創業364年の老舗旅館を守る、ベトナムとネパールから来た二人。9年の軌跡と、彼らが導く「言葉なきおもてなし」の未来 箱根・金乃竹グループ

掲載日: 2026年07月28日 /提供:金乃竹

2017年に入社した同期の二人が、箱根の歴史ある宿で初の外国籍支配人に就任 ~新体制で迎える「夏秋の特別プラン」を7/30より受付開始~




  神奈川県 箱根で旅館5店舗・飲食店4店舗を運営する株式会社金乃竹(本社:神奈川県箱根町 代表取締役社長:八幡 正昭 以下、金乃竹)が展開する、1662年創業の老舗旅館「松坂屋本店」。この歴史ある宿で今年4月、初となる外国籍の支配人が誕生しました。ベトナム出身のリン(NGUYEN THI THUY LINH)と、ネパール出身のサンジブ(KHADKA SANJEEV)です。
 2017年にほぼ時期を同じくして入社した二人は、言語や文化の壁、そして老舗ならではの「目に見えない高い基準」にぶつかりながらも、日本の「おもてなし」の本質を追求し続けてきました。異国の地で出会った同期の二人が、なぜ老舗の看板を背負うまでに至ったのか。二人が歩んだ9年間の葛藤と成長、そして対照的なアプローチで体現する「おもてなしの真髄」を描きます。

|言葉と「見えない基準」の壁 ~悔しさから始まった2017年~
 2013年に来日したサンジブと、2015年に来日したリン。ともに「日本の質の高いサービスやおもてなしを現場で学びたい」という強い想いを抱き、2017年に株式会社金乃竹へ入社、松坂屋本店へと配属されました。
しかし、伝統ある老舗旅館の現場で待っていたのは、想像を超える高い壁でした。

■ リンがぶつかった言葉の壁



 「入社したばかりの頃、日本語にまだ自信がなく、お客様からの質問を十分に理解できないまま違うご案内をしてしまいました。先輩にすぐフォローしていただきましたが、悔しさと申し訳なさで胸がいっぱいに。『分からないことは曖昧にせず必ず確認する』と心に誓い、毎日少しずつ日本語と接客表現を学び続けました」



■ サンジブがぶつかった「察する」文化の壁



 「最初は日本のおもてなしの基準が分からず、『これで十分だ』と思った仕事でも先輩から『まだできることがある』と指導を受ける毎日でした。特に『お客様が困る前に先回りして動く』という考え方は簡単ではありませんでした。悔しさから先輩の動きを徹底的に観察し、『なぜ今その行動をしたのか』を自分なりに突き詰めるようになりました」



 曖昧さをなくす努力と、理由を考え抜く観察眼。この初期の挫折と反省こそが、今の二人のプロフェッショナリズムの土台となっています。

|「感性」のリンと「論理」のサンジブ ~対照的な成長ストーリー~
 約9年の月日を経て、二人はそれぞれの強みを活かした独自のスタイルで「おもてなし」を体現するようになります。
【リン:感性とおもてなしの心】
・女将からの学びと伝統文化の継承(生け花・着付け)
・相手の小さな変化に気づき、言葉になる前に動く繊細な気配り

【サンジブ:論理と仕組みの構築】
・引き継ぎ漏れを防ぐデジタルツール(チャット・共有シート)の導入
・再現性のある高いサービス品質と、チーム全体を活かす環境づくり

■女将の言葉を胸に、日本の美意識を宿すリン




 館内の生け花やお客様の着付けを担当するリン。独学では限界のある日本文化の習得は、女将からの手ほどきによって深まりました。
「生け花を習う際、女将から『ただ花を飾るのではなく、その季節や空間、お客様の気持ちを考えることが大切』と教えていただいたことが、今も私の軸になっています。着付けの練習で焦っていた私に『焦らなくて大丈夫。続ければ必ずできるようになるよ』と温かく励ましてくださった言葉が大きな支えでした」
繊細な配慮を積み重ねた結果、先輩から「このお客様はリンさんにお願いね」と接客を任されるようになり、常連客から「またリンさんに会いに来ました」と声をかけられる存在へと成長しました。

