
もみ殻バイオ炭製造装置イメージ※1
ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム株式会社は、コメの収穫後に大量に発生する副産物「もみ殻」を炭化し、土壌改良材や炭素固定資材としての活用や循環型農業を実現する「もみ殻バイオ炭製造装置(以下、本機)」を2026年9月より受注開始します。
日本のコメづくりでは年間約200万トン(推定)のもみ殻が発生するといわれています※2。野焼きが禁止されている地域も多く、近隣への煙や臭いといった苦情にもつながることから、もみ殻処理は農業事業者にとって大きな課題となっています。また、燃焼時にはPM2.5の発生や、燃焼時の温度管理不備による発がん性物質(結晶質シリカ)の生成など、従来の処理方法では環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。
本機は、もみ殻を燃焼させて「バイオ炭」を製造する装置です。ヤンマーの独自技術により有害物質である結晶質シリカを生成しない燃焼方式でのバイオ炭製造を実現しました。カントリーエレベーターやライスセンターなど、大量のもみ殻処理に課題をもつ施設での導入を想定し、2023年からの実証試験を経て商品化しました。バイオ炭は土壌改良効果で循環型農業に貢献するだけでなく、炭素を分解されにくい形で地中に長期間閉じ込めることでカーボンネガティブにも寄与します。
脱炭素農業への貢献
J-クレジット創出に対応
製造したバイオ炭を農地に施用し、炭素を固定することで「J-クレジット」(国が認証する温室効果ガスの排出削減・吸収量の取引制度)を創出し、資源循環型農業に貢献します。600℃超の高温炭化により、J-クレジット制度上の炭素残存率が通常のデフォルト値の約1.37倍で認定されます。本機1台あたり年間100tのバイオ炭を製造し、160t-CO2の炭素固定※3が可能となります。
みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画の認定を取得
本機に関する当社の事業計画は、みどりの食料システム法に基づく「基盤確立事業実施計画」として、2026年8月4日付で農林水産大臣・経済産業大臣より認定を受けました※4。同法では、認定を受けた基盤確立事業により生産される機械などを対象に「みどり投資促進税制」が設けられ、要件を満たす農業者などは税制上の特例措置を受けられる場合があります。対象機械や適用要件、手続きの詳細は農林水産省の情報を参照ください。
商品概要

主な特長
化石燃料を一切使用せず、省エネと静音性を実現
着火は電気ヒーター(約3.2kW×1.5時間)のみで、それ以降はもみ殻の熱で自燃します。高温燃焼を実現し二次燃焼用バーナーも不要です。24時間平均の消費電力が約1.5kWで省エネに寄与するとともに、運転にかかる動力を小さくすることで静音性も実現しています。

発がん性物質「結晶質シリカ」を含まず、吸着性に優れた多孔質のバイオ炭を製造
独自の燃焼方式により煙・臭気・結晶質シリカの生成を抑制できる設計です。高温炭化により、くん炭と比較して表面積が大きく肥料などのさまざまな成分をより多く吸着できるバイオ炭を製造します。本機で製造したもみ殻バイオ炭は、農地の保水性や排水性の改善などの土壌改良材として安心して利用いただけます。
省力化技術による24時間運転
自動化と遠隔監視システムによる省力化で、夜間を含めた24時間運転を実現します。

もみ殻の回収、バイオ炭化、活用の流れ
もみ殻バイオ炭製造装置について
もみ殻処理と脱炭素の課題を解決する 「もみ殻バイオ炭製造装置」の実証試験を開始(2023年)
※1 実際の装置の写真をもとに、一部画像加工を施しています。
※2 NEDO 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 グリーンイノベーション基金事業
「農業副産物を活用した高機能バイオ炭の製造・施用体系の確立」当社ビジョン資料
※3 CO2換算値。実際には製造時および施肥時のCO2排出量を別途減算する必要があります。
参考資料:J-クレジット方法論AG-004(バイオ炭の農地施用)
※4 農林水産省 基盤確立事業実施計画の認定状況及びみどり投資促進税制の対象機械について
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/midorihou_kibann.html
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/midorihou_kibann-260.pdf
<注記>記載内容は発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。
ヤンマーホールディングス株式会社1912年に大阪で創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した産業機械メーカーです。大地・海・都市のフィールドで、エンジンなどのパワートレインを軸に、アグリ・建機・マリン・エネルギーシステムなどの事業をグローバルに展開し、顧客価値を創造するソリューションを提供しています。創業以来受け継ぐ、人と未来の可能性を信じ挑戦を後押しする「HANASAKA」の精神を原動力に、「A SUSTAINABLE FUTURE -テクノロジーで、新しい豊かさへ。-」の実現を目指します。









