心の中は不安でいっぱい。だからこそ「着想」術でとことん考え抜く~ファンゴー・関俊一郎社長

飲食・宿泊2018.04.12

心の中は不安でいっぱい。だからこそ「着想」術でとことん考え抜く~ファンゴー・関俊一郎社長

2018.04.12

それから、アップルパイだけで売れるのか、と考えるからメニューもアメリカの一般的なものだけでなく、イギリス風にカスタードクリームを取り入れたり、フランス風にダマンド(アーモンド)を工夫することを思いつきました。

また、『グラニースミス』という青リンゴの品種を店名にするにあたっては、アップルパイの原料にグラニースミスではない日本産のリンゴを使っているのに、その店名でいいのか、という考えから、自分たちが日本に植えて増やし、それを店でも使おうという発想になります。

当時日本でグラニースミスはほとんど栽培されていない品種だったので、使うことで商品の付加価値にもなりました。

その後、6坪では製造が追いつかないけど、それでもイートインスペースが必要なのではと考えて次の店舗展開へつながっていきました。そういう課題解決というか、目先のミッションを「着想」で解決していくこと、一つひとつの積み重ねが大事だと思います。

目標達成をゴールにせず、次のミッションへ

【Q】「グラニースミス」は順調に店舗数を増やしていますね。

いえ、順調だと思ったことはありません。経営を長く続けるために必要なことはいくつかあると思いますが、そのひとつに、「定めた目標を達成した時点でゴールと思わないこと」があげられると思います。

たとえば『新規開店』、『売上達成』、『いい出店場所が見つかる』といった、様々な目標到達ポイントがあると思います。でもそこに至った時点でおそらく次の課題は見えていますよね。 

『人手が足りない』『客層が想定と違う』あるいは『想定外のトラブルに見舞われる』など、そういった次のミッションにすぐにとりかかるべきで、成功したというよりも常に課題は山積みで、喜んで打ち上げをしている場合ではないと思ってしまう方です。

【Q】関代表の考える良いお店とは、どんな店ですか?

目指しているのは独自の世界観をもっていて、変わっているんだけど、超当たり前の店ですね。私の中での良いお店のバロメーターのひとつは、新規オープンでもお客様がごくごく普通に入ってくること。自然にそうなっているのが良い店だと思います。

23年前、ファンゴー開店初日の最初のお客様が、ずっと前から知っている店のように入ってこられて、当然のように「コーヒーひとつ」と頼まれたのが忘れられません。あとは配布されたチラシを見て、店の開店前からデリバリーの注文が入ってくるとかね。

すごく新しいとか奇をてらったような店よりも、そういうごく当たり前の店、長く残っていくのはそんな普遍的な店ではないでしょうか。今後もそういう店を作っていきたいです。


株式会社ファンゴー

住所:154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-18-11 スクエアフィールド1F
電話:03-3795-4443
事業内容:飲食店の経営、スイーツ専門店の経営
公式HP:http://www.fungo.com/

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