コロナ禍でも昨年比140%の売上。青果卸が挑むこだわり農産物の情報戦~アグリコネクト

卸・メーカー2021.12.01

コロナ禍でも昨年比140%の売上。青果卸が挑むこだわり農産物の情報戦~アグリコネクト

2021.12.01

生産・流通・販売を垂直統合で担う当社は、農家の皆さんに「この野菜が売れるので、この時期に作ってみてください」と提案して直接仕入れることができます。農家さんから「どういうものが売れているの?」とか、「どういうものを作ったらいい?」とご相談を受けることもありますし、市場のニーズにマッチしたものが作りやすい。生産の現場に対して動きやすい・動かしやすいことが大きなポイントだと思います。(河合部長)

有機農業は、SDGsそのもの

【Q】SDGsの考えに合致する部分はどこでしょう?

農業は持続可能な社会と密接に関わっています。当社の手がける有機栽培は農薬と化学肥料を使わず自然の循環を大切にすることで環境負荷が最小限にできるうえ、都産都消で運ぶ範囲も都内近郊ですから、ガソリンの消費量も少なく済みます。仮に野菜が余っても、畑に持ち帰って堆肥にすればロスもほとんどありません。(伊東社長)

ただやってみて感じるのは、有機農業の事業化は非常に難しいということです。台風などの災害もありますし、気温の上昇で今までならその時期に収穫できたものが採れないなど、リスクも多々あります。事業化を断念する人も多いでしょう。しかし、諦めないで努力すればできる。

人件費も時間もかかりますが、味の素晴らしさやストーリーなども含めて消費者に伝えていけば、十分に可能です。有機農業をビジネスとして捉えることは、私たちなりのSDGsにもつながると思っています。(河合部長)

【Q】今後の展望をお聞かせください。

私たちのようなベンチャーが、コネクションの世界である農業を変えるのは大変かもしれません。取り組んでいる生産・流通・販売の垂直統合も、一見して「特徴がわかりにくい」と言われることもあります。ただ、実際に飲食店とコミュニケーションを取って畑に来てもらえば「すごくいいね」と共感してその価値を見いだしていただけることが多いです。

農業における情報の価値を重視する取り組みに、共感してくれる人も増えています。これからも自分たちらしさを失わずに、チャレンジしていくつもりです。具体的にはさらに生産規模と販売チャネルを増やし、100億円の規模まで拡大させていきたい。生産だけでは難しいですが、垂直統合の枠組みで小売の拡大や飲食事業の展開、加工品の企画・製造も合わせれば可能でしょう。

今年からは惣菜だけでなくスープやピザ、アイスなど冷凍食品の開発・試作・量産ができるよう食品加工場も設置しました。これからも新しいことに取り組みつつ、美味しい野菜をたくさん作って、たくさん運ぶという農業の基本を突き進んでいきたいですね。(伊東社長)


食品等事業者のSDGsの取り組み集

株式会社アグリコネクト

住所:東京都新宿区神楽坂6-50 フカガワビル1階
事業内容:野菜、果物の販売及び卸業、輸入食料品及び調味料の販売、農産物の生産、加工など
公式ホームページ:https://agriconnect.co.jp/

注目のキーワード

すべてのキーワード

業界

トピックス

地域