「日本人の身近なところで言うと、塩や醤油、味噌の代わりのような感覚で使えます。例えば、どこで出しても誰に勧めても喜ばれるのは冷や奴です。醤油代わりにちょこっと乗っけてオリーブオイルをひと垂らしするだけ。醤油とはまた違った風味で複雑な味がして、ちょっと気の利いたものになりますよ(笑)。他にも、茹でたもやしにゴマ油とマッサを和えたものとか。超簡単で早く作れるから、お店でもスピードメニューとして取り入れやすいと思います」
ちょい乗せしたり和えたりするだけの簡単レシピ。これなら誰でも手軽に挑戦できる。マッサ入門のメニューとしては、最適と言っていいだろう。そしてもう一つ、栗山さんのオススメが、マッサを使った超簡単パスタだ。
「茹でたパスタにマッサとオリーブオイルを和えるだけの『マッサパスタ』はどうでしょう。シンプルなだけに、マッサの香りと旨みを感じていただけると思います。オリーブオイルと合わさることで生まれる、マイルドな味わいも魅力です」
こんな使い方なら、未知の調味料に対して構えることなく、またわざわざ新しいメニューを考えることもなく、手軽に取り入れることができそうだ。さらに、栗山さんから身近な料理のアレンジメニューも。
「簡単そうに見えて意外と苦労するのが炒めものの味付けですが、マッサならビシッと味が決まります。本では『豚肉とたけのこの中国風炒め』として紹介していますが、どんな炒めものにもよく合います。単純な塩味ではない複雑で深みのある味に仕上がるんです。これなら、居酒屋でも定食屋でも出来そうですよね。あとは、洋風居酒屋やバルなどでは、アヒージョの味付けにマッサを使ってみるのもオススメです」
どんどん出てくる栗山さん式マッサの活用法。調理だけでなく、肉や魚の下味にも大活躍するという。最後に、使う際の注意点について聞いてみた。
「塩漬けだから当然ですが、マッサ自体は塩気が強いので一度に使う量は少しにしてください。味見なら耳かきの先くらいで十分。料理に使う時は、メニューによっても差はありますが、だいたい小さじ1を目安に味を見ながら調整して下さい。ケチャップのようにドバっと入れるものではないですね」
手作りするのに多少の手間はかかるかもしれないが、作ってしまえば低コストで料理人の強い味方となってくれる優れもの。ポルトガル生まれの万能調味料を上手に取り入れることで、メニューの幅がグンと広がることは間違いなさそうだ。
<関連書籍>
「マッサ MASSA パプリカでつくる美味しい調味料」(著:栗山真由美)
価格:1,296円(税込み)
発行:2015年04月13日
出版社:池田書店
ISBN :978-4-262-13014-9