クロロス、日本作物学会・日本生物環境工学会でAI作物認識の研究成果を発表

掲載日: 2026年10月15日 /提供:クロロス

~ 山本忠信商店とのコムギ種子生産における異型株抜取り支援、イチゴ果数計測・登熟予測の研究成果を報告 ~

クロロス株式会社は、2026年9月に開催された日本作物学会講演会 および 日本生物環境工学会において、AIによる作物認識・センシング技術の研究成果を発表しました。

日本作物学会では、株式会社山本忠信商店と共同で取り組んできた、コムギ種子生産ほ場における異型株の検出・マッピングと抜取り支援について発表しました。日本生物環境工学会では、スマートフォン動画からイチゴの果数を登熟段階別に計測し、将来の果数を予測する技術について発表しました。

クロロスでは、AIによる作物の「検出」にとどまらず、撮影・計測から解析、予測、さらに農業現場での作業や意思決定までを一連の仕組みとしてつなぐことを重視して研究開発を進めています。

    SWALOによるコムギ異型株の検出・抜取り支援(左) と BerryCastによるイチゴ果数計測・登熟予測(右)

日本作物学会 ― コムギ種子生産ほ場の異型株検出と抜取り支援を実証

◆ 発表題目
「ドローン近接撮影・画像解析システムSWALOによるコムギ種子生産ほ場の穂・異型株検出とスマートフォンを用いた抜取り支援の実証」

◆ 発表者
伊藤 悠一1・山本 マサヒコ2・荒木 勇磨1・相澤 光俊1(1クロロス株式会社、2株式会社山本忠信商店)

コムギの種子生産や品種維持では、種子の純度を保つため、ほ場内に混在する異品種・異型株を発見し、抜き取る作業が必要です。一方、広いほ場を作業者が歩きながら異型株を探す従来の方法は、多くの労力と経験を必要とします。

本研究では、株式会社山本忠信商店との取り組みを通じ、実際のコムギ種子生産ほ場における異型株の判定基準や抜取り作業の実務要件を踏まえながら、クロロスのドローン近接撮影・画像解析システム「SWALO」を活用した抜取り支援ワークフローを開発しました。

ドローンで取得した高解像度画像からAIがコムギの穂や異型株候補を検出し、その位置をほ場地図上にマッピング。さらに検出結果をスマートフォンアプリに連携し、作業者を候補地点まで誘導することで、「撮影 → AI検出 → 地図化 → 現地確認・抜取り」までを一連の工程としてつなぐ仕組みを構築しました。

実証では、SWALOによる異型株候補の検出・マッピングと、スマートフォンを用いた現地誘導が機能することを確認しました。今後は、撮影条件や生育ステージによる検出性能への影響を検証するとともに、異なるほ場や品種での実証を進めていきます。

本技術は、種子生産や品種維持における異型株の抜取り支援に加え、育種・品種評価など、作物一株・一穂単位での観察や位置情報が求められる用途への展開も想定しています。

             SWALOによるコムギ異型株の検出・マッピングと現地抜取り支援

SWALOについて

日本生物環境工学会 ― スマートフォン動画からイチゴを数え、将来の「食べ頃」を予測

◆ 発表題目
「現場活用を考慮したイチゴ果数計測と登熟遷移予測ソリューションの開発」
◆ 発表者
伊藤 悠一・荒木 勇磨・相澤 光俊(クロロス株式会社)

観光農園では、来園者に十分な量のイチゴを提供するため、「いつ、どの程度の果実が食べ頃になるか」を事前に把握することが重要です。一方、現在の果実量や登熟状態の把握は、目視や生産者の経験に依存するケースが多く、時期や場所によるばらつきを定量的に捉えることが課題となっています。

本研究では、作業者がスマートフォンなどを持って栽培ベンチの横を歩きながら撮影した動画から、AIによってイチゴを登熟段階別に検出・計数する技術を開発しました。

物体検出と物体追跡を組み合わせることで、動画内での同一果実の重複計数を抑制。既存研究で一般的な3~4クラスよりも細かい6クラスに登熟度を分類し、食べ頃に至るまでの登熟過程をより詳細な水準で果実数を計測します。

