野村農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和4年10月14日(金曜日)10時50分~11時08分 於: 本省7階講堂 |
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主な質疑事項 |
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冒頭発言
大臣
皆さん方に1つだけ御報告がございます。私は、明日15日でありますが、長崎県及び佐賀県へ行ってまいります。諫早湾干拓地の営農状況及び有明海の再生の取組の現場を拝見したいと思っております。したがいまして、両県の知事をはじめとする地元の関係者の皆様、それから開門を求める訴訟当事者の皆様とお会いし、直接御意見をお伺いしたいと考えております。詳細につきましては、この後、プレスリリースいたしますので、本日、私からは以上でございます。
質疑応答
- 令和4年産水稲の予想収穫量等について(1)
記者
新米の季節になりましたので、新米について2点お聞きします。1点目が、今年は大雨被害とかいろいろ心配されることもありましたけども、現状で、作況ですね、新米の作況、北海道は結構いいという話を聞いてますけれども、あと概算金も上がっているみたいですけども、そこら辺について需給バランスなどですね、含めて、全般どうなっているかですね、そこら辺1点お願いします。2点目がですね、一昨日ホクレンが新米の発表会をやったんですけども、そこに出ていたタレントの方がですね、「私がこれだけ米の普及に努力しているのに、十年間努力してきたのに、一向に消費が増えない。これだけ美味しいゆめぴりかとか美味しい米が出ているので、いやもったいない」というふうに嘆いていたんですけど。ただ一方でやっぱり白米は健康に良くないとかですね、そういう話が消費者の間でも広まっている中でですね、なかなかただ食べて欲しいと言ってもですね、消費が増えないという現状があるんですけれども。今後どのようにですね、消費を拡大していくのか、あるいはもう消費拡大は諦めて、減らす方向にですね、需給合わせて、減らす方向に行くのか、そこら辺についてどういう見通しをお持ちなのか、その2点、よろしくお願いします。
大臣
作況の状況についてのお尋ねもありましたが、9月25日現在の予想収穫量が発表されました。今年の予想収穫量は、30万4000トン減の670.3万トンと、約670万トンになりました。全国10アール当たりの予想収量は、537キロであり、作況指数は100ということであります。今御質問がありましたように、昨年に引き続き北海道は作況が非常にいいということで、しかしながら、西日本の方は、私の地元・鹿児島も含めて九州も悪いんですが、作況が100を下回っているところもあります。他方米の需給動向については、この予想収穫量なり今後お示しする需要動向を踏まえた上で、次回の食料・農業・農村政策審議会食糧部会というのがありますが、そこで本年7月に定めた基本指針の需給見通しを変更する予定でございます。また価格については、需給バランス等により市場、すなわち民間取引の中で決まるものでありまして、昔のように国が米の価格、米価を決めるということにはなりませんので、この民間取引の中で決まっていくことになりますので、価格の問題についてはコメントが非常に難しい、できませんということであります。それからもう一つの米の消費拡大でありますけれども、これまで国も、それからまたいろんな業者さんも、あるいはいろんな形で団体の皆さん方も、消費拡大に向けての取組はしているものの、主食である米の消費拡大は、重要なんですけどもなかなか思うように伸びてこない。これはもうやっぱり、食事の多様化、そういったものが(要因)ということで言われておりますが、ただ、需要が伸びている輸出の促進なり、それから御承知のように皆さん方も利用されたことがあると思うのですが、パックご飯。それにまた米粉もそうなんですけれども、こういったものについては、非常に伸びているということですから、お茶碗で食べる、あるいはおにぎりを食べる、こういったご飯の消費というのは減っているということはもう事実ですけれども、今申し上げたような別な形態で伸びているということがありますので、特にこのパックご飯については大きな伸びをしておりまして、今、いろんな災害もあっちこちで起こったりしておりますので、こういったものに対する対策として、今までパックご飯は、3ヶ月だとかあるいは6ヶ月までは、メーカーの皆さん方も、腐らないのはそのぐらいだと言っておられましたが、もう今1年ぐらいもつパックご飯もできましたので、そういうものでやっぱりちゃんと保管しておいて、万が一の時にはそういうパックご飯で被災者の皆さん方を支援していくという、パックご飯の価値、あるいは量というのが拡大をしているのではないかと、こんなふうに思っておりますので、今後とも米の消費拡大についてはしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
- 靖国神社への参拝について
記者
大臣、靖国神社への参拝予定の有無について伺います。週明け17日に秋の例大祭が行われる予定でありまして、閣僚である野村大臣は、例大祭参拝する御予定ありますでしょうか。ある場合は、いつ行くか、ぜひ教えてください。あと、もし参拝されない場合でも、お供物の真榊をですね、奉納する御予定あれば教えてください。
大臣
私は今まで東京あるいは鹿児島で、靖国神社、あるいは鹿児島では護国神社ですけれども、参拝をいたしておりました。それは、私の親父が戦死をしておりましたためで、毎年欠かさず行っておったわけですが、今回は大臣になりましたので、なった以上は、公的な人間として適切に判断をしたいと思います。
記者
大臣すいません、まだ参拝するかどうか決めてないということですか。
大臣
