当社生産子会社の千葉工場での水質分析データの書き換え報告について

掲載日: 2023年03月07日 /提供:江崎グリコ

2023 年 3 月 7 日
江崎グリコ株式会社

当社生産子会社の千葉工場での水質分析データの書き換え報告について

江崎グリコ株式会社は、生産子会社である「グリコマニュファクチャリングジャパン株式会社千葉工場」(千葉県野田市)の排水処理に関し、2019 年 5 月から 2022 年 12 月にわたり、水質規制値の基準値を上回る排水をのべ 50 件行い、その行政報告において、水質分析データを、のべ 97 件書き換えていた事実を確認いたしました。その内容と今後の対応について下記のとおりご報告いたします。

近隣住民の皆さまをはじめ、ステークホルダーの皆さまには多大なるご迷惑をお掛けいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。今後は従業員教育の徹底により、法令遵守を徹底し、再発防止に努めてまいります。



1.経緯

2019 年 5 月から 2022 年 12 月までの間、「総窒素(T-N 濃度・総量)」と「総リン(TP 濃度・総量)」の水質規制値を超過した状態で公共河川(座生川・ざおうがわ)に流出させておりました。また、行政報告において記載内容を書き換えて提出しておりました。

なお、法定のデータ保管期限は 3 年分であるため、2019 年以前のデータが残っていませんが、社内でヒアリングした結果、新工場を立ち上げた 2017 年に、総量規制値の超過事象が発生していたことを確認しております。

・ 排水基準及び総量規制の基準の超過(対象期間 2019 年 5 月~2022 年 12 月)

規制値
超過件数 最大値 法規制値
T-N 濃度 18 50mg/L 20 ㎎/L
T-P 濃度 8 9.96mg/L 4 ㎎/L

規制値
超過件数 最大値 法規制値
T-N 総量 20 22.1 ㎏/日 7.6 ㎏/日
T-P 総量 4 3.57 ㎏/日 1.61 ㎏/日

・ データの書き換え件数(対象期間 2019 年 5 月~2022 年 12 月)
分析項目(濃度及び総量) 書き換え件数
COD(化学的酸素要求量) 12
窒素含有量 57
リン含有量 28

2.原因

①規制値を超過した原因について

2017 年 8 月に千葉県東葛飾地域振興事務所による立ち入り検査があり、同年(2017年)4 月の実績において窒素・リンの総量規制値を超過したことのご指摘を受け、恒久対策として 2018 年に加圧浮上装置を設置することで改善を図りました。その後、2019年にグリコ製品「アイスの実」の生産が始まり、流入水の水質が大幅に変化し、膜処理工程での詰まりが起こり、調整層の水位が高まってしまう状況が発生し、その際の適切な処置対応が不十分であったことが要因です。

②データを書き換えて、千葉県に記載報告した原因について

担当者が総量規制値を強く意識してしまい、本来ともに意識すべき処理水の濃度基準の超過を大きな問題として取り扱わずに、測定値を書き換えました。また、工場長や上長への報告、連絡、相談も適切に実施できておらず、未然に確認、発見することができませんでした。

③施設管理の不備となった原因について

システムによる常時監視の測定項目のひとつである処理水の濃度について、規制値超過時はアラームが発せられる仕組みとなっていますが、適切な処置対応にまで至りませんでした。また、送水ポンプや脱水装置、膜処理装置などのメンテナンスや管理体制が不十分であったため、本来の性能が適切に維持できていないことも一因でした。異常時などの緊急対応手順についても体制整備が十分ではありませんでした。

3.再発防止策

① 排水基準の遵守

・ 現在、モニタリング頻度の強化や生産体制を考慮し、排水の水質基準を遵守できる管理体制で運用しております。モニタリングしている数値が上昇した場合は、生産活動を即時停止するなどの対応を取ることにより、排水の水質基準を確実に順守する体制にしております。(2 月 28 日から実施)

② 排水処理設備の安定稼働

・ 今後、排水処理として本来の性能を安定的に稼働させるべくメンテナンスを優先して進めており、その上で通常の生産体制で安定的に稼働できるよう必要な対策を順次講じてまいります。(3 月末までに実施見込み)

③コンプライアンスの重要性の再教育

・ 法令遵守(総量規制、濃度基準)の重要性に関して再教育を実施しました。適切な処置判断ができるように生産職場との密な連携を取りながら、異常時には速やかに上司への報告・連絡・相談ができるよう再整備を行い、生産しています。(3月 1 日から実施済み)

・ 今後、毎年度実施しているコンプライアンス教育に関する資料は、今回の事例を参考に改訂し、従業員への理解度の向上を図ります(6 月末までに実施)。



④管理体制

・ 遵守状況の評価、判断は当該の上長、工場長が行うことにより、運転状況の傾向把握や異常時の適切な処置をしております。(2 月 28 日から実施)

・ 環境影響の緊急事態として、未処理水や基準超過した排水の流出や漏洩を想定した対応手順を作成し、定期的な訓練およびレビューを行い、万一のトラブル対応に備えます(3 月末までに実施)。

・ 本社部門による実地監査を 2023 年度より仕組み化し、運用状況やガバナンス体制について確認を行います(第 3 四半期中をめどに実施)。

以上

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