「食の SPA 強化」による定番商品48品目
値下げに関する記者発表 全文
「久世福商店」、「St.Cousair(サンクゼール)」、「MeKEL(メケル)」などの専門店を全国に約 160 店舗展開している、食品製造小売企業(食品 SPA)の株式会社サンクゼール(本社:長野県飯綱町/代表取締役社長:久世良太)は、2023 年 12 月 7 日(木)に『「食の SPA 強化」による定番商品 48 品目の値下げ』について、久世福商店東急プラザ銀座店にて記者発表を行いました。発表内容は以下の通りです。
10 年の感謝をお客様に還元
久世福商店はおかげ様で、12 月 20 日に 10 周年を迎えます。この 10 年当社のバイヤーが全国を訪ね歩き、生産者の皆様と共に久世福商店ならではのこだわりの逸品を創り上げてきました。
久世福商店の商品は、一般的なプライベートブランドの商品と比較して価格帯の高い商品が多いですが、誇りを持ってモノづくりに励む仕入先の皆様のこだわりや理念までをお客様に伝えることで、適切な価格で販売させて頂き、お客様、仕入先様、そして世間様の三方にとって有益な商いを行いたい、そんな思いでこの 10 年を歩んで参りました。私たちの思いに共感するお客様に支えられ、10 年の節目を迎えることができました。
昨今の物価高騰、お客様の生活が厳しい状況にある中で、久世福商店の立ち上げ時に掲げた理想を追求することは簡単なことではありません。ファンのお客様から、商品やサービスに対するお声を頂いておりますが、実際に「価格が高い」といったお声も頂いております。特に、夏以降、価格に対する切実なお声を頂くことが増えています。
当社は「食の SPA」として、企画開発から製造、販売までを一気通貫で手掛けております。私たちのものづくりの起点は「お客様のお声」にあり、お客様のお声に応えられるよう仕入先の皆さまと共にものづくりに励んで参りました。
「改めてこの 10 年を振り返りますと、「お客様のお声にお応えする」「お応えしたい」この地道な積み重ねが、久世福商店の大きな成長に繋がっていたことを感じています。今では、年間で約 690 万人ものお客様にご愛顧頂けるブランドに成長することができました。だからこそ私たちが大切にしてきた「お客様のお声」に立ち返ると共に、10 年でこれだけ大きく成長した販売量をお客様に還元すること決め、今回の値下げに踏み切りました。
久世福、サンクゼールの 2 つのブランドでそれぞれ 24 品目、合計 48 品目の定番商品を値下げいたします。
当社の商品は大きく2つ、自社製造商品と仕入れ商品があります。今回値下げの対象商品は、主に自社製造商品です。一部仕入れ品が含まれますが、仕入れ原価を変えることなく、当社の利益率で調整をしています。
当社は「サンクゼール」で長野県のメーカーズブランドとしての歩みを始め、私たち自身も「生産者」として約 40 年の経験があります。商品製造に関するノウハウは強いものがあります。今回の値下げは、自社製造商品の製造プロセスを見直すことで実現するものです。
具体的な取り組みについては、後ほど詳しくご説明させて頂きますが、先ずはブランド毎の値下げ対象商品の詳細についてご説明差し上げます。
まずは久世福商店です。対象商品数は 24 品目、自社製造商品が 22 品目、仕入れ品が 2 品目です。値下げ幅は平均で 89 円、値引き率は-14%です。最小値は 12 円、値引き率は-2%です。最大値は 183 円、値引き率は-25%です。
「久世福商店 10 周年~一緒に歩んでくださった皆様に感謝の気持ちを込めて。思い切って!値下げしました」という販促を打ち、お客様にも今回の値下げをしっかりと伝えて参りたいと思います。
こちらにお示ししております「食べる、だし醤油」「食べる、すき焼き」は仕入れ商品になります。こちらの商品はお客様からも大人気の商品ですので、久世福商店 10 周年の感謝をお客様に還元するために必要な商品ですので、選定させて頂きました。
仕入先様との取引価格は変更しておりませんが、値下げにより販売量が増えることで、仕入先様にも喜んで頂くことができますし、当社にもボリュームインセンティブのメリットがあると考えております。
次にサンクゼールです。対象商品数は 24 品目、自社製造商品が 16 品目、仕入れ品が 8 品目です。値下げ幅は平均で 109 円、値引き率は-16%です。最小値は 42 円、値引き率は-7%です。最大値は 151 円、値引き率は-23%です。