はい。大臣就任中に、靖国に行くかどうかと問われれば、これは後日判断をしたいとこんなふうに思っております。皆さん方あんまり御存知ではないかもしれませんけど、私は18年前にですね、議員になった時には、古賀誠先生も遺家族なんです。古賀先生を中心にグループができておりまして、親父を戦死で亡くした人達は11人いたんですが、今では2人です。私と参議院議長の尾辻議長。しかも鹿児島同士ですけれども、2人が戦没者孤児でございまして、そういう意味では、特別のやっぱり神社だと思っておりますけども、ただ今回については、農水大臣として就任いたしておりますので、個人としては適切に判断をしたいと、このぐらいしか皆さん方には言えませんので、よろしくお願いします。
- 長崎県及び佐賀県への出張について
記者
諫早湾干拓事業の視察についてお伺いしたいと思います。今回の視察、意見交換に期待することというのはどういったことでしょうか。またとりわけ会合を求める漁業者との意見交換に期待することも教えてください。あともう一つは、国はかねてから開門によらない和解をしたいとする姿勢を示されていますが、一方で和解が進まず裁判が継続しております。開門によらない和解を実現するために国としてどのような取組が必要か、どのような取組をされていくのでしょうか。教えてください。
大臣
今までは第三者的な立場で、この問題を聞いたり見たりしておりました。特に参議院の農林水産委員会では、佐賀県出身の議員、それから長崎県出身の議員もおられまして、それぞれの立場での質問なり意見がございました。私も両方聞いていてどちらがいいとか正しいとか悪いとかということではなくて、それぞれのやっぱり御主張は御主張だなということで聞いておりました。ですから、今回も長崎、佐賀に行きますけれども、関係者の方々に、様々な御意見があるということは、聞いておりますので、そうした皆さん方の意見を直接伺いたいと、こういうことでございます。ただ、肝心なのはですね、我々も、農水省は、29年の農林水産大臣の談話で示しました、「開門によらない基金による和解を目指すことが本件の問題解決の最良の方策」だという方針の下で、歴代、こういうふうにして、私ども大臣として、聞いておりますので、やはりそのことについて、また、現地でも申し上げたいと、こんなふうには思っております。一貫して、農水省のこの考え方は変わっておりません。
- 全国農業協同組合中央会の要請について
記者
2点伺います。分けて伺います。1点目なんですけれども、昨日のJA全中の要請の関係です。中谷徹会長が昨日農水省に来られて、食料安全保障の予算を巡って要請をされたかと思います。麦・大豆の増産ですとか、そういったことが書かれていたかと思うんですけど、この辺の要請に関する受け止めをまずお願いいたします。
大臣
昨日、皆さん方にも何社か入っていただいて、冒頭のカメラを撮っていただいたのですが、昨日、中谷会長からありましたのは、本年度の(臨時国会で)予算委員会もいよいよ来週から始まりますから、それに向けて、補正予算なり、あるいは令和5年度の本予算の編成について食料安全保障の予算をきっちりと確保してくれと、こういう要請がございました。農林水産省といたしましては、農林水産業なり、食品産業が直面する課題を克服できるよう、総合経済対策の中で必要な対策を検討していきたいというふうに考えておりますし、また自民党の方からも、いわば農水省の予算の枠外できちっと食料安全保障費というものを確保してくれという要望もありますので、これらを踏まえながら検討を進めてまいりたいと思っております。
- 令和4年産水稲の予想収穫量等について(2)
記者
2点目なんですが話題変わりまして、先ほどの米の関係にも関連する質問なんですけれども、今年の予想収穫量を発表されまして、その需給均衡に向けた適正生産というのは達成されたというわけでございまして、こうなると話は来年産の米の作付けをどうしていくかという流れに行くと思うんですけれども、農水省、従前から飼料用米への転作助成の見直しの検討というのを打ち出されていますけれども、今回の結果を踏まえて、改めてその飼料用米助成の見直しの議論というのをどう進めていくかというのを伺います。
大臣
皆さん方から以前の記者会見でもそういったような御質問、類似した質問も出たと思うんですが、今まで飼料用米については、一般品種による、いわば今のジャポニカ米に対する作付転換は、一つは、その時も申し上げたんですが、需給状況次第で主食用米に戻ったり、あるいはまた価格によって飼料用米に転換したりとか、なかなか定着性が低いということを申し上げたところであります。そしてもう一つですね、そのときも申し上げたんですが、需要者で飼料用メーカー、いわゆる餌会社が、毎年飼料用米の数量が変動していくのでは、やはりその操業計画が立たないと、こういった問題もあります。ですから専用品種であれば、それは定着していくということになってくるし、あるいはメーカーの方も、今年はこのぐらいの量の飼料用米が工場の方に来るなという操業計画も立てやすいと、こういう問題があります。そしてさらにですね、もう一つ言いますと、麦・大豆をやめて、飼料用米の方が取り組みやすいということで、大豆あるいは小麦から飼料用米へ転換してしまう産地もありますので、これまでの麦・大豆の産地づくりが、そうなると後退してしまって、皆さん方と話をする中でも麦・大豆っていうのが一番自給率が低いわけでありますから、今後これらを伸ばそうという計画を、あるいは政策を誘導していこうということで、それぞれ担当課の方で検討はしてもらっておりますけれども、これらが後退してしまうということもあります。こうしたことから、飼料用米は専用品種による取組が、私は望ましいということも前にも申し上げたとおりでありますが、具体的な支援内容等についても、これに沿った形で検討していかなければなりませんので、また現場の状況を踏まえながら引き続き検討をさせていただきたいというふうに思います。これは来年度予算との関連も出てくるわけでありますから、早急に検討をしたいと思っております。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上