AIやデジタル技術が急速に進化する一方で、日本の小売業界は、人口減少や競争環境の激化、人手不足、コスト上昇といった、極めて複雑かつ構造的な課題に直面しています。その背景には、他業界と比べて意思決定に必要となるデータ量が圧倒的に多いことに加え、業務ごとにシステムが分断され、データが散在している現状があります。さらに、メーカーや卸ごとにデータ構造が異なりデータ同士が遮断され、横断的な活用が難しくなっています。その結果、膨大なデータを十分に活用できないまま人が判断せざるを得ず、負担が増大しています。こうした状況は、小売業がこれまで強みとしてきた機動力を損ない、競争力の低下を招いています。
当社は50年以上にわたり、日本の小売業界とともに歩み、多くのお客様との議論や成功・失敗の積み重ねを通じて、業務とデータの構造を深く読み解いてきました。さらに、GK Software(注1)や株式会社ブレインパッド(注2)をグループに迎えることで、業界に根ざした知見と最先端テクノロジーを融合し、包括的な支援体制を強化しています。こうして培ってきた小売業向けの知見とテクノロジーを、現場の実行力と経営の意思決定を一体で変革する「Uvance for Retail」として提供することで、企業の機動力を高め、日本の小売業の持続的な成長を支援します。

「Uvance for Retail」は、リテールビジネスの成長に必要なケイパビリティを、データとAIを中核に据えて統合的に提供します。
当社のリテール専門コンサルタントが、経営および業務の課題を的確に定義し、長年にわたり業界で培ってきた知見をもとに、業務プロセスや基幹システムを含めたあるべき姿を描きます。その上で、AIエージェントを組み込んだオファリングを、業務に精通した高い実装力により、現場で確実に活用される形で定着させます。さらに、業務に根差したAIが判断の高度化や業務の自律化を実現します。そして、それらを支える業務・システム・データが安心してつながる基盤を提供します。
当社は、「Uvance for Retail」を通じて、生活者と働き手の体験革新とサプライチェーンの高度化を実現し、リテールの未来を前進させていきます。

図:「Uvance for Retail」の価値創造と目指す姿
リテールテックJAPAN2026出展について
当社は、2026年3月3日(火曜日)から3月6日(金曜日)まで東京ビッグサイトで開催されるリテールテックJAPAN2026に出展し、データとAIで「Uvance for Retail」が提供する価値にフォーカスを当て、展示デモとして様々なユースケースをご紹介します。
「Uvance for Retail」の主な展示のご紹介
- 因果推定AIで実現する顧客接点の高度化
人手不足により、すべてのお客様にパーソナライズされた体験を提供できず、ロイヤリティ向上の機会を逃している企業に対し、当社独自の因果推定AIを活用し、顧客のより深い理解を支援します。当社の因果推定AIは、膨大で複雑な業務・顧客データをもとに、単なる相関ではなく「なぜその行動や成果が生まれたのか」という因果関係を明らかにできる点が特長です。数千変数規模のデータや業務・顧客・外部要因などが混在するデータに対しても、独自アルゴリズムにより高速に因果探索が可能なことが特徴です。顧客の行動やニーズの背景にある因果構造をAIが解き明かし、接客や顧客接点の高度化につなげるプロセスを、具体的な活用イメージとしてご覧いただけます。
- マルチAIエージェントによる経営・業務の意思決定高度化
アパレル業界のマーチャンダイザーは、各店舗の状況を的確に把握し、迅速に最適な指示を出すことが求められていますが、業務やシステムごとにデータが分断されていることで、意思決定に時間を要し、機会損失が生じています。当社のマルチAIエージェントは、役割の異なる複数のAIが協調し、業務全体を横断的に判断・支援します。各AIの分析結果を分かりやすく整理して提示し、人の判断をもとに次のアクションにつなげることで、迅速で実行力のある意思決定を可能にします。展示デモでは、当社のAIエージェント「Watomo(ワトモ)(注3)」がさまざまなデータを分析し、マーチャンダイザーが対処すべきアラームを通知するとともに、業務課題について「どのように対応すべきか」といったシミュレーションをマーチャンダイザーとともに実行します。人の意思決定と現場対応の高度化をAIエージェントが支援する、具体的な活用イメージをご覧いただけます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈注1 GK Software:
本社:ドイツ シェーネック、CEO兼取締役会長:Michael Scheibner(マイケル・シャイブナー)
注2 株式会社ブレインパッド:
本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:関口 朋宏
注3 Watomo:
当社での社内募集により決定したAIエージェントのネーミングであり、日本語の「輪」「友」「共に」を由来とし、課題を中心に仲間と輪になって囲み、知恵を出し合いながら和をもって1つのアクションに結び付ける光景をイメージしたもの。
当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。
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富士通株式会社
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