サンクゼールにつきましても「Cheer Up Project 毎日の食卓を、もっと楽しく豊かに。美味しさはそのまま、お値ごろ価格になりました。」というメッセージと共に、値下げについてお客様にしっかりとお伝えしていきたと考えております。
当社では3か月に1度、原価高騰の影響を反映して、商品価格を変更するかどうか検討を行っており、2022 年 9 月より値上げを行う決断をしました。
この度、値上げを行った商品の一部を値下げしています。ご覧のように、商品によって価格改定前への戻り率にバラつきがありますが、久世福商店では、24 品目を平均すると値上げ前とほぼ同等の価格。サンクゼールは値上げ前よりも平均 50 円程低い価格となっております。
今回の値下げ対象商品は、「お客様のお声」をお聞きして、選定したものです。お客様から「もう少しお値打ちですと常備できるのですが、どうしても余裕のある時のみに購入しております」「価格と品質は見合っているのでしょうが、毎日食べて買い置きするには高いと思います。」このようなお声を頂くことが増えてきました。
毎日の食卓に選んで頂いているものだからこそ「値上がり感」を感じやすい商品群でもありますので、定番商品の価格を下げることで、よりお客様の暮らしに寄り添いたいと思っております。
また、生活防衛として、ご飯のお供は「おかずが少ない時でも、主食を美味しく食べられ、満足できる。」といったお声を頂くことも増えております。このようなお声にお応えするために、久世福商店では人気のごはんのお供を値下げ対象商品として選定しました。また、サンクゼールでは、一品でも特別な食事になるバスタソースを選定しました。
続きまして、今回の価格改定を叶えました、具体的な取り組みについてご紹介をさせて頂きます。
「食の SPA」の強化
食品を扱う業界全体に言えることかと思いますが、原材料価格高騰やインフレが続いており苦しい状況にある中で、お客様の間では「買い疲れ」が広がっており、このような状況にどのように対応していくか、各社さん頭を悩ませている所であると思います。
私たち自身も、悩みの尽きない苦しい状況が続いておりましたが、三方ともに満足できる関係をつくるという原点に立ち返り、どうしたら皆さまにご満足頂ける事業ができるのか、真剣に考え、「食の SPA」を強化することで、皆さまによりご満足いただける事業を目指すことにしました。
仕入れ先様との取引条件は変更せずに、付加価値の高い商品、ものづくりに集中頂く。お客様については、品質はそのままでお値ごろ感のある定番商品をお届けする。そして「お店を訪れる度に新しい発見がある、楽しいお買い物を」叶えるために、売り場作りや新商品の投入、接客の改善に取り組んで参ります。
「食の SPA の強化」に向けた取り組みをご説明いたします。今回、バリューチェーンにおける3つの要素を強化します。まず、自社製造商品については、製造プロセスの効率化に取り組みます。効率化により下がった原価をお客様に還元して参ります。これと合わせて、お客様に、より付加価値の高い体験をご提供するために、ブランド力の強化に取り組みます。また、当社の重要な成長ドライバーである「お客様のお声」をより近くで伺い、事業プロセスに早期に反映できるよう、ファンコミュニティの強化も行います。
最初の取り組みとして、この後 14:00 から久世福商店の第一回ファンミーティングを開催いたします。今メディアの皆さまにお話させて頂いておりますように、お客様にも、当社の大切にしている価値観や取り組みについて実際に体感頂くことのできるイベントとすることで、より応援頂けるブランドに。そして、よりお客様のお声に応えることが出来るブランドに成長して参りたいと考えております。
それぞれの取り組みをより詳しく、ご説明させて頂きます。
まず「①製造原価の低減」です。今年から商品開発のアドバイザーとしてプロのシェフの先生に入っていただき、商品の味を高めることはもちろん、同時にどのように品質を損なわずに原価を下げられるか、ということを追求してきました。使用している全ての原料を分解し、一つ一つ見直しを行いました。それにより、原材料の変更、原材料の配合の変更、原料購買プロセスを見直すことで、お客様にお求めやすい価格でご提供できる具体的な手段が計画できるようになってきました。
一般的には原価を下げた後に販売価格を下げていくことになると思いますが、私たちは、昨今のお客様のご負担をいち早く下げていくためにも、久世福商店 10 周年の感謝を込めて、この 12 月から価格を下げることを決断しました。一足早い値下げになりますが、人気の高い定番商品の販売量を増やすことで、自社工場の稼働率を上げることができ、ボリュームインセンティブの効果による製造原価低減を目指すことができますので、お客様への PR もしっかりと行って参ります。
