一気に払拭することは難しい。しかし、経営者自身が制度を変えることで改善の道は見えてくる。  例えば従業員や店舗の休業日を増やしたり、週何日以上勤務という条件を緩和したりするのもひとつの労働環境改善だろう。

また、セルフオーダー端末の導入や会計時のキャッシュレス化、調理の簡素化、予約対応や食材発注のシステム化などで、少しずつ作業時間は短縮できる。少数精鋭の体制が組めなくなっている現代においては、短時間でもしっかり働いてくれる人材を一人でも多く確保して繋ぎ止めるという考え方も必要だ。

後編では、飲食店で人材が定着する具体策について解説する。


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