オイシックス・ラ・大地のCVC「Future Food Fund」どこでも陸上養殖ができる仕組みづくりの開発と水産品販売を行うARKへの投資を実行

更新日: 2024年07月02日 /提供:オイシックス・ラ・大地

~食糧危機の回避を目指し、閉鎖循環式陸上養殖システムの事業展開に期待~

 食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社の投資子会社Future Food Fund株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:松本浩平、以下Future Food Fund)が運営するフードイノベーション領域に特化したCVCファンド「Future Food Fund 2号」(※1)は、閉鎖循環式陸上養殖システム「ARK」等の開発・販売を行う株式会社ARK(本社:東京都渋谷区、日本代表:竹之下 航洋 、以下ARK)へ、2024年5月末に新規投資を実行しました。 本件は、現在設立中のファンド「Future Food Fund 2号」における第11号投資案件であり、今後も食の領域でチャレンジするスタートアップ企業に、更なる投資を行ってまいります。 (※1:Future Food Fund 2号投資事業有限責任組合)


左:▲琉球大学に設置・運用されているARKの養殖システム ARK-V1(右から2機)とREF-V1(左から1機), 右:▲ARKが養殖を可能としたヤイトハタ(ミーバイ)
■食糧危機につながる水産物の社会課題について
 世界の人口の増加にともない、世界の水産物生産量は増加(※2)しており、その多くは養殖がささえている現状があります。日本国内では、漁業・養殖業の生産量は、昭和59(1984)年をピークに、その後減少傾向が続いています。その背景には海洋環境の変化や水産資源の減少、漁業就業者や漁船の減少等に伴う生産体制の脆弱化の課題があると考えられています(※3)。また、今後は2050年までに食用タンパク質の需要が供給量を上回る「タンパク質危機」が起きることや、2020年代に入り、環境問題、感染症の拡大を背景とした、グローバルサプライチェーンの混乱により、食料安全保障への関心が高まっています。
(※2:令和5年度 水産白書 第4章 水産業をめぐる国際情勢
   https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R5/attach/pdf/240611-8.pdf」)
(※3:参照元「令和5年度 水産白書 第1部 令和5年度 水産の動向第2章 我が国の水産業をめぐる動き」)

【漁業・養殖業の生産量の推移】

※令和5年度 水産白書 第1部 令和5年度 水産の動向 第2章 我が国の水産業をめぐる動き
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R5/attach/pdf/240611-6.pdf

■ARKの事業紹介と投資背景について
 ARKは、これらの社会課題を持続可能な手法で解決するために、「養殖の民主化」をミッションとして「どこでも誰でも水産養殖ができる仕組み」を提供するため小型・分散型のCRAS(Closed Recirculating Aquaculture System)と呼ばれる閉鎖循環式陸上養殖システム※4の開発・販売をおこなっています。
 これにより既存の大規模養殖システムとは異なり、小規模な投資と運用で分散型の水産養殖を始めることができます。再生可能エネルギーを活用することで、大幅にエネルギーコストの削減と環境負荷を削減することができることも一つの特徴となっております。
 ARKの養殖システムはヤイトハタ(ミーバイ)やクエ、ヒラメといった高付加価値型の魚種を対象としており、並行して海藻の養殖、海藻を利用したウニの養殖も行えるため、陸上養殖事業の採算性の向上にも期待が持てます。これらのARKの技術により、日本の伝統的で美味しい魚を食べる文化の継承につながり、また日本の水産業の持続的な発展への貢献が期待できることなどが本投資の背景となっております。
 今後懸念される震災時においても、本技術による早期の水産業の復興が期待されます。三陸、能登の震災と漁業の関係は大きく、震災後の産業復興には、漁業の再開と周辺産業の維持が重要なポイントになります。一旦漁業が止まると再開までに時間がかかりますが、ARKの技術、養殖システムを早期に導入することで、漁業や周辺産業の回復のスピードをあげることにも期待できることも投資背景の一つとなっております。
 Future Food Fundとしては、ARKの技術で養殖された水産物の流通面でのサポートや、養殖システムの導入検討企業の紹介など積極的にサポートしてまいります。
※4: 陸上の閉鎖空間で水を循環させる養殖システム


■株式会社ARK
本社:東京都渋谷区
代表者:日本代表: 竹之下 航洋
会社HP:https://www.ark.inc/
ARKは「養殖の民主化」をミッションとして「どこでも誰でも水産養殖ができる仕組み」を提供するため小型・分散型の閉鎖循環式陸上養殖システム「ARK」等の開発・販売をおこなっています。既存の大規模養殖システムとは異なり、小規模な投資と運用で分散型の水産養殖を始めることができます。

株式会社ARK 日本代表 竹之下 航洋 氏
■株式会社ARK 日本代表: 竹之下 航洋氏 コメント
 ARKは「LET THE OCEAN REST, CREATE YOUR OWN(海を休ませるために、陸上に小さな海を作る)」というコンセプトの元、どこでも・誰でも水産物生産の担い手になれる仕組みとして、小型・分散型の閉鎖循環式陸上養殖システム「ARK-V1」、「REF-V1」および「STARBOARD BY ARK」といった製品群を開発・製造・販売している研究開発型スタートアップです。
 この度、Future Food Fundに投資家としてARKに参画していただけることを心より歓迎いたします。オイシックス・ラ・大地株式会社および関連企業は日本における新しい食事業のフロンティアを走る企業群であり、我々が取り組む陸上養殖という新産業を社会実装していくうえで重要なシナジーを生むと確信しており、今後の取り組みを楽しみにしています。
Future Food Fund株式会社 ファンドマネージャー 村田 靖雄

■Future Food Fund ファンドマネージャー 村田 コメント
 3人の創業メンバーは、好きな魚が、それぞれ「アジ」「キンチャクダイ」「イワナ」とバラバラで、趣味も「食べる」「飼う」「釣る」と統一感のないメンバーですが、魚が好きなことは同じなのと、それぞれの得意領域が別で補完しあっているいいチームだと思います。
 この投資は、Future Food Fundは水産テックは初であること。本年6月6日に、世界海洋デーにむけて、ARKさんも含めた投資先の事業紹介イベントを行いましたが、4件のTVニュースに取り上げられました。水産業の未来についての問題意識が大きくなって来たことが要因だと思います。
 また、近年水産テックのスタートアップも増えて来ております。ARKさんとは、水産資源の問題だけではなく、餌の代替、海外へ刺身文化を広げる事など一緒に取り組んでもらいたいと思う事も多く、今後の水産問題を一緒に解きつつ、事業も成長出来ればと思ってます。

Future Food Fund株式会社について 
 Future Food Fund株式会社は、2019年8月に日本の食のスタートアップエコシステムを作る為に、フードイノベーション領域に特化した国内外のスタートアップ企業への出資を目的としたCVCファンドを運営する投資子会社として、オイシックス・ラ・大地株式会社により設立されました。パートナー企業とともに、国内外の先進的な食・農・ヘルスケア領域への積極的な投資と、販売や商品開発などの支援も可能としており、日本国内で、スタートアップ企業を支援するエコシステムの構築を目指しています。
(「Future Food Fund」サイトURL:https://futurefoodfund.co.jp/
Future Food Fund Logo
オイシックス・ラ・大地株式会社について
 オイシックス・ラ・大地株式会社(代表:高島宏平)は、有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など安心・安全に配慮した食品の宅配サービスを「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の 3ブランドで展開しています。
当社は「これからの食卓、これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を推進しています。

bnr_500_juhachulight_ai-ocr.png 記事下バナー

注目のキーワード

すべてのキーワード

業界

トピックス

地域