飲食店における接客英語の基本ガイド

飲食・宿泊2024.12.12

飲食店における接客英語の基本ガイド

2024.12.12

飲食店における接客英語の基本ガイド

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コロナ禍により一時的に減少していた訪日外国人だが、近年ではその影響を感じさせないぐらいに増加している。日本政府観光局(JNTO)が発表したデータでは、2024年10月に単月過去最高の3,312,000人、10月までの累計も過去最速ペースだ。
参考:訪日外客数(2024年10月推計値)

そうした傾向から、飲食店に訪れるインバウンド客は以前よりも増えることが予想される。各店舗では英語による接客を強化し、外国人客の受け入れ態勢を整えることで集客アップのチャンスにつながるはずだ。

そこで今回の記事では、具体的にどのような接客英語を覚えればいいのか、従業員への学習方法などについて紹介していく。

目次

基本の英語フレーズとその使い方

飲食店では、接客時の言葉遣いがある程度テンプレート化できるため、基本の英語フレーズを覚えておくことで対応しやすくなる。主にどんなシーンでどのようなフレーズを使えばいいのかをまとめてみた。

挨拶とお客様の案内

お客様が入店してから席に案内するまでには、以下のような英語フレーズが挙げられる。

日本語英語
挨拶(いらっしゃいませ) ・Hello
・Welcome
・Good morning(朝)
・Good afternoon(昼)
・Good evening(夜)
何名様でしょうか?・How many people?
おタバコはお吸いになりますか?・Will you be smoking?
ご予約は頂いていますか?・Do you have a reservation?
ご予約のお名前は?・What name is the reservation under?
少々お待ちください・ Just a moment, please
食券は、あちらでお買い求めください・Please purchase your food coupons over there
お席にご案内します・Please follow me

メニューと注文の取り方

メニューの案内から注文受付は、以下のような英語フレーズが挙げられる。初めて訪れる外国人客の方には、店舗のおすすめなどを紹介できるとスムーズな注文につながるだろう。

日本語英語
こちらがメニューになります・Here is the menu
本日のおすすめはこちらです・Today's recommendation is this dish
お決まりになりましたらお知らせください・Please let me know when you are ready to order
ご注文をどうぞ・May I take your order?
何かお飲み物はいかがでしょうか?・May I get you anything to drink?
こちらのメニューは品切れです・ We're sold out of these items right now

料理やドリンクの説明

メニューの提供時には、料理名だけでなく注意事項やサービスについて言及できるようにしておきたい。具体的には、以下のような英語フレーズが挙げられる。

日本語英語
お待たせいたしました、こちらが○○(料理名)です ・Thank you for waiting. This is the ○○.
お皿が熱くなっておりますのでお気をつけください・The plate is hot, so please be careful
ご飯のおかわりは無料です・We offer free refills on rice
お飲み物はセルフサービスです・Drinks are self-service
ご注文の品はすべて揃いましたか?・Have you got everything you ordered?

お会計

お会計時には、支払い場所や決済方法についての英語フレーズまで覚えておくことでトラブルを避けやすい。具体的には以下のような例文が挙げられる。

日本語英語
お会計はレジでお願いします ・Please pay at the cash register
お会計はテーブルでお願いします・Please pay at your table
お会計の際には、こちらのバインダーをレジまでお持ちください・When you're ready, please take this binder to the register
お支払いは○○円になります・It's ○○ yen
お会計は別々でお支払いですか?・Will you be paying separately?
お支払いはどうなさいますか?・How would you like to pay?
現金とクレジットカードどちらでお支払いしますか?・Would you like to pay by cash or credit card?
申し訳ありません、お支払いは円のみになります・I'm very sorry, but we only accept Japanese yen
またのご利用お待ちしております、ありがとうございましたPlease come again. Thank you very much

お客様対応の実践的なコツ

英語フレーズを覚え、いざ実践しようと思ってもなかなかうまく伝わらないケースは多々ある。英語の発音やイントネーションが違ったり、そもそも言葉がとっさに出てこないなど様々なトラブルが発生するからだ。

どんな時でも対応できる英語力を身に付けるのは難しいため、急な場面に対応できるコツを知っておくことでそれらの問題を未然に防げる。具体的には、以下のようなものが挙げられる。

ジェスチャーを用いた説明

言葉で伝わらない場合、身振りや手振りを用いることも1つの方法である。できる限りわかりやすくするためには、大げさに表現したり、メニュー表を指差したりすることが大切だ。

ただし日本と海外では、同じジェスチャーでも意味が全くことなるケースが多い。例えば以下のようなものだ。

日本人がよく使うジェスチャー海外での意味合い
親指と人差し指のOKサイン 「無能」や「自分は危険」と伝わる
親指を立てたGOODサイン侮辱や下品というサイン
手のひらを下向きにした手招き「あっちへ行け」
人差し指と中指のピースサイン侮辱のサイン
手のひらを向けたバイバイ、ストップ「顔に泥を塗る」

