本研究成果は、当社の既存製品が持つ旨味増強機能を「無塩」で実現する可能性を示すとともに、従来の製造プロセスの制約を受けない新たな生産モデルの確立に繋がることが期待されます。
なお本研究の詳細は、2026年9月に開催される「日本調理科学会2026年度大会」にて発表いたします。

■研究の背景
当社ではこれまで、塩こうじが食材の旨味をアップさせる効果を応用し、独自技術による「熟成こうじパウダー」などを展開し、ご好評をいただいてまいりました。一方で、既存の製法では製品に塩分が含まれることや、製造プロセス上の理由から需要に応じた大幅な増産が難しいという課題がありました。そこで本研究では、減塩や幅広い食品加工ニーズに応えるため、米こうじ単独(無塩)の処理によって既存製品と同様の旨味アップ効果を発現させ、かつ需要に合わせて柔軟に安定製造できる新たな処理方法の確立を目指し、検証を行いました。
■研究成果の概要
研究の結果、以下の成果を得られました。1.熟成と焼成による「旨味アップ」機能の確認
米こうじに含まれるグルタミン酸と糖の濃度を指標に米こうじの熟成条件を検討した結果、60℃で6時間の熟成が最適であることが分かりました。さらにこの熟成米こうじを焼成し、唐辛子抽出液やコンソメスープに添加したところ、辛味持続に加え、高い旨味持続効果が認められました。
2.メイラード反応物(5-HMFおよびDDMP)の関与を検証
この熟成米こうじには、先行研究にて当社「熟成こうじパウダー」の旨味アップに関わるメイラード反応物として見出していた「5-HMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)」および「DDMP(2,3-ジヒドロ-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-(4H)-ピラン-4-オン)」が含まれていることが判明しました。これにより、「無塩」の米こうじにおいても、既存製品と同等の呈味増強成分を生成できることが官能評価の結果とともに実証されました。
■今後の展望
本研究による熟成と焼成を組み合わせた処理により、以下の実用化に向けた大きな展望が開けました。「熟成こうじパウダー」と同等の機能を「無塩」で実現
塩分を気にせず使用できるため、より広範な調理法や加工食品、昨今の減塩・健康志向ニーズに対応した製品への展開が可能となります。
米こうじからのダイレクト製造による量産・安定供給体制の確立
米こうじから直接機能性成分を引き出せるため、従来の製造プロセスに縛られず、今後の市場拡大にも柔軟に対応できる持続可能な製造モデルの構築が期待されます。
当社は今後、本研究成果を活かし、国内外の幅広い食のニーズに応える新たな調味料・食品素材の開発を推進してまいります。
■学会での発表
●学会名:日本調理科学会2026年度大会●日時:2026年9月1日(火)11:15~11:45
●演題:加熱熟成プロセスが米こうじに付与する「旨味アップ」という新たな調理機能の発見
●会場:同志社女子大学 今出川キャンパス
●発表者:山本英作、千葉智









