発酵食品由来の乳酸菌から新しい免疫活性化成分を発見(県立大学)

掲載日: 2022年04月08日 /提供:石川県庁


令和4年4月8日
石川県立大学
担当者:松﨑 千秋
TEL 076-259-0435

発酵食品由来の乳酸菌から新しい免疫活性化成分を発見

健康飲料として親しまれている野菜発酵液※1の中から、粘膜免疫力を高める効果を持つ乳酸菌を見出しました。さらにその乳酸菌から精製した免疫活性化成分であるリポテイコ酸※2は、他の乳酸菌と比較して非常に高い活性を持ち、新規な構造をした成分でした。食品由来の新しい免疫賦活剤として、機能性食品への応用が期待されています。

概要

石川県立大学の研究グループ(松﨑千秋 講師(研究責任者)、東村泰希 准教授)と、(株)アルソア慧央グループの高橋知也 主任研究員、札幌医科大学の研究グループ(横田伸一 教授、白石宗 助教)らは、野菜発酵液中の乳酸菌から、新規な構造を持つ新しい免疫活性化成分を発見し、単離・精製することに成功しました。本研究成果は、国際科学雑誌「Applied and Environmental Microbiology」に掲載されました。

発酵食品中に含まれる乳酸菌には、腸内で免疫系を刺激することによって、私たち人間の免疫力を高める効果があります。野菜発酵液は日本の伝統的な発酵食品のひとつであり、健康増進効果が期待されて各地で愛飲されていますが、免疫系を誘導するメカニズムは明らかにはなっていませんでした。

本研究では野菜発酵液中に最も多く含まれている乳酸菌 Apilactobacillus kosoiに粘膜免疫系を増強する効果があることを明らかにしました(図A)。これまでにも乳酸菌の細胞壁を構成するリポテイコ酸が免疫賦活作用を持つことがわかっていたため、この乳酸菌のリポテイコ酸を精製し詳細な解析を行いました。するとこの乳酸菌のリポテイコ酸は、プロバイオティクス乳酸菌※3として報告されている他の乳酸菌のリポテイコ酸と比較して非常に高い免疫誘導能を持ち(図B)、かつ多くの糖の置換基が存在する新規な構造をしていることがわかりました(図C、D)。食品由来の新しい免疫賦活剤として、機能性食品への応用が期待されています。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kisya/r4/documents/0408soumu.pdf

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