迅速な配送とプロの目線で飲食店をサポート
【Q】九州各地に事業所がありますね。
当社は九州全域が商圏で、8つの営業所と約70の小売店舗を拠点に営業しています。各営業所にはソムリエや唎酒師、焼酎アドバイザーなどお酒のプロが数十名在籍し、飲食店様のご要望にあったお酒を厳選しています。オーリック専任のデザイナーがメニュー表を制作するなど、新規開店のサポートも手掛けています。
高品質の商品をお取引先様のニーズに合った方法でお届けするため、弊社では計画配送とクイックデリバリーという2つの配送方法をお選びいただけるようにしています。
計画配送は、朝4時までに受けた注文分を当日配送するスタイルです。一方のクイックデリバリーは、飲食店様からの「今すぐ持ってきてほしい」という声に対応するもので、電話で受けた注文を各地の自社販売店が直ちに配送します。
その中で、私は主に受注や請求業務に関する現場の改善・運用支援をしています。基幹システムや外部システムとの連携構築、新たな導入支援などが主な業務で、12年ほど携わっています。(業務課長 山畑信介氏 以下同)
LINEでの受注が増加傾向に
【Q】最近、受注業務に課題があると伺いました。
当社は営業所ごとに受注の専門部署を設けて、電話、FAX、インターネットの注文サイトを案内して注文を受け付けています。ただ、ここ1年は営業個人のLINEやショートメール宛てに注文が入るケースが増えてきました。毎日ひとりあたり3件前後、営業所全体で50件ほどです。
現在はコロナ禍ということもあり飲食店様からのお酒の注文は落ち着いているのですが、LINEでの注文は処理にやや手間がかかるのが難点です。営業担当が毎朝の受注処理時間までにLINEで届いた注文内容を書き直し、受注部署にチャットツールで指示を出し、受注部署は内容を販売管理システムに入力しなければなりません。
飲食店様の所在地によっては、営業担当が受け持つ営業所とは別の配送エリアから商品をお届けする必要があるため、住所も考慮する必要があります。営業担当が起きている時間に注文が入れば即座に対応できますが、夜中や休日も注文は届きます。
また、LINEでいただく注文内容はアバウトなことが多く、ミスに繋がりかねないのも懸念点でした。たとえば「ビール1本」と連絡をいただいても、どのような銘柄かはっきりしなかったり、サイズも書いていなかったりするので確認が必要です。これは電話での受注と同じくらい効率が悪く、画像をお送りいただいても判別が難しいこともあります。
LINEによる発注はお取引先様にとっては便利ですし、これからも増えるでしょうから、2021年12月にLINEでの注文を処理する受発注システム『TANOMU』を導入しました。
受注処理の簡素化と、販促効果にも大きな期待
【Q】受注システムの効果はいかがですか?
受注処理の簡素化ができました。これまでは営業担当がLINEやショートメールの注文を清書して、チャットツールで受注部署に転送していました。このため時間や手間がかかっていましたが、『TANOMU』で受注したものは手間がゼロになります。
お取引先様への発注方法の切り替えのご案内はLINEでお知らせしたり、営業担当がログイン内容を記載したチラシを持参して直接ご説明したりしています。お取引先様はもともとLINEで発注されていたこともあり、商品画像を見ながら操作できるので発注しやすくなったと思います。LINEを使った受発注ツールが知られるようになったのか、ほかのお取引先様からもLINEで発注したいというお問い合わせをいただくようになりました。コロナ禍が明けて注文が増えればさらに効果が出て、社内全体で受注処理にかける工数が減ると考えています。
また、LINEを通じた販促もやっていきたいですね。新商品のご案内のほか、会社の営業時間に変更があった際も、『TANOMU』からLINEでアナウンスできるので伝わりやすくなるでしょう。特にここ2年間は、コロナ禍で営業時間が変わることが多かったのですが、ホームページに掲載するよりLINEでご案内する方が早く伝わります。お取引先様のメールアドレスを集めてメーリングリストで配信する手間も省けますし、LINEでの情報共有に大きく期待しています。
【Q】貴社がIT化をすすめる背景は何でしょう?
物流業界ではマンパワーが不足する時代になることは以前から言われています。ドライバー不足もそうですが、事務スタッフも集まりにくくなっています。そのため、手間が省ける工夫や人の代わりになるツールなどの情報収集をしてきました。
私は18年ほど前に今の会社に入社しましたが、当時は伝票の処理で残業が当たり前になっていました。そこにインフォマートの『BtoBプラットフォーム受発注』などの受注システムを使ったことで「こんなに早く帰れるんだ」と、ITを使えば楽になることを知りました。
特に受注ミスや在庫切れは当社としてもまず解決すべき課題で、ITを導入してでも、質の良いサービスを提供できるようにと追い求めてきました。もちろん、費用対効果を検証する必要がありますし、それが私の役目です。これからもシステムの受注比率を高めると同時に、お取引先様の細かなニーズに合った配送を手掛けていきたいと思います。
株式会社オーリック
住所:鹿児島県鹿児島市西別府町2941番26
事業内容:業務用・小売用酒類販売
代表者:代表取締役 濵田 龍彦
公式HP:http://www.alliq.co.jp/