続きまして「②付加価値の高い顧客体験」についてご説明させて頂きます。同時にどのように品質を損なわずに原価を下げられるか、といった取り組みに限らず、定番商品をより美味しいものへと磨き、お客様の食卓に欠くことのできない商品を目指しています。
そして、この取り組みを社内のノウハウとして定着させるために、来期より研究開発ラボを本格稼働いたします。今期、ラボの施工、試運転を行い、来期より本格稼働に入れる見込みです。開発体制の強化に取り組んで参ります。製造についても同様になります。効率的な製造プロセスをより強いものにするために、工場買収含め自社製造能力の更なる強化に取り組みます。
また、お客様により付加価値の高い体験をお届けするために、「魅力的な売り場作り」にも足元取り組んでいます。「買い疲れ」という言葉をよく耳にするようになりましたが、これまで、ショッピングモールへのお出掛け、買い物は楽しい体験であったと思います。お客様がご負担を感じている価格をまず下げる。それと合わせて、商品価値に目が向くような新商品や季節ものを投入したり、接客力を向上することで、「いつ訪れても新しい発見があり、楽しいお店」として、お客様により満足感を感じて頂くことのできるブランドに成長して参りたいと思います。
更に、ファンコミュニティ施策を強化することで、これまで以上にお客様のお声に応えることができる事業を目指して参りたいと思います。
これからの 10 年もお客様と共に
これまでの 10 年で「食の SPA」の基礎を築いて参りました。バリューチェーンを垂直統合し、約 500 社の仕入先様と共にモノづくりに励み、お客様のお声に基づいて改善、改良を重ねて参りました。
これからの 10 年で、お客様とのコミュニケーションを強化し、これまで以上に価値を感じて頂ける商いをすることと合わせ、効率化、仕入先様とのネットワークの強化に取り組むことで、「食の SPA」をより強いものに磨くことが出来ると確信しています。
グループ全体として、次の 10 年また1つ大きな成長をできるよう取り組んで参りたいと考えております。
主な質疑応答
【ご質問】政府や日銀が掲げるデフレ脱却を考えると値下げは逆行に見ますが、避けられない状況にありますか。
【ご回答】私たちもこれまで原価高騰の影響を販売価格に転嫁して参りましたが、「価格が高い」というお客様の切実なお声を聞き、実質所得が上がらない中でお客様が疲弊している状況を直接理解しております。また、お声と共に、実際にお客様が離れていることも感じています。私たちができる取り組みによって、お客様のご負担を軽減し、満足いただける価格にしていくことが現時点では優先すべきことだと考えています。
【ご質問】値下げと賃金上昇の両立についてどのように考えていますか。
【ご回答】弊社の事例になりますが、今年はベースアップを含め平均で 5%の賃金上昇をさせて頂いています。これは今年だけでなく、来年以降も継続して上げていきたいと考えています。私たちの賃金の原資は、お客様からいただく売上から成り立っています。値下げによってまずお客様に還元し、売上を向上することによって生まれた原資を基に、従業員には来年以降も継続的に還元していきたいと考えています。今年は実質賃金の低下もあり、政策的には難しさも感じていますが、この取り組みをもう一年、二年辛抱強く続けていくことで社会全体として好循環が生まれるのではいかと考えています。
【ご質問】価格を下げることでブランド価値を下げることになりませんか。
【ご回答】まず、値下げをしますが、商品の品質を下げることはありません。おいしさはそのままに価格をお客様が手に取りやすい価格に変更します。今回、値段を下げたのは、定番商品です。定番商品であるからこそ、毎日、食卓でお使いいただけるような価格にすることが重要であると考えています。2022 年の 9 月より、原材料価格の高騰を商品価格に転嫁してきましたが、値上げ前の価格と平均すると同価格です。また、価格と価値を両立できるよう新商品や季節ものの投入を含め、魅力的な売り場作りを行い、定番商品をお買い求めにご来店頂いたお客様が、いつ来ても新しい発見があるような付加価値の高いお店作りを目指して参ります。
E-mail:sc_pr@stcousair.co.jp
本件に関するお問い合わせ先(丸山) ☎026-219-3936 http://stcousair.co.jp/company