参考:「熊本県インバウンドガイドブック

間違った意味に捉えられないよう、英語フレーズと同様に外国人向けのジェスチャーもマニュアルなどに組み込んでおきたい。

翻訳アプリの使用

いくら英語フレーズを覚えたとしても、発音やイントネーションまで完璧に喋ることは難しく、いまいちコミュニケーションに不安を感じる従業員もいるはずだ。

そんな時には、翻訳アプリを活用するのも1つの手段である。スマートフォンやタブレットにインストールしたり、専用の端末を用意するだけで手軽に利用できる点も大きなメリットだ。

アプリの種類にもよるが、英語だけでなく多言語に対応しているものも多いため、アジア系の外国人客ともコミュニケーションがとりやすい。

代表的な翻訳アプリとしては、以下のようなものが挙げられる。

参考:日本政策金融公庫「外国人客おもてなしガイドブック飲食店編

印刷した文章を掲示

英語での対話には、従業員の英会話スキルなどが求められるため、接客できるようになるまで時間がかかる。そこでシンプルにコミュニケーションを取る手段として、あらかじめ定型文などを英語で印刷したものを掲示しておけばすぐに対応しやすい。

例えば国土交通省や各都道府県では、「指差し会話シート」や「コミュニケーションシート」という資料を配布している。

これらのツールでは、来店客の入店時から着席時、注文時やお会計時までの英語フレーズが掲載されている。印刷して利用することも可能なので、ぜひ有効活用してほしい。

またメニュー表などを外国人客の方が見ても、どんな料理なのか理解しにくいケースも考えられる。日本語と併せて英語表記も実施しておくと、注文時に説明するといった手間を省けるだろう。

接客英語を効率よく学ぶ方法

飲食店では、従業員が英会話スキルを学ぶことで、外国人客への対応力を向上させられる。しかしスタッフの英語力アップには、ある程度の手間やコストもかかるため、計画的に実施しなければならない。

では接客英語を効率的に学ぶには、どんな方法があるのか具体例を紹介していく。

学習アプリやオンラインコースの利用

英語初心者の方が、いきなり英語でコミュニケーションを取るのは難しい。そのため、まずは基本的な英単語やフレーズを覚えることから始めるのがおすすめだ。

例えば、飲食店向けの英語学習アプリでは、接客に必要な英語フレーズだけを効率的に覚えられる。アプリによっては音声教材も充実しているので、文章だけだと分かりにくい発音やイントネーションなども理解しやすい。スマホなどの携帯端末から、手軽に自分のペースで勉強できるのも大きなメリットとなる。

ある程度の基礎知識を身につけた方やコミュニケーション力を高めるなら、オンラインコースを活用するのもありだ。講師の方とマンツーマンで学習することで、実践的な接客英語を身につけられる。

ネット回線を繋いだパソコンやスマホから場所を問わずに受講しやすいため、就業時間が不規則な飲食業の方でも継続して学びやすいメリットがある。

英会話教室での実践学習

自発的に接客英語を学ぶのが苦手な方には、英会話教室に通うことも手段の1つである。コースやカリキュラムは様々なので、従業員の英語レベルに合わせた学習を実現しやすい。

また飲食業といってもカフェやレストラン、料亭など様々なので、業種に合ったスクールを見つけることが重要だ。講師の中には外国人の方もいるので、最も実践的な接客英語を学べる機会を作れるメリットがあるだろう。

社内研修の実施

ある程度の接客英語を学んだ後に、いきなり本番で接客英語を実践するのは難易度が高い。そこで、まずは店舗内にて実践形式で研修を行うことも大切だ。

例えば、「朝礼や出勤時に接客用語の発声練習を行う際に英語フレーズも追加する」「実際の接客シーンを想定したロールプレイを行う」などの方法が挙げられる。

飲食店では、来店客が来ない時間帯などはスタッフの手が空きやすい。そうした時間を社内研修により有効活用することで、人件費のコストを抑えながら従業員の英語力アップにつなげられる。

SNSやグルメサイトを活用し、より多くのインバウンド集客につなげる

インバウンド需要が高まりつつある今、訪日外国人客の受け入れ態勢を整えることで集客アップのきっかけにつながる。SNSによる情報発信や外国人向けのグルメサイトへ登録するなど、他のサービスと連携することで相乗効果を狙えるため積極的に活用すべきだろう。

また英語による接客強化に成功したのであれば、中国語や韓国語などの多言語に幅広く対応することも視野に入れたい。そのためにも、まずは従業員の英語力アップにつながる学習環境の構築やリスキリングへの取り組みなどを推し進めよう。

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