売り上げを生み出す顧客満足度
こうした日々の改善の積み重ねは、店の売上げにも表れている。
「現在、燕三条イタリアンBit本店のアベレージは月商1,000万円ほど。ここまで売り上げて感じるのは、オペレーションやスタッフの管理、メニュー構成など、全部できないと達成できなかったということです」
数字については、コストをシビア管理する一方で、顧客への還元を優先しているという。
「コスト管理については、毎月のF/Lコストを68%以内に収めることを目標にしています。目標を達成して、人件費が抑えられた分の売上については、積極的に原価の高い商材を仕入れて、お客さまに安く提供しています。『なんでこんなに安いの?』という、お客さまのサプライズにもつながりますし、店側としても新しい食材を試すきっかけにもなっています」
客層の広さと、それに対する柔軟な対応にも秋山さんの経営術が見える。
「うちは、高級な食材を使った料理も提供しますが、基本的には使い勝手の良いカジュアルレストランでありたいと思っています。例えば若い女性なら、バーニャカウダ、ピザ、パスタをシェアしてデザート、それにワインを2杯ずつとか。サラリーマンであれば、おつまみにビールを頼んでちょっと飲んで帰るとか。あとはランチ会であれば飲み放題を勧めたりもしますし、県外から来る大切なお客様には料理のみで少し高めのコースを提供したりと、とにかくご要望に応じて柔軟に対応しています。大切なのは、『お客様に喜んでもらうためにはどうしたらいいか』ということであって、売り上げを伸ばすためにということではありません。お客様を喜ばせるためには、どうしていくっていう話を突き詰めていくと、結果的に売上がついてくるという感じです」
最後に今後の展開についてうかがった。
「個人的な想いとしては、店舗数を増やすというよりも、この店を通じて新潟でシェフや人財が育つ環境を作っていきたいです。例えば銀座の店で採用した優秀なスタッフを新潟に連れてきて、新潟でも一流の調理方法を学ぶ環境を整えることもできるでしょう。そして、いずれは新潟に燕三条イタリアンBit出身の人がたくさん誕生し、レベルの高い店がたくさんできてくれたらそれが一番嬉しいですね」
燕三条イタリアンBit(株式会社Bit)
住所:新潟県新潟市中央区新島町通1ノ町1977
電話:025-201-7933
お話:オーナーシェフ 秋山武士様
公式HP:http://bit2013.com/