さらに、現在の果数を起点として、温度を入力変数とする登熟遷移モデルを構築し、指定日数後に各登熟クラスの果実数がどのように変化するかを予測します。1週間後の予測値と実測値を比較した結果では、クラス間の平均ずれは約11%となりました。

この技術を活用することで、現在の果実数だけでなく、将来の「食べ頃」の果実数を把握し、観光農園における予約枠・集客判断や収穫適期の検討を支援することを目指しています。

本研究で開発した技術は、イチゴの果数計測・登熟予測サービス「BerryCast」として提供を開始しています。
BerryCastについて

若手研究者のキャリア形成に関するセッションにも登壇

日本生物環境工学会では、研究発表に加え、「学生および若手研究者の今後のキャリア形成についての検討・相談」をテーマとしたパネルディスカッション形式のセッションに、クロロスCTOの伊藤悠一が登壇しました。

セッションでは、学生・若手研究者の今後のキャリア形成をテーマに、企業における研究開発や研究者としてのキャリアなどについて意見交換を行いました。

クロロスでは、大学・研究機関との技術交流や共同研究に加え、研究人材との交流や、農業・AI分野における研究成果の社会実装にも継続して取り組んでいきます。

AIによる「認識」から、農業現場での「活用」へ

今回の2つの研究では、対象作物や解決する課題は異なります。

コムギでは、ドローン画像から異型株候補を発見し、位置情報をもとに作業者を現地へ誘導することで、「探して、抜く」作業の支援を目指しています。

イチゴでは、スマートフォン動画から現在の果実数を計測し、将来の登熟状態を予測することで、「数えて、先を予測する」意思決定の支援を目指しています。

クロロスは、AI作物認識とセンシング技術を用いて、品種・農薬・肥料などの研究開発から、種子生産、栽培現場まで、農業におけるさまざまな観察・評価作業の定量化・省力化を進めています。今後も、研究開発で得られた技術を実際の農業現場で利用できる形へとつなげ、作物の観察・分析基盤の構築を進めてまいります。

講演要旨・発表資料について

今回の研究内容について、各学会で提出した講演要旨を公開しています。
講演要旨PDF(クロロス公式サイト)

株式会社山本忠信商店について



株式会社山本忠信商店は、北海道十勝を拠点に、農作物の集荷、農業資材、豆類・米穀、小麦粉・プレミックス粉などを幅広く取り扱い、生産者と食卓をつなぐ事業を展開しています。生産者への施肥・防除・栽培技術の提案から、農産物の集荷・加工・販売まで一貫して支援し、北海道の「食」と「農」の持続的な発展に取り組んでいます。



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関連情報

◆ DATA WORLD CTOインタビュー
クロロス株式会社 CTO 伊藤悠一のインタビューが、AI・データ領域のオンラインメディア「DATA WORLD」に掲載されています。作物画像解析やAI技術に対する考え方、クロロスの技術開発について紹介されています。
インタビュー記事はこちら

クロロス株式会社について

クロロス株式会社は、植物に関するデジタル情報の解析を目的としたシステム及び機器の企画、開発、販売、保守、コンサルティングを行う企業です。
ミッション「AI作物認識で作物の進化を支える“Visual Intelligence for Crop Evolution”」のもと、作物のAI画像解析とセンシング技術を軸に、品種や農業資材などの農業開発を支援し、作物の進化と未来の食を支えます。
【会社概要】
会社名:クロロス株式会社(Chloros Inc.)
代表者:代表取締役 相澤光俊
本社所在地:東京都足立区
事業内容:植物に関するデジタル情報の解析を目的としたシステム及び機器の企画、開発、販売、保守及びコンサルティング
ミッション:AI作物認識で作物の進化を支える “Visual Intelligence for Crop Evolution”
設立:2025年
Webサイト:https://chloros.ai


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以上

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