飲食料品値上げ 9月は4923品目 今年最大の値上げラッシュ 2023年以来3年ぶりの多さ 22年以降では過去4番目の高水準に

掲載日: 2026年08月31日 /提供:帝国データバンク

「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年9月




株式会社帝国データバンクは、2026年9月以降における飲食料品の値上げ動向と展望・見通しについて分析を行った。
SUMMARY
2026年9月の飲食料品値上げは、合計4923品目となった。
2026年の値上げ品目総数は、1~11月までの判明分で1万9083品目に達した。年間では2万品目への到達が確実となり、前年(2万609品目)を上回るとみられる。

[注]
品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウントした
値上げ率は発表時における最大値を採用した。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む
9月の値上げは4923品目 今年最大の値上げラッシュ
主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした9月の飲食料品値上げは4923品目、値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均11%となった。単月の値上げ品目数としては2026年で最も多く、年内最大の値上げラッシュとなる。前年9月(1467品目)から約3倍と大幅に増加したほか、単月で4千品目を超えたのは2025年4月(4225品目)以来、1年5カ月ぶり。また、本格的な値上げラッシュの1年となった2023年4月(5404品目)に次ぐ過去4番目の多さとなった。中東情勢の悪化による原油・ナフサ高に加え、人件費や物流費、円安などの影響が値上げ品目数を大幅に押し上げた。


2026年9月の値上げを食品分野別に集計すると、最も多いのはマヨネーズやドレッシング類、しょうゆ、つゆ製品、食酢類など幅広いジャンルが対象となった「調味料」(1959品目)だった。「加工食品」(1848品目)は、冷凍食品のほかチルド食品、すり身製品などが中心となった。加工食品単独で1千品目を超えたのは3カ月連続となり、値上げラッシュが本格化した2023年2~4月以来、約3年半ぶりとなる。「酒類・飲料」(466品目)は炭酸飲料など清涼飲料水をはじめ、焼酎など一部アルコール製品も対象となった。「乳製品」(278品目)は前年同月から倍増、「菓子」(272品目)も引き続き高水準で推移した。


2026年の飲食料品値上げ品目数の累計(1~11月までの判明分)は1万9083品目が判明した。2年連続での年間2万品目超えが確実となるほか、前年(2万609品目)を上回るとみられる。10月以降では、10月(3033品目)が単月で3千品目を超える見通し。4カ月連続での単月2千品目超えは2022年6~10月以来、4年ぶり。2カ月連続で単月あたり3千品目を超えるのは、2023年6~7月以来、約3年ぶり。



年間の値上げ品目数を食品分野別に集計すると、最も多いのは冷凍食品やパック米飯など「加工食品」で6775品目に上り、前年の実績値(4791品目)を約4割上回った。「菓子」(1336品目)、「原材料」(624品目)も同様に、それぞれ前年の値上げ品目数累計を上回った。


値上げ要因では、「原材料高」の影響を受けた値上げが90.7%を占め、全要因のなかでは最も高いものの、3月以降は低下傾向で推移した。一方、電気代などの「エネルギー」(65.1%)は上昇傾向に転じており、2025年8月調査時以来、1年ぶりに65%台となった。中東発の国際情勢の混乱による影響が要因となった値上げ(「中東情勢」)は27.8%と、全体の約3割を占めた。





2026年の見通し: 「中東発」値上げラッシュ、今秋にピーク迎える見通し
2026年の飲食料品値上げは、中東情勢の悪化に伴う原油供給の混乱で、インクや食品フィルム、トレー類など石油由来の資材高が始まった「中東発インフレ」の影響を強く受ける1年となっている。ロシアによるウクライナ侵攻に伴う小麦などの穀物高やエネルギー高などがきっかけとなった、2022~23年の外部ショック型インフレが再来している。加えて、従前から続いた人件費・物流費中心の粘着的な国内インフレが上乗せされたことも、結果的に前年を上回る勢いの値上げが続く要因になっている。


足元では、一部の外食チェーンやコンビニなどで客数確保を目的とした価格引き下げの動きもみられる。ただ、原材料・人件費・物流費などのコスト環境は依然として厳しく、値上げでもコスト増が十分吸収できていないケースも少なくない。中東情勢の緊張緩和が見通せず、原油価格の高止まりのほか、記録的な円安基調の継続による輸入コストの高止まり、異常気象による農水産・畜産品の不作・生育不良も懸念されるなど恒常的なインフレ懸念も根強い。そのため、広範な値下げの動きが食品メーカーにも波及する可能性は低いとみられる。


飲食料品価格は今後も中東情勢や為替動向など外部環境の影響を受けやすい状況が続き、2026年後半にかけても断続的な値上げが継続するとみられる。年間の値上げ品目数は前年並みとなる2万品目台での推移が見込まれ、前年累計を上回るとみられる。

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