現場でのカイゼン提案が激増! 社員をイノベーターにする「ケースメソッド」~大津屋

飲食・宿泊2019.02.08

現場でのカイゼン提案が激増! 社員をイノベーターにする「ケースメソッド」~大津屋

2019.02.08

「ケースメソッド」が“提案の生まれやすい”組織風土をつくる

ケースメソッドとは、簡単に言えば「具体的な事例を題材にした全員参加型のディスカッション」のことだが、進め方がいわゆる普通の全社ミーティングとは違うのだという。

「ディスカッションでは、社長から新人まで全社員がフラットな立場で自分の意見を話し合います」

ディスカッションには社長以下、さまざまな年齢・役職・性別の全総合職が参加し、各自設定されたテーマについて自分の意見を述べる。ときには社長の意見に若手が「私は違うと思います」と反論することもある。ただ、下手をするとこうした場は、発言が出なかったり、ヒートアップしすぎたりすることもありそうだ。そこはどう抑えるのだろうか?

「ディスカッションには講師役が1人いて、全員が学びを得られるよう準備から司会まで全て取り仕切ります」

講師役は、ディスカッションが適切に進むよう場をコントロールする役割を担い、参加者に「勇気・礼節・寛容」の精神で討議に臨んでもらうよう働きかけるのだという。
また準備としてテーマを決定し、テーマに即したケース資料と設問を用意するのも講師の役割。ちなみに仕事に関わることであればテーマは自由に決めてよいそうだ。

ケースメソッドの進めかた

大津屋は2007年以来およそ2ヶ月に1回の頻度で、全社経営会議のあとに「ケースメソッド」を開催している。すでにかなりの回数が重ねられているが、その効果はどのように顕れてきたのだろうか?

「ケースメソッドでの対話のスタイルが、私たちの業務上の会話においても当たり前になりました。つまり全社員ひとり一人が勇気をもって突飛かもしれない意見を言い、まわりの社員も礼節と寛容をもって傾聴し、可能性をともに考えるようになりました」

誰もが自分の考えたアイデアを口に出すことは気恥ずかしいし、他の人に否定されるのは怖い。だが、そうした心理的ハードルを下げてやれる組織なら、より多くの社員のアイデアを吸収してもっと強くなれる。

またこのカルチャーは、ケースメソッドに参加する店長を通じて各店舗にも広がる。先述の「サンドイッチ拡大販売」を提案したのは、実は店長からの相談を受けたパート社員。ともに働く仲間としてフラットな関係が築けているからこそ、パート社員も積極的に提案を持ちかけてきてくれるという。

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