■「属人化」を排し、誰もが動きやすい現場を創ったサンジブ




 一方のサンジブは、感覚的になりがちな老舗の業務を「誰もが再現できる仕組み」へと落とし込むことに情熱を注ぎました。
「旅館では1日に非常に多くの複雑な情報が行き交います。以前は口頭伝達が多く、引き継ぎ漏れが発生することもありました。そこでチャットやデジタル共有シートを活用し、予約状況や注意点を可視化・標準化しました。スタッフから『この方法のほうが仕事しやすくなりました』と言われた時、自分の仕事がチームの役に立っていると実感しました」
論理的な分析力と現場改革の手腕が認められ、先輩からも「この改善はサンジブさんに任せるよ」と全幅の信頼を寄せられるようになりました。

|支配人としての日常 ~1日のルーティン~
 対照的な二人ですが、支配人としての日常における「集中する瞬間」には、それぞれのこだわりが現れています。


|同期へのリスペクトと、これからの300年
 2017年に入社し、現場の苦楽をともにしてきた二人。互いへのリスペクトが、最強のパートナーシップを生んでいます。



リンから見たサンジブ:
「サンジブさんは物事をとても論理的に捉え、問題が起きた際も原因を分析して改善につなげる力があります。常に現場全体を見ながら最適な判断ができるところを心から尊敬しています」

サンジブから見たリン:
「リンさんは責任感が強く、周囲のためにすぐ行動できる人です。忙しい時や問題が起きた時も、周りのスタッフの状況を気にかけて支えてくれる姿を、同期として何度も見てきました」

|伝統を守り、国際的なチームで未来へ

松坂屋本店 外観画像

 創業364年を迎えた松坂屋本店。二人が見据えるのは、伝統を継承しながらも、時代の変化に柔軟に対応する老舗の新しい姿です。
「日本の伝統を守りながら、世界中から集まるスタッフとともに、国内外のお客様にとって最も居心地の良い場所をつくりたい」。異国の地から来た二人の新支配人が、箱根の老舗旅館に次の300年へ続く新しい風を吹き込んでいます。

|支配人プロフィール


NGUYEN THI THUY LINH(グエン ティ トゥイ リン)・1990年11月3日生まれ、ベトナム出身。
・2015年9月 来日
・2017年6月 入社
・副主任・副支配人を経て昇格
・2026年4月 支配人就任
・接客・運営の現場経験を蓄積
・生け花・着付けなど日本文化も体現
・趣味:旅系YouTubeの視聴






KHADKA SANJEEV(カドカ サンジブ)・1994年7月31日生まれ、ネパール出身
・2013年4月 来日
・2017年2月 入社
・副主任・副支配人を経て昇格
・2026年4月 支配人就任
・接客・運営の両面で経験を蓄積
・現場オペレーションの中核を担う
・趣味:家庭菜園





|江戸から続く温泉宿「松坂屋本店」について



 松坂屋本店は、1662年(寛文2年)創業、360年以上の歴史を持つ箱根・芦之湯の温泉旅館です。江戸時代より湯治場として多くの旅人を迎え入れてきた由緒ある宿であり、現在もその趣とおもてなしの精神を受け継いでいます。
温泉は、毎分200リットル湧き出る湯の花舞う100%源泉かけ流し。硫黄泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉の三大美肌泉質をすべて含有する希少な泉質です。客室は約四千坪の敷地に、趣の異なる6つの館からなる全21室。歴史的建築の風情を活かした空間で、日本の伝統文化を体感できる滞在を提供しています。
施設名:松坂屋本店
住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯57
TEL:0460-83-6511
駐車場:22台分の無料駐車場あり
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|金乃竹リゾートについて

 金乃竹リゾートは、1947年に神奈川県箱根町仙石原で最初の温泉旅館を開業いたしました。1999年には、当時ではまだ珍しい貸切露天風呂による「非日常」を通して、温泉旅館の新たな楽しみ方と価値を創出してまいりました。現在は、5つの旅館施設と3つの飲食店の事業を展開するとともに、新規事業であるクラフトビールなどの多角化や、これまでのターゲットを変えた新たな旅館施設の開業など、ポートフォリオの構築を進めています。これにより、外部環境の変化に対応して持続的な成長を目指します。
金乃竹リゾート 公式HP

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