女性客に愛されるためのコンセプトと店づくり
「potto」の店内を見渡すと、すぐに気づくことがある。ほとんどが女性客ということだ。実際にpottoでは、『働く女性に必要とされる店』をコンセプトの一つに掲げている。
「『働く』には3つの解釈があって、1つ目は、仕事をして給料をもらうという『働く』女性。2つ目は、家事や育児に勤しむという意味での『働く』女性。3つ目は、女性が『働く』場所を提供したいというこちらの思いです」
1号店は大阪北部のベッドタウンで主婦層が多い桃山台、2号店はOLが行き交う南船場、3号店は子育てファミリーに人気の都島と、pottoが店舗展開するロケーションは、確かにそのコンセプトに合致している。そんなロケーション選びにもまた、田端さんの戦略が隠されている。
「桃山台と都島に関しては、大手さんはまずやらないだろうという確信がありました。また、大手さんのロジックでは、新規物件をリサーチした時に、『キャパが小さい』『駐車場がない』という物件は、実際に現地を見ずにボツにするケースが多いと思います。うちは逆にそこが狙い目です」
例えば、都島店は駐車場がないが、「自転車移動のママさんが多いから駐車場がなくてもイケる」と判断。大手と競合しない、かつ女性を狙ったロケーション選びは徹底したという。さらに、サービス面にはある工夫が施されていた。
「『お客様の時間を邪魔しない』ということを心がけています。ですから、うちはセルフサービスです。最初は面倒だと思われるかもしれませんが、お客様にとってはサービスされることが煩わしいこともあると思っています。会話の最中に店員がやって来て『お水いかがですか』と言われると、話が1回止まってしまうでしょう。特に女性のお客様は食事だけでなくお喋りを楽しみに来られる方も多いので邪魔しないようにということはとても意識しています」
2012年のオープン以来、ジワジワと女性客の心を掴みながら、今やすっかり地域に根を張ったミートソースとパンケーキの専門店になったpotto。肝心のミートソースについて近況を訪ねると、田端さんは弾んだ声でこう答えてくれた。
「おかげさまで、今夏の某百貨店のお中元ギフトに選ばれました。60歳になるまでに、ミートソースを通じて世界の人たちに幸せを届けられるよう、頑張っていきたいですね」
緻密な戦略とコンセプト、そして熱い思いが結集したpottoというお店。その愛され方を見ていると、愛される店は偶然ではなく必然的に作られるものだということがよくわかる。
h.a.s!(ハズ!)株式会社
食堂カフェ potto ミートソース&パンケーキ 都島店
住所:〒534-0016 大阪市都島区友渕町2-8-31
電話:06-6180-7522
お話:代表取締役 田端弘一様