九州周遊観光活性化コンソーシアム(代表機関:トラストパーク株式会社 本社:福岡県福岡市博多区)が、「一極集中する都市から人の流れを創る」をコンセプトに、宿泊施設・二次交通が不足している地域などに提案・展開中の「車泊(くるまはく)・休憩駐車管理システム(RVパーク smart) 下部※1.参照」について、2023 年の利用件数はコロナ前の10倍、年間1万件超となりましたので、利用データとRVユーザーの動向を公表いたします。
○車泊(くるまはく)について
「車中泊」という言葉は、宿泊ができない場合に「やむを得ずに泊まる」というイメージがあります。それに対して「車泊(くるまはく)」は「車で寝泊まりをして楽しむ」「安らぎの場として自然豊かな地域で過ごす」ということを目的としています。車泊スペースには電源と、近くに24時間利用可能なトイレがあり、道の駅や公園、お城など本来は泊まることができない施設に寝泊まりできるのが「車泊」の特徴です。
○車泊利用件数について
2023年の利用件数は10,566件(66施設/予約者6,613名)。2022年の8,456件(55施設/予約者4,805名)との比較で+2,122件(+11施設/+1,808名)となりました。コロナ禍にキャンピングカーなどのRV車や車中泊者が増加したことから、人口の多い関東圏から九州への来訪者が増えて、新規客も増えました。※関東圏・九州在住者の予約=89%(=44%+45%)、九州山口の車泊施設利用=69%。東京や神奈川など一極集中する都市から九州地方にRVユーザーが来訪しています。
繁忙期は8月で来訪目的は観光が81%。レンタカー利用者=10%と年間リピート率=31%(2回以上予約者/年間総予約者)の割合は、前年と変化はありません。
○車泊利用施設と利用者について
車泊利用を支える「施設」と「利用者(RVユーザー)」については、2023年5月のコロナ5類移行後の出張や旅行需要の回復により、宿泊料金が高騰していることから、特に都市部における車泊ニーズが高まっています。
上位の利用者については、本州方面の在住者は長期滞在型の利用、九州在住者は毎月2~3回ペースでコンスタントに利用をされています。上位利用者の多くは、お気に入りの地域や施設を拠点に周遊されています。
2023年の利用施設トップ2は、1車室当りの利用数200件を超えた「博多」と「天文館」となりました(2022年の博多は29位、天文館は6位)。
特に「博多」は、九州陸路の玄関口として、本州方面からの来訪者が63.4%と多いのが特徴です。
2023年の利用回数トップ2名の方は、北海道と福岡の在住者で、令和2年7月豪雨で被災した熊本県南部の人吉球磨エリアを多く利用されています。利用目的は観光ではなく、主に帰省や出身地の知人と会う際に利用されています。
今回のRVユーザーの取材で、故郷や昔住んだことがある町など、今は疎遠となっている思い出の地域に、安心安全・手軽に泊まることができる場所を創る意義に気づく機会となりました。
最後に、
このたびの令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被害を受けられた皆様の安全と1日でも早く平穏な生活に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。
≪参考≫
※1.車泊(くるまはく)・休憩駐車管理システム(RVパークsmart)とは?
2017年に総務省「IoTサービス創出支援事業」シェアリングエコノミー型九州周遊観光サービスモデル事業において、RVユーザーが観光・防災拠点として安心・安全に車中泊できる仕組みを開発し、熊本・長崎の7地域で実証した事業モデルです。(動画: https://www.soumu.go.jp/midika-iot/project/373/ )。
RVパークは、日本RV協会が「快適に安心して車中泊が出来る場所」として公認している車中泊施設で全国400箇所以上に普